プラクティス1でひとり抜けたタイムをマークしたパジェノー Photo:Penske Entertainment( Chris Owens)クリックして拡大 |
昨シーズン採取戦から半年、本来の季節のロングビーチが復活
恒例の4月開催にアキュラ・グランプリ・オヴ・ロング・ビーチは戻った。伝統あるストリート・レースはパンデミックのために昨シーズンは最終戦として9月末に開催されたので、通常の1年ではなく、半年のインターヴァルでレース開催を迎えた。
昨年のウィナー、ハータもこのプラクティス6番手と順調なスタート Photo:Penske Entertainment(Chris Owens)クリックして拡大
去年の予選ではジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)がポール・ポジション(1分08秒2241)で、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が2位。3位がエリオ・カストロネヴェス(メイヤー・シャンク・レーシング)で、4位がシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)。5、6位はフェリックス・ローゼンクヴィスト(アロウ・マクラーレンSP)とロマイン・グロジャン(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)だった。レースではコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)が優勝。2位がニューガーデン、3位はディクソンだった。
プラクティス1はホンダ勢が1-2
トップタイムは2016年ウィナーのパジェノー
2番手は2018、19年ウイナーのロッシ
2度優勝経験のあるロッシが積極的に走行、このセッション2番手に Photo:Penske Entertainment (Chris Jones) クリックして拡大 |
今日のプラクティスでは、2016年にロング・ビーチで優勝しているパジェノーが移籍先のメイヤー・シャンク・レーシングでトップ・タイムをマーク。2番手はロング・ビーチで2018、2019年に連続優勝しているアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)で、3番手は今年の開幕戦ウィナーで現ポイント・リーダーのスコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー)だった。4〜6番手はニューガーデン、マーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)、ハータ。
突出したタイムをマークしたパジェノー
2位以下は僅差で並び、早くも激戦の予感
今日のロング・ビーチはとても暑かった。プラクティス中の気温は34〜36℃。路面は50〜56℃もあった。
強いカリフォルニアの日差しの中でプラクティスがスタート Photo:Penske Entertainment(Chris Jones)クリックして拡大 |
1 パジェノー 1分07秒1991
2 ロッシ 1分07秒6012
3 マクロクリン 1分07秒6720
4 ニューガーデン 1分07秒7282
5 エリクソン 1分07秒8425
6 ハータ 1分07秒8783
パロウはこのセッション7番手につけた Photo:Penske Entertainment(Chris Jones)クリックして拡大 |
パジェノーが突き抜けたタイムを出したこともあってトップと6番手の差は0.6792秒もあったが、2番手と6番手の差は0.2771秒と小さく、7番手以下もラップタイムは非常に拮抗していた。7〜10番手は昨年度チャンピオンのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)、ロング・ビーチで2008(チャンプ・カー)、2012年に優勝しているウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がつけ、9番手にはフェラーリ・ドライヴァー・アカデミー出身で、フェラーリF1のテスト・ドライヴァーを務めていたルーキーのカルーム・アイロット(フンコス・ホリンジャー・レーシング)が食い込んで見せた。そして10番手もルーキー、昨年度インディー/ライツ・チャンピオンのカイル・カークウッド(AJ・フォイト・エンタープライゼス)だった。
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「プラクティスであっても最速タイムを出せるのは嬉しい。どれだけ速く走れるか。常にそれを求めているから」とパジェノーは語った。今日のプラクティス1でアンドレッティ勢は早めにコース・インし、ロッシがペース・セッターとなった。パジェノーも積極的に走り込み、2セット使用で18周を走行。ベストは14周目だった。2番手のロッシも22周を走り込んだ中の17周目にベストを記録していた。
昨年最終戦を経験しているルーキー、アイロットが9番手に
「明日気温がぐっと下がった条件にどれだけマシンを合わせられるか」
シングルカーエントリーながら奮闘するアイロット Photo:Penske Entertainment(Chris Jones)クリックして拡大 |
アイロットは昨シーズン終盤の3レースに出場しており、その中にロング・ビーチが含まれる。つまり、このレースは一度戦った実績のあるコースということで、彼としてもチームとしても実力を発揮し易い環境が整っていた。
「自分たちに何が必要で、どのぐらいのタイムが出せるかの予測はできていた。一度レースで走っているので、そのデータを振り返り、今回に活かすこともできている。明日のプラクティスは気温がぐっと低くなる。そこにどれだけセッティングを合わせ込めるか。予選も同様。コンディションにどれだけマシンをアジャストできるかが鍵を握る。去年はそれができていなかった。第2戦テキサスでも気温などのコンディション変化への対応が不十分だった」とアイロットは話していた。彼らはシリーズ唯一のシングル・カー・チーム。アンドレッティ勢が118周をこなして様々なセッティングをトライしたのに対し、彼らは1人のドライヴァーが23周しただけ。この差を跳ね返すのは容易ではないが、アイロットもチームも非常に良いパフォーマンスを今日は発揮していた。
佐藤琢磨、「フィーリングは良かった」が
トラフィックに引っかかってタイムを出せず
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佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)は23番手だった。17周を走ってのベストは6周目の1分09秒2460。去年グロジャンが予選で6位だっただけにプラクティス1から一気に上位に来るか? と注目していたのだが……。
琢磨のタイムが伸び悩んだのは、1セットのタイヤのみでこのセッションを走り切ったところに原因がある。1セット多く使えるルーキーたちだけでなく、多くのヴェテランたちが今日は2セット目をセッション終盤に投入し、自己ベストを出していた。
「マシンのフィーリングは良かった」と走行後の琢磨。「それに、今日は出る度にトラフィックに引っかかって、イエローが出た時もあって、タイムに繋がらなかった」と彼は話していた。チームメイトのルーキー、デイヴィッド・マルーカス(デイル・コイン・レーシング・ウィズHMD)とは同じセッティングでスタートし、そこから個々でセッティングを詰めて行くスタイルを採っている。明日の琢磨は、フレッシュ・セットが多い状況を味方につけてセッティングを向上させて、予選を迎えたいところだ。
以上
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