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アンドレッティ勢、ファスト6に3台進出
好調ハータを制してグロジャンが通算2回目のPP
昨シーズンまでより1セット多い、3セットのオルタネート・タイヤを使って行われた初めての予選、ポール・ポジションを手にしたのはインディーカー参戦3年目の元F1ドライヴァー、ロマイン・グロジャン(アンドレッティ・オートスポート/ホンダ)でした。彼の記録したベストは59秒5532。昨年樹立されたコース・レコード(ウィル・パワー=59秒3466)には僅かに及びませんでした。
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ファイナルに進んだ6人をQ2での上位から並べると、コルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)、カイル・カークウッド(アンドレッティ・オートスポート/ホンダ)、グロジャン、パト・オーワード(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)、マーカス・エリクソン(チッyosennプ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)、スコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)の順でした。アンドレッティ軍団がトップ3を占め、仕上がりの良さを示していました。そのトレンドはQ3でも変わることはありませんでした。
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初PP獲得のチャンスに気負い過ぎたのか、カークウッドはアタックに入る直前のファイナル・ターンでブレーキをロックさせてクラッシュ。昨年のセイント・ピーターズバーグ・チャンピオンであるマクロクリンも最終コーナーへのアプローチでスピンを喫し、PP獲得のチャンスを手放しました。
4人だけになった戦いには残り時間3分でグリーン・フラッグが振り下ろされ、エリクソン、グロジャン、オーワード、ハータの順でコース・イン。オルタネート・タイヤが最大のグリップを発揮するのはアタック1周目という考えからかハータは1ラップに全集中。他のドライヴァーたちは2周目にも可能性を残す戦い方を選択しました。
ハータはフォーカスした走りで59秒9687をマークし、狙い通りにトップに立ちました。しかし、そのすぐ後にフランス出身の36歳がアタック2ラップ目で59秒5532を出して逆転、今シーズン初、キャリア2回目=2021年5月のGMRグラン・プリ以来となるPP獲得を成し遂げました。
グロジャン「今年の自分たちには何かがある
その成果が今日のポールポジションだ」
アタックを終えて“PPはあなたのものだ”と無線で告げられたグロジャンは、左手をコクピットから突き上げて大喜び。マシンを降りるとクルーたちと抱き合い、「昨シーズンは自分の思い通りにならない面が多かったのですが、終盤戦になってからチームの状態が良くなって行きました。シーズン・オフのテストも良いものとできたので、今週末にサーキット入した時、私はクルーたちに“今年の自分たちには何かがある”と話していました。冬の間にその“何か”を求めてハード・ワークをこなしたんです。その成果が今日の素晴らしいパフォーマンスです」と話していました。
「最後のラップが良いものにできなかった」と語るハータ
シヴォレー勢トップは予選3番手につけたオーワード
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PPこそ獲り逃しましたが、ハータは予選2位。アンドレッティ勢、そしてホンダ・エンジンによるフロント・ロウ独占が達成されました。予選3位はシヴォレー勢トップのオーワード。そして、今シーズン初の3段階予選でチップ・ガナッシ・レーシング勢唯一のファスト6入りしたエリクソンが4位という好結果を得ました。
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ハータは予選後に、「最後のラップを良いものにできませんでしたね。それでも2位にはなれましたが。アンドレッティのマシン、そしてホンダ・エンジンがフロント・ロウに並び、シヴォレー・エンジンとマクラーレンを2列目より後ろに封じ込めたのですから、良い結果ですし、ハッピーと感じています」とコメント。チーム・オーナーのマイケル・アンドレッティも、「シミュレーターなどなど、多くの仕事をこのオフにはこなしました。その成果がすでに現れているということと思います。オフのハードワークが効果を発揮してくれそうだ、という手応えは感じていましたが、実際にサーキットで走ってみなければ本当の実力はわかりません。我々はレースで勝つことが目標ですから、明日が重要な1日です」と好感触と、意気込みを語っていました。
予選5位はカークウッド、6位はマクロクリンのものとなりました。予選ファイナル・セッションの序盤にして赤旗を出した彼らはタイムド・ラップがない状況になったため、ルールにより、Q2で上位だったカークウッドが5位、マクロクリンが6位と決まりました。
トップ6入りを逃した有力どころの得たリザルトは以下の通りです。Photo:Penske Entertainment クリックして拡大
2014年と昨シーズンのチャンピオンで、2010年と2014年にセイント・ピーターズバーグで優勝しているウィル・パワー(チーム・ペンスキー/シヴォレー)=予選10位。
・タイトル獲得6度、セイント・ピーターズバーグは未勝利ながら2位フィニッシュ4回のスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)=予選9位。
**つまりは、この元チャンピオン二人が5列目から並んでスタートを切るということ。
・2021年チャンピオンのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)=7位。
・2017、2019年チャンピオンで2019年と2020年にセイント・ピーターズバーグで連勝しているジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)=予選14位。
・2006、2007、2012年の3回とセイント・ピーターズバーグでの優勝回数が歴代単独トップで、インディー500も歴代最多タイの4勝を挙げているエリオ・カストロネヴェス(メイヤー・シャンク・レーシング/ホンダ)=予選15位。
・昨年度ルーキー・オヴ・ザ・イヤーのクリスチャン・ルンドガールド(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダ)=予選11位。
・2008年のセイント・ピーターズバーグで当時のインディーカー最年少優勝を記録したグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダ)=予選20位。
・最速ルーキーはマーカス・アームストロング(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)=予選13位。
・直前のプラクティス2で3番手につけていたリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング/シヴォレー)=予選24位。
・2016年チャンピオンのシモン・パジェノー(メイヤー・シャンク・レーシング/ホンダ)=予選25位。
Q1からオルタネートを使用チーム多数
ルンドガールドはなんとQ1にオルタネート3セット投入!
3セットあったオルタネート・タイヤ、それらをQ1で最初から投入するチームは少なくありませんでした。ルーキーならばその作戦もアリ……という気もします。実際、4人いるルーキー全員がそうしていましたが、ルーキー以外でもこの作戦を採用したのが、メイヤー・シャンク・レーシングのヴェテラン二人=カストロネヴェスとパジェノー、参戦2年目のデヴリン・デフランチェスコ(アンドレッティ・スタインブレナー・オートスポート/ホンダ)、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダの3人全員=ルンドガールドとジャック・ハーヴィーとグレアム・レイホール、コナー・デイリー(エド・カーペンター・レーシング/シヴォレー)と7人もいました。この中からQ2に進出できたのはルンドガールドだけ。それも、彼はQ1で3セット全部を投入したため、Q2はプライマリー・タイヤで走り出してユーズド・オルタネートに繋げるという、やや支離滅裂な戦いぶりとなりました。そうして得られたリザルトは予選11位。これをどう評価するべきなのか……難しいところです。
結局、”何としてでもQ1での脱落だけは避けたい”という思いでオルタネート・タイヤを2セット投入したのでしょうが、予選が終わってみれば、ファイナルを戦った6名は全員がプライマリー・タイヤでQ1を走り出していました。その後にオルタネートを2セット投入したのは予選4、5、6位となったエリクソン、カークウッド、マクロクリン。Q2ではグロジャンとエリクソンがユーズド・プライマリーでスタートしてフレッシュ・オルタネートへとスイッチ。ファイナルにフレッシュ・オルタネートを残していたのはグロジャン、ハータ、オーワード、マクロクリンの4人で、スピンしたマクロクリンを除く3人がトップ3グリッドを手に入れていました。
以上
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