2023年2月2日木曜日

2023 INDYCARレポート 1月31日:2023年デイトナ24時間をメイヤー・シャンク・レーシング・アキュラが制覇

 アキュラでデイトナ2連勝!チーム通算3回目の総合優勝

 第61回ロレックス24・アット・デイトナ(デイトナ24時間レース)=IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ開幕戦=が行われ、メイヤー・シャンク・レーシングのアキュラARX-06が優勝した。2012年にマイケル・シャンク・レーシングとしてライリー/フォードでデイトナ24時間初優勝を飾り、2018年にメイヤー・シャンク・レーシングとなってからは、昨2022年にDPiカテゴリーをアキュラARX-05で制してデイトナ2勝目。今回が3回目の総合優勝だった。

LMDh=新GTP初のレースは4ワークス対決
2位にはウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティのアキュラが入り1-2達成

 スポーツカーの最高峰カテゴリーは今シーズンから新しくなった。IMSAはLMDh(Le Mans Daytona hybrid)というカテゴリーを創設してレギュレーションを作ったが、80〜90年代にIMSA主催シリーズで大盛況を誇ったGTP(Grand Touring Prototype)というカテゴリー名を復活させた。
 LMDh=新GTPの初レースとして注目の集まっていたデイトナ24時間レースはGTP、LMP2、LMP3、GTDプロ、GTDの5カテゴリー混走で争われた。GTPはキャディラック、アキュラ、ポルシェ、BMWの4ワークス対決となり、アキュラがその初戦を1−2フィニッシュで制した。勝ったのはMSRのトム・ブロンキスト/コリン・ブラウン/エリオ・カストロネヴェス/シモン・パジェノー組。オーヴァル・コースのバンクとインフィールドを使った全長3.56マイルのロードコースで彼らが走破したのは783周だった。
 4秒190差の2位でゴールしたのはウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティ・オートスポートのアキュラARX-06。そのドライバー・ライン・アップはリッキー・テイラー/フェリペ・アルバカーキ/ルイス・デレトラズ/ブレンドン・ハートリーだった。

ディクソン搭乗のチップ・ガナッシのキャディラックは3位に

 3、4、5位はキャディラックV-LMDh。チップ・ガナッシ・レーシングが走らせた2台がカー・ナンバー01、02の順で3、4位でゴール。こちらのドライヴァーは01号車がセバスチャン・ブルデイ/レンガー・ヴァン・ダー・ザンデ/スコット・ディクソン、02号車がアール・バンバー/アレックス・リン/リチャード・ウェストブルック。5位はアクション・エクスプレス・レーシングのジャック・エイトケン/ピポ・デラーニ/アレクサンダー・シムズ組だった。
 6位はレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングが走らせたBMW MハイブリッドV8。ドライヴァーはフィリップ・エング/アウグスト・ファーファス/マルコ・ウィットマン/コルトン・ハータ。現役インディーカー・ドライヴァーがトップ6に4人(カストロネヴェス、パジェノー、ディクソン、ハータ)含まれていた。

LMP2はオレカ闘志の優勝争い
LMP3はデュケーヌD-08ニッサン

 LMP2はオレカLMP2 07同士のバトルとなり、最終ラップの大逆転で決着した。勝者はジェイムズ・アレン/ジャンマリア・ブルーニ/フレッド・プアダッド/フランチェスコ・ピッツィで、761周を走った彼らは総合7位でのフィニッシュ。LMP3はデュケーヌD-08/ニッサンが総合15位に入って優勝。
 GTDはアマ・クラスのアストン・マーティン・ヴァンテイジGT3が総合16位で優勝(729周)。プロ・クラスのトップはそのすぐ後の総合17位だったメルセデスAMG-GT3だった(729周)。

エリオ・カストロネヴェスはレコード・タイのデイトナ3連勝

 チーム・ペンスキーがアキュラとタッグを組んでスポーツカーへの参戦を始めた時、エリオ・カストロネヴェスはチームの要請によってインディーカーからスポーツカーへとスイッチした。しかし、それは彼の本意ではなかった。まだまだシングルシーターで闘い続けたかったカストロネヴェスはインディーカー・シリーズへのフル参戦を実現するためにメイヤー・シャンク・レーシングへと移籍した。
 アメリカ最強チームとの訣別は大きなギャンブルと映ったが、カストロネヴェスは2021年にインディー500で勝利。史上最多タイの4勝目実現を果たした。
 さらに今年、彼はもうひとつの新記録を樹立した。デイトナ24時間レースでの3年連続優勝だ。カストロネヴェスがその一員を務めていたペンスキーのスポーツカー・プロジェクトは、3度行った挑戦でデイトナ24時間レース制覇を達成できず、ポルシェとのプロジェクトを始めるためにアキュラとの共闘を解消した。
 つまり、カストロネヴェスはペンスキーを離脱をしたことによってスポーツカーの世界で新たな記録に手を届かることになった。2021年のデイトナはウェイン・テイラー・レーシングのアキュラARX-05に乗って優勝。昨年からはインディーカーと同じメイヤー・シャンク・レーシングのアキュラに乗っており、今年の勝利は新カテゴリー・マシンであるアキュラARX-06に搭乗してのものとなった。同じレースでデビューしたチーム・ペンスキーが走らせる新GTPマシン=ポルシェ963は、カー・ナンバー7が総合14位(749周)、カー・ナンバー6は700周でリタイアで総合42位と、アキュラ勢とはまったく対照的な結果となった。
以上

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