異なる路面サーフェスが混在する1周1.786マイル
バンピーな難コースとして知られるトロント公道
2023年インディーカー・シリーズ全17戦の第10戦目が今週末にカナダのオンタリオ州トロントで開催される。
州都のダウンタウン南側、オンタリオ湖畔に造られた催し物会場=“エギジビジョン・プレイス”とその周辺道路がHondaインディー・トロントの舞台だ。
このストリート・コースの全長は1.786マイル=2.874キロメートルあって、コーナー数は11。レースの周回数は85ラップで、距離は151.81マイル=244.31km。
トロントのコースは舗装の材質がいくつもあり、場所によってグリップの仕方が違うところがドライヴァーたちを悩ませる。特にコンクリート舗装になっている多くのコーナーでは、コーナリング中にグリップ・レヴェルが変わるため、ドライヴィングが難しい。路面はバンピーで、ブレーキングには常に気を使わなければならない。オーヴァーテイク・ポイントはメイン・ストレート・エンドのターン1と、その先のバック・ストレッチ・エンド=ターン3がメイン。ターン3でアウトから仕掛け、ターン4も並走してターン5で前へ……というシーンもよく見られる。
アクティビティ、サポートレースも満載で週末は今年も大賑わいに
サポート・レースは、カナダのNASCARピンティーズ・シリーズ(元インディーカー・ドライヴァーのアレックス・タグリアーニが出場中)、USFプロ2000プレゼンテッド・バイ・クーパー・タイヤズ、USF2000プレゼンテッド・バイ・クーパー・タイヤズ、スポーツ・カー・チャンピオンシップ・カナダ・プレゼンテッド・バイ・ミシュラン、ラディカル・カップ・カナダ・プレゼンテッド・バイ・ミシュラン……とちょっと詰め込み過ぎ……な割にインディーNXTバイ・ファイアストンは開催されない。インディーNXT、ロング・ビーチにも彼らは呼ばれていなかった。観客動員の多いイヴェントでレースさせてもらえないのは、インディーカー・ステップ・アップ目前の人たちにとってあまり嬉しくないと思うが。
ワールド・クラスのレースを中心に、国際色豊かな食べ物が供され、ビア・ガーデンが開かれ、音楽のライヴが行われる。さまざまなアクティヴィティによってトロントのレース・ウィークエンドは幅広い年齢層が楽しめるものとされており、毎年レース会場内はおおいに賑わう。もう何年もカナダにインディーカーが来るのは1回だけ=トロントだけ、となっていることも影響しているのだろう。以前にはヴァンクーヴァー、エドモントン、モントリオールで開催されていた。
チケットは、金曜日は幾らでもいいのでメイク・ア・ウィッシュ・カナダに寄付をすれば入場可能。
土曜、日曜の2日間通し券で入場のみだと75カナダ・ドル、グランド・スタンドのシートありだと100ドルから。
1日券の場合は、土曜日のグランド・スタンドのシートなしが50ドルで、日曜は60ドルから。シートありだと、土曜が75ドルから。日曜は90ドルから。チケットを持っている大人と一緒なら、12歳以下は無料(シートの代金は必要)。
2015年以降、優勝はペンスキー勢vsディクソンの構図
そして過去6年、ポールシッターは勝てていない!
*歴代ウィナー
2022年 スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)
2021、2020年はCOVID-19パンデミックで開催なし
2019年 シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー/シヴォレー)
2018年 スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)
2017年 ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)
2016年 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー/シヴォレー)
2015年 ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)
*歴代ポール・シッター
2022年 コルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)
2021、2020年はCOVID-19パンデミックで開催なし
2019年 シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー/シヴォレー)
2018年 ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)
2017年 シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー/シヴォレー)
2016年 スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)
2015年 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー/シヴォレー)
・2015年からの6回のレースでの勝利は、ディクソンとペンスキー勢が分け合っている。
・おもしろいことに、過去6回のレースにおいて、ポール・シッターとレース・ウィナーが異なっている。
・ディクソンとニューガーデンが2勝+1PPで並んでいる。ディクソンはここで若きチームメイト=アレックス・パロウとのポイント差を縮められるか?
そして、ポイント3番手につけているニューガーデンは、ミッド・オハイオではまったくパフォームできていなかったため、トロントでは大きくバウンス・バックしなければ、タイトル争いはさらに厳しくなる。
・パジェノーがトロントでは1勝+2PPと好成績を残している(パジェノーのインディーカーは今年限り、という噂あり。スポーツカーの強豪から破格のオファーでもあったのだろうか? プジョー? ペンスキー・ポルシェ? アキュラ??)。
・今年のストリート・レースといえばアンドレッティ・オートスポート/ホンダ。ハータは2年連続PPからジンクスを破っての優勝=トロント初勝利&今季初勝利を挙げたいところ。スランプ気味のロマイン・グロジャンもここが流れを変える大きなチャンスだろう。カイル・カークウッドのキャリア2勝目も十分考えられる。AA第4の男=デヴリン・デフランチェスコは地元カナダでの開催なので、表彰台を目指したい(デフランチェスコは今年でアンドレッティ・オートスポート/ホンダから離脱するとの噂あり)。
以上
久々、見ごたえのあるレースでした。後半戦突入で、来シーズンのうわさが少しあるみたいですがやっぱり琢磨選手が気になります。アームストロングも、ロードストリートで好成績を残していますから来シーズンはオーバルもレースするんじゃないでしょうか?オーバルだけじゃなく、ロードストリートでの琢磨選手も観たいのに…。次のアイオワで好レースを期待してます!
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