インディーカー参戦2シーズン目、アンドレッティに移籍して3戦目にしてカークウッドは堂々ポールポジションを獲得 Photo:Penske Entertainment (Chris Owens) クリックして拡大 |
絶好調だったオーワード、ファスト6進出もまさかの最下位
カークウッド、3セット目のオルタネートを投入し最終ラップにグロジャンを逆転
2セッション続けてトップだったパト・オーワード(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)は予選ファイナルまでキッチリ駒を進めたが、意外にも最下位の6位で予選を終えた。ポール・ポジションを獲得したのは、プラクティス1で11番手、プラクティス2で2番手につけたカイル・カークウッド(アンドレッティ・オートスポート/ホンダ)だった。予選のファースト・セグメントをグループ1のトップで通過(1分06秒5593)したインディーカー参戦2年目のドライヴァーは、セグメント2では3番手につける1分06秒4568をマーク。ファイナルではオルタネート・タイヤの3セット目を投入し、その作戦も功を奏してアタック最終ラップに1分06秒2878を出し、先輩チームメイトのロマイン・グロジャン(アンドレッティ・オートスポート/ホンダ)からトップの座を奪った。フロリダ州ジュピター出身、現在24歳の2021年インディー・ライツ・チャンピオンは、インディーカーでのキャリア20戦目にして初ポール・ポジション獲得を達成した。
Photo:Penske Entertainment (Karl Zemlin)クリックして拡大 |
ファイナルで唯一我々だけがニュータイヤを履いていたので
やるべきことをやればポールポジションの可能性はあるとわかっていた」
「グランプリ・オヴ・ロングビーチのポール・ポジションが獲得でき、すごく興奮している。今週末の我々のマシンはとても良く、プラクティスが始まってからも全員で良い仕事して来て、一歩ずつ着々に進歩して来ていた。このチームに加わって3レース目でもうポール・ポジションが獲得できたんだから、これ以上嬉しいことはない。ファイナルでニュー・タイヤを履いていたのは自分たちだけ。それは知っていた。だから、やるべき仕事をやり切ればポール・ポジションの可能性はあると知っていた。マシンにその力があることもわかっていた。走っている自分としては、かなり良いラップになったと感じていた。そして、PP獲得がなったことを知らされた」とカークウッドは紅潮した顔で喜びを語った。
「コンクリート・ウォールの中でも走りやすいと感じている」と語るカークウッド
アメリカで最もプレスティージの高いストリート・レースでキャリア初ポール・ポジションを獲得したのだからエキサイトして当然だ。
Photo:Penske Entertainment (Joe Skibinski)クリックして拡大 |
「ストリート・コースで自分はいいパフォーマンスを見せて来ているが、それはコンクリート・ウォールに囲まれた中でも走りやすいと感じることができているからだと思う。それはカート時代の経験から来ているんじゃないかな? マシンの限界を理解できている。ストリート・コースすべてに共通しているのはバンプがあることと、ウォールにどう接近して行く走りをするのかが重要なところ。目視することができない自分のマシンの四隅を把握する車両感覚が必要で、自分はその点で優れているんだと思う。ロング・ビーチのコースにはターン2とターン11、ふたつのタイト・コーナーがあって、私はなぜだかそれらのコーナーをとても楽しんでいる。退屈でインディーカーにはタイト過ぎる、と考えている人もいるけれど、私は好きだ。他のコースにないタイプのコーナーだけに、それらはとても挑戦のしがいがある。そういう意味で良いコーナーだと思う」とカークウッドはストリート・コースに対する考えを話した。
エリクソン、予選2位で開幕からの予選パフォーマンスを維持
予選2位はマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)。彼は予選4位から開幕戦優勝を果たしている。「マシンが走り出しから速い。良い週末にできている。予選の成績アップは自分たちの課題だった。今年は開幕戦から予選で高い競争力を見せて来れている。今日はQ2でフライング・ラップを行っているタイミングで赤旗が出され、難しい局面となった。ファイナルに進むためにセッションの残り時間で新品タイヤを投入した。あそこで新品を使っていなかったら、もっと展開的には良かったが、無事にファイナルに進むことができ、自己ベスト・タイとなる予選2位になることができたんだから自分的にはハッピーだ。開幕戦が予選4位で今回が2位。自分たちは進歩をしている。明日のレースが楽しみだ」とエリクソンは話した。
予選トップ5にアンドレッティ2台、チップ・ガナッシ3台
予選3位はグロジャン。開幕戦でPPを獲得し、今回は予選3位。今年のアンドレッティ勢はストリートでのマシンを高いレヴェルに仕上げることができている。
予選4位はアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)で、予選5位はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)。トップ5をアンドレッティ(2台)とガナッシ(3台)が分け合った。アキュラをタイトル・スポンサーとする地元イヴェントでホンダ・エンジン使用ドライヴァーがトップ5を独占した。シヴォレー最上位は前述の通りオーワード。シヴォレー勢でファイナルに進出したのは彼だけだった。
今回の予選ではファイナルで戦った6人のドライヴァーたちが世界の6カ国を代表していた。PPはアメリカ人が獲得し、2位はスウェーデン、3位はフランス、4位はスペイン、5位はニュー・ジーランド、6位はメキシコ出身ドライヴァーだった。
セグメント2でのアームストロングのクラッシュ前後でオーダーが激変
アームストロングのQ2でのクラッシュが、予選の流れが変わるきっかけになった Photo:Penske Entertainment (Karl Zemlin)クリックして拡大 |
エリクソンが話していた通り、今日の予選ではセグメント2でルーキーのマーカス・アームストロング(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)がクラッシュし、これが大きなポイントとなった。アクシデント発生時点でのトップ6はオーワード、カークウッド、パロウ、コルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)、フェリックス・ローゼンクイスト(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)。エリクソンは7番手、ディクソンは8番手だった。しかし、セッション再開後に全員が1ラップのアタックを許されると、ディクソンが6番手に飛び込んでローゼンクイストを押し出し、グロジャンはトップ・タイムを叩き出してニューガーデンをバンプ・アウト。さらに、最後の最後でエリクソンが4番手に食い込むタイムを記録、ハータもセグメント2での敗退を強いられた。
昨年のポール・シッターのハータは7位、昨年度ウィナーのニューガーデンは8位、スコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)は9位、ローゼンクイストは10位、アレクサンダー・ロッシ(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)は11位、アームストロングが12位という結果となった。アームストロングはチームメイト2人のファイナル進出を阻まずに済んだのだ。
パワー、セグメント1敗退
アンドレッティ勢好調にもかかわらずメイヤー・シャンクのベテラン勢も精彩を欠く
今日の予選では、インディーカー史上最多のPP獲得回数=68回を誇るウィル・パワー(チーム・ペンスキー/シヴォレー)がファースト・セグメントをギリギリでクリアできずに予選13位となった。
アンドレッティ・オートスポートの好調の波に乗れない、メイヤーシャンク勢。カストロネヴェス、パジェノーともに今一つ元気がない Photo:Penske Entertainment (Karl Zemlin)クリックして拡大 |
また、アンドレッティ勢がポール・ポジションを含めトップ6にふたつ、トップ10に3つのグリッド確保をなす中、エンジニアリングの供与を受けているメイヤー・シャンク・レーシング/ホンダはエリオ・カストロネヴェス、シモン・パジェノーの二人が予選14、16位と振るわずにいる。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダは2回のプラクティスで僅かながら光明が見えていたかに思えたが、予選でのパフォーマンスは散々なものとなった。ジャック・ハーヴィーの15番手がトップで、クリスチャン・ルンドガールドは17位、グレアム・レイホールに至っては、開幕戦での20位をも下回る24位だった。
レイホール勢、予選では好結果を得られず。マシンセットアップのトンネルからまだ完全には抜け出せない Photo:Penske Entertainment (Karl Zemlin)クリックして拡大 |
デイル・コイン・レーシング・ウィズHMD/ホンダは、デイヴィッド・マルーカスが珍しくファースト・セグメントでクラッシュしたために予選25位。ルーキーのスティング・レイ・ロブ(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR/ホンダ))は21位だった。
AJ・フォイト・エンタープライゼス/シヴォレーはサンティーノ・フェルッチが予選18位で、ルーキーのベンジャミン・ピーダーセンは23位だった。エド・カーペンター・レーシング/シヴォレーは、開幕戦で予選24位と26位も苦戦したが、ロング・ビーチでもリナス・ヴィーケイが19位で、コナー・デイリーが27位と改善の兆しは見えていない。フンコス・ホリンジャー・レーシング/シヴォレーは、朝のアクシデントの影響もあってカルーム・アイロットが22位、ルーキーのアグスティン・カナピーノは26位だった。かくしてルーキー最上位は開幕戦セイント・ピーターズバーグに同様にアームストロングのものとなった。開幕戦ではギリギリでセグメント2に進めずの予選13位だったが、2回目の挑戦でセカンド・セグメントへと駒を進めることに成功、予選12位となった。
以上
0 件のコメント:
コメントを投稿