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チップ・ガナッシ勢、予選に引き続き
レースセッティングでも好調をキープ!
予選ではチップ・ガナッシ・レーシング勢が他を圧倒した。エントリーしている5台すべてがファスト12に進み、4台がファスト6を戦って1、2、5、6位という結果を残した。そして予選終了の翌日だった月曜日、午後1時から2時間のプラクティスが行われ、そこでも彼らの強さが再確認された。ターボのブースト圧がレース仕様に戻され、空力もトラフィック内での走行を意識したセッティングにされての走行で、最速ラップをマークしたのは予選2位のアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)=229.441マイルだった。
「予選トリムより決勝トリムの方が自分たちは速いと感じた」
上空は青空、気温は19℃と予選日と大きく変わらない涼しさで風は弱め……というコンディション下、2番手にはポールポジションのスコット・ディクソンがつけ、3番手は予選12位のルーキー、ジミー・ジョンソンだった。ガナッシ勢が1−2ー3で、予選5位だったマーカス・エリクソンが5番手。ガナッシ勢は決勝用のセッティングで走るプラクティスでもライバル勢を突き放すパフォーマンスを見せたのだ。
「私たちのマシンは今日のプラクティスでも速かった。予選トリムよりも決勝トリムの方が自分たちは速いと感じた。インディー500のプラクティスで最速だったのは今回が初めて。とても嬉しい」とパロウは無邪気に語っていた。
佐藤琢磨、106ラップを走行し4番手タイムをマーク
「決勝のコンディションにどれだけマッチさせられるかがカギ」
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ガナッシ軍団に割って入る4番手につけたのが佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)だった。この2時間で琢磨は106周を走った。セッション最多だった。非常に珍しいケースだ。レース用セッティングの向上、つまりは戦闘力アップに対する琢磨の強い意欲がそこには現れていた。100パーセント満足ではないにしろ、走り込んだだけの成果を琢磨は得ることができたようだった。
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「マシンは悪くなかったと思います。今のプラクティスでのコンディションにマシンをうまく合わせることができていました。ガナッシ勢は速かったですね。彼らについて行くことはできていましたが、ディクソンは私が後ろにつくとピットに入ってしまったり、実力を見せないようにするんですよね。彼らが強さを見せた中、自分たちがその間に入って行く4番手のタイムを出してセッションを終えられたというのは、とても良かったと思います。彼らは決勝でも速いでしょう。レースではできる限り早い段階で彼ら間に入って行くことが重要になりそうです。今日のプラクティスで確認できたのは、長い列の後ろの方を走っていると乱気流の影響で順位を上げて行くのがかなり大変なことです。予報では決勝日の気温は高くなるそうです。そうなったらダウンフォースが減ってしまうため、ますますパスしにくい傾向は強まります。決勝でのコンディションにどれだけマッチするセッティングにできるかがパフォーマンスの良し悪しに繋がるでしょう」と重要性の高いプラクティスを終えた琢磨は話していた。
ガナッシ優位は確かだが、それは万全を意味してはいない
今年のインディ500はこのままガナッシ勢の誰かが優勝で決まりなんだろうか? そんなに簡単な話ではないだろう。確かに、そうなる可能性は今までのところ高いのだが……。
今日のプラクティスでのチップ・ガナッシ・レーシング勢は、手を抜いていなかっただろうか?
ディクソンもパロウも30周プラスしか走らなかった。トニー・カナーンのマシンはガレージにいる時間の方が長かった。そのマシンが最後に出て来たのはもうセッション終了間際で、ピットアウトしてコース上を加速している間にチェッカーフラッグが出されたほどだった。経験豊富なカナーンにはガレージでの作業が必要なほど大きく異なるセッティング数種の評価をさせた……ということだったのかもしれないが、そのすべてをキッチリ終わらせ、完璧な準備を整えることができた……というわけではなかったように見えた。
5台をエントリーしているガナッシは、全員が素晴らしいパフォーマンスをインディ500のプラクティス及び予選で見せて来ている。チームの首脳陣は、”5人のうちの1人で勝てばいい”と考えているかもしれない。しかし、ドライバーも担当エンジニアも、誰だって勝ちたいと考えている。インディ500なのだから、それはなおさらのことだ。それぞれが勝ちたいという強い考えでいるので、“チームメイトを勝たせるための捨て石になってくれ”などというオファーは受け入れ難い。どのドライバーも燃費を無視してのペースセッター役や、後続をブロックする仕事を引き受けたくはない。5台が協力体制を敷いてライバル勢にリードを許さない……というような戦い方は難しい。彼らを打ち崩すチャンスは必ずある。
一方、ペンスキー勢はレースセッティングでもスピード不足
シボレー勢の最速はジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)。彼のベストは226.962mph。ドラフティングをどれだけ利用したかによって大きくスピードが変わってくる状況とはいえ、トップだったパロウとの差は2.4マイル以上と大きかった。彼のチームメイトたちもスコット・マクロクリンが15番手、ウィル・パワーが20番手にランクされるスピードしか出せていなかった。今年のペンスキー勢は作戦を駆使したレースとでもしなければ勝機を掴むことはできないかもしれない。
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今日は今年初の大きなアクシデントが発生した。ダルトン・ケレット(AJ・フォイト・エンタープライゼス)がターン1のSAFERウォールにヒットしたのだ。ロマイン・グロジャン(アンドレッティ・オートスポート)にパスされた直後にケレットはグリップを失い、180度スピンをして壁に激突し、マシンを大破させた。巻き添えを食うドライバーはなく、ケレットの体も無事だった。
以上
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