2022年3月20日日曜日

2022 INDYCARレポート R2 XPEL375 Day1ファイナル・プラクティス:ファイナル・プラクティスではジョセフ・ニューガーデンが最速

ファイナル・プラクティスはニューガーデンがトップタイム。プラクティス~予選~ファイナル・プラクティスとシヴォレーがすべてのセッションでトップタイムに Photo:Penske entertainment クリックして拡大

 セカンド・レーンを作るための
30分間のセッションを特設


 予選の後には2回のプラクティスがあった。4時からの30分間は参加が任意のセカンド・レーンを作るための特設セッションだった。ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)、グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、パト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)、フェリックス・ローゼンクヴィスト(アロウ・マクラーレンSP)、エド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)が出走した。これらのドライヴァーには1セットのタイヤがこのセッションのためだけに提供され、セカンド・レーンが生まれるよう慎重にボトムより少し上のラインを走るよう心がけていた。

ハーヴィー以外の全車、新エアロのターニング・ヴェイン装着で
1時間のプラクティスがスタート


 特設セッションが終わった15分後、1時間のファイナル・プラクティスが行われた。気温が24℃、路面温度が40℃で始まったセッションではほぼ全車が新エアロ・パッケージのターニング・ヴェインをサイド・ポッド前端下面に装着して走っていた。ただ一人着けていなかったのがジャック・ハーヴィー(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)で、彼はそのせいで……とは断定できないがターン2でラインを外れ、アウト側の壁にタッチしてバランスを崩しイン側にノーズからハード・ヒットした。アクシデントはこの1件だけだった。

ニューガーデンがトップタイムをマーク
しかし、このセッショントップ10にホンダ勢なんと8台!


 レース・モードでの走行で最速ラップをマークしたのはジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)。そのスピードは223.108mph。2番手はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)の222.728mphだった。シヴォレー勢がプラクティス1、予選、プラクティス3と3セッションすべてでトップ・タイムを出している。ただし、このセッションではトップ10にホンダ・ユーザーが8人も入っていた。ディクソンを筆頭にトップと3番手以外はすべてホンダ勢。その中にはルンドガールドとデヴリン・デフランチェスコ(アンドレッティ・スタインブレナー・オートスポート)が含まれていた。
 ポール・シッターのローゼンクヴィストが222.662mphで3番手につけ、ルーキーのクリスチャン・ルンドガールド(レイホール)が221.794mphで4番手だった。ハーヴィーはクラッシュしたが、レイホールも221.618mphのベストで7番手につけており、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングはレース・モードでの戦闘力は悪くないレヴェルに仕上がっているようだ。


「マシンの仕上がりはレイホール時代よりいい」と語る佐藤琢磨
「レースはダウンフォースの設定が難しい」


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  5番手はコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)=221.751mphで、予選3位だった琢磨はここでも6番手と順調にマシンを仕上げて来ている。
 「今週末は順調にプログラムをこなして来れています。プラクティス2の前に特別に設けられた30分間のセッションは、セカンド・レーンを作るためのものでした。それに参加したことで練習走行を重ねることができました。任意だったので7台だけが参加して、アウト側のレーンを走ってファイアストンのラバーを路面に擦りつける奉仕活動をしたわけですけど、結果的にセカンド・レーンは難しいと思いますね。走れるけれど、10mphぐらい遅いので怖いんです。いま、1.5レーンぐらいは走れるようになっていると思います。でも、そこを全開では行けません。ちょっと嫌ですね。スタートとかでスピードが乗っていない時だったら行けるかもしれませんが……。去年よりは確実にグリップしているんですよ。でも、それは気温や路面温度の低さや、増やされたダウンフォースによるところも大きいんです。だから、実際にレースでセカンド・レーンを使えるかは未知数ですね」

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 「マシンの仕上がりに関しては、まだもう少しやりたいことがあります。しかし、全部はできないものですから。ロング・ランを最後にやって50周ほど走ったんですが、タイヤがコードまで出ちゃっていました。ダウンフォースをどれだけに設定するのか、その判断が難しいレースになりますね。バージ・ボードを着けるとドラッグは増えます。着けない方が空力効率はいいんだけれど、前のクルマに近づいていった時にフロントが逃げてしまう。それを抑えてくれるのがバージ・ボードなんです。
 プラクティスのタイムは6番手。悪くない結果と思います。仕上がりとしてはレイホール時代よりも良いですね。2019年には確かにここでPPを獲りましたが、ロング・ランに関しては大きなクェスチョン・マークがありました。それに比べたら、当時とコンディションがあまりに違うとはいえ、ファイナル・プラクティスで6番手のタイムを出せているし、相対的に見て悪くない状況に自分たちはいると思います」と琢磨は語った。

 予選2位だったスコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー)は16番手、予選4位だったパワーは19番手とニューガーデンがトップだったわりにスピードが乗ってこなかった。
 予選6位だったエリオ・カストロネヴェス(メイヤー・シャンク・レーシング)は8番手。ロマイン・グロジャン(アンドレッティ・オートスポート)は9番手につけた。

 昨年度チャンピオンのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)は11番手。ジミー・ジョンソン(チップ・ガナッシ・レーシング)は13番手だった。セッション終了時、気温は24℃のままだったが、路面温度は33℃まで下がっていた。明日のレースは午前11時45分と早めのスタート。気温、路面温度ともに予選、プラクティス2より低いコンディションでレースは始まり、レース後半は今日の走行時とほぼ同じものとなりそうだ。
以上

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