Photo:Penske Entertainment
「今日は方向性が見えていたので
行けるかなと思っていました」
ジャック・アマノ(以下――):プラクティス1、プラクティス2、予選とマシンのセッティングがスムーズに進歩してきているのでしょうか?
佐藤琢磨:やっぱり去年このコースで良かった、ベースがこのチームにはあると思います。今回は元々持ってきたクルマのレヴェルがそこそこあった。もちろん、環境は毎年変わってしまうわけですから、それに対してマシンを合わせ込まなきゃいけないワケだけど、走り出しのプラクティス1から、ピットに入る度にマシンの感触を良くして行くことができています。あとは好タイムを出すことのできるクルマ作り。今日は少し方向性も見えていたので、予選に向けてはもちろんいつも上位を狙っているんだけど、今日は”行けるかな?”って思っていました。
――今シーズンでは一番良い感じになっているんですね?
佐藤琢磨:はい。手応えとしては一番のものを感じてました。
「レッドが1周しかもたないことはわかっていました」
――プラクティス2よりさらに暑いコンディションとなりましたが、路面は滑り易くなっていましたか?
佐藤琢磨:そうですね。アウト・ラップの次の1周でのアタックしか好いタイムは無理っていう状況になってしまってました。そこにタイヤの内圧やタイヤのウォーム・アップも含めて、うまく合わせ込まなきゃならないっていう難しさがありました。
――1周しかグリップが持たないだろうっていういのは、予選が始まる前からわかってたんですか?
佐藤琢磨:プラクティスを走った感触からそれは見えていました。
――プラクティス2でレッド・タイヤを履いた時は、アタック1周目がベストで、次の2周目にそれを更新していたようでしたが?
佐藤琢磨:プラクティスではピット・アウトしてからの3、4周目になってましたけどね(レッドを装着してすぐのアウト・ラップでレッド・フラッグが出され、仕切り直しとなったため)。エンジニアはベストを重ねて出せる可能性もあるって言っていたけれど、自分としては1周目しかないって思ってました。一応、何があるかわからないから、もう1周アタックしたけれど、やっぱりダメでしたよね。ブラックでさえ(好タイムが出せるのは)1周目だったから。
「ちょっとクルマの動きが良くなかったのは悔しい」
――その1周限りのアタック、ドライヴィングはどうでしたか? 自ら評価すると?
佐藤琢磨:ドライヴィングにはいつも満足してるんだけど(笑)、悔しいのは、ちょっとクルマの動きが良くなかったところでしたね。去年のセッティングのままではダメだったので、この間のバーバー・モータースポーツ・パークでのレース・ウィークエンドに見つけた方向性というか、他のチームがやっているであろうことをちょっと真似しようとしました。エンジニアたちもこの1週間に色々考えて、新しいスペックを今回のレースに持ってきたんだけど、結局、シェイカーでのテストも時間的な問題があってできていないし、実走テストもできていない。そういう、無理矢理取って付けたようなものだから、すぐさま通用させるのって無理ですよね。千分の1、1万分の1秒を争ってる世界にそういうのをぶっ込んでもなかなかうまくはいかない。だから、ちょっとこう……とげとげしい走りになっていましたね。
――とげとげしい、というのは?
佐藤琢磨:じゃじゃ馬感がすごかった。
――あと少しの安定感があれば、もっと速く走れた。
佐藤琢磨:そうでしたね。なんかこう、持ってる力を使い切れてないって感じでした。チームメイトのデイヴィッド・マルーカス、だから今日はとても苦労してましたよね。
――1周勝負という状況下、ほんの小さなコントロール・ミスも許されない予選になっていたんですね。
佐藤琢磨:自分としてはベストを尽くしたけれど、結構修正は多くなっていましたよね。もうちょっと一発でシュッシュッと行きたかった。
「レースでレッドを持たせられるかどうか、わからない
マシンは去年に近い仕様にもどしてウォームアップを走ります」
――レッドだけでなく、ブラックも暑いコンディションでのフル・アタックでは1周しか持たなかった。そのタイヤで戦うレースはどうなっちゃうんでしょう? ブラックでもレッドでもロング・スティントを走らないといけない、というのに。
佐藤琢磨:どうしようね? わからない。例年ここはレッド・タイヤがレースでのメインのタイヤになるんですけど、レッドを持たせることはできるのか? そうするしかないですよね。”持ってちょうだい!”って感じですね。そんな感じだから、マシンのセッティングに関しては、今回入れてみた新しいものは明日はやめときます。去年仕様に近いセッティングに戻してウォーム・アップを走ることになるかな?
もちろん、去年のものにちょっとスパイスは効かせますけどね。
以上
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