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「予選で僕らのマシンは曲がっていかないものになっていました」
ジャック・アマノ(以下――):予選、そしてファイナル・プラクティスが終わりました。チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダでの初めての予選、マシンはどうでしたか?
佐藤琢磨:予選のマシンはバランスが合ってませんでしたね。このチームで戦う最初の予選でしたからね。チームとしては、なんていうのかな、ベースラインをやる……みたいな感じで、アグレッシヴには行かなかったんですよね。僕と(エンジニアの)エリック(・カウディン)と話して、ベストと考えられるのは推測になっちゃってたんです。自分はこのチームのクルマをよく知らないし、久しぶりのレースで、今回はマシンが新しいコンフィギュレーションになってるということで、どうしてもプログラムが1ステップか2ステップ遅れちゃうんです。だから、予選のシミュレーション・ランがパンパンパンッと行かないんですよ、ディクソンはほとんどプログラム通りに行くんだけど。僕は1個、2個後ろから追いついて行く感じ。だから、プラクティスでやったクォリファイング・シミュレーションでは、実際にクォリファイを走るセッティングでは走っていなかった。それでも、チームメイトのデータを基にフィルターをかけたセッティングで行くことになった。そういう状態だとマシンの最後のディティールの部分までは合わないんすよ、気温も上がっちゃっていたし。簡単に言うと、予選での僕らのマシンは曲がって行かないものになっていましたね。アンダーステアが強くなっちゃってたからツールを一生懸命使ったんだけど、それも使い果たしちゃって、クルマが曲がんないからタイトなラインをホールドできない分、走行距離は伸びちゃう、タイヤ・スクラブでスピードが落ちる……という、予選は残念な状況になっていました。そのデータがあったから、9号車の予選はうまく行ってたいましたね。
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「このチームで最初に戦う予選として6位は悪くないですが
じっさいに予選を戦うと悔しさは出ますね」
――走った時点ではホンダ勢最速だったし、スピードはプラクティス後に話していた通りの219.5mphでした。
佐藤琢磨:220mph台に行きたかったですね。でも今のマシンのバランスではそれはできなかった。そこは悔しいですね。もちろん、このチームで戦う最初の予選としては悪くなかったと思います。やっぱり、実際に予選を戦うと、悔しさは出ますね。しょうがない。まぁ、本番はインディーってことで。今回はサード・ロウ、予選6番手は悪くないですよ。
――明日は今日より涼しくなる予報ですが?
佐藤琢磨:気温が低いとダウンフォースが増えて、みんなマシンが良くなっちゃうので、暖かい方がクルマの良さが出て来るでしょうね。明日は気温よりも、風向きが今日と180度変わることの方が及ぼす影響は大きいかな?
「チーム内のバトルもすごくなっています」
――さきほど、インディーが本番……と言ってましたが、今回はチームやクルマのことをより深く知るっていう部分が重要だとして、その進み具合は順調ですか?
佐藤琢磨:そうですね。走る毎にスピードやポジションが上がって来ているでしょ? そういう面からも、いい感じで来ていると思います。チーム内でのバトルが早くもすごくなってるね。9号車とのバトルが。
――チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダのプライオリティは9号車……ということですね?
佐藤琢磨:それはしょうがないですよ。リスペクトしないと。ディクソンはこのチームに20年もやって来ている人だから。自分も頑張りますよ。でも、ポジティヴな面もあります。チームがフルにバック・アップしてくれているので、本当にすごく走り易いです。
「CGRではみんなが向かい合って普通に話せるようになっている
そうやって4人で情報交換できるところがいい」
――ドライヴァー4人が集まってのブリーフィングは、今回からマシンに乗る人となっての参加となっていますが、どんな感じですか?
佐藤琢磨:DCRの時にはドライヴァーとエンジニアのコンビ同士が壁に向かって座っていて、お互いに背を向けている状態だったんだけれど、CGRではみんなが向かい合って普通に話せるようになっているところがいいですね。そうやって4人で情報交換をしています。でも、今週はスケジュールがタイト過ぎて、セッション毎にみんなが集まって……ということはやってません。だから、まだチームメイトたちの予選を走ってのフィーリングとかはまだ聞いてません。自分としては1セッション終わる毎に9号車のピットに行って、(ディクソンのエンジニアの)ロス(・バネル)と話をするようにしています。彼らが何をやっているのかを知ろうと思って。まぁ、みんないい感じで頑張ってくれていますよ。Photo:Penske Entertainment (Joe Skibinski)クリックして拡大
――エンジニアのエリックとの仕事はスムーズに行ってますか?
佐藤琢磨:僕は悪くはないと思っています。ロスみたいに天才型でパパーッって進んでく感じではなくて、去年DCRで組んでいたドン(・ブリッカー)とは違うけど、こっちが引き出してあげないと……というタイプで、“エリック、次に行こう”って、こちらから言う感じですね。その“次に行こう”のさらに次はエリックの方でちゃんと計算してくれています。僕が”こっちに行きたい、あっちに行きたい”というのをちゃんと言えば、その通りに合わせ込んでってくれますね、エリックは。そういう意味で素晴らしいエンジニアですね。
――ドライヴァーを尊重してくれるエンジニア。
佐藤琢磨:そうですね。すごくリスペクトしてくれていることを感じてます。彼はトニー・カナーンと長く一緒にやっていたんだけれど、いろんなチームを渡り歩いてきています。自分の方は意識をしていなかったけれど、彼はいつも、“TSが自分たちより前にいる”みたいなことを感じてたらしいんですよね。だから、“やっと一緒にできるね”って言ってくれています。そうやってすごくリスペクトしてくれていると感じるから、こちらとしてはとてもやり易いですよ。
――レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングで組んでいたエディー・ジョーンズに似たタイプですか?
佐藤琢磨:エディー・ジョーンズに似ているけれど、彼はレーシング・ドライヴァーだったから、もっとコクピットの話ができた。でも、エリックは僕が言ったことを非常によく聞いてくれるし、とてもやり易い、素晴らしいエンジニアだと思います。
*今日のレース、天候の心配があるので、予定より14分前倒しのスケジュールで始まるとのことです。
以上
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