2022 INDYCARレポート R1 ファイアストン・グランプリ・オヴ・セイント・ピーターズバーグ Race Day ウォームアップ：ウォームアップで10番手につけた佐藤琢磨

 決勝直前になってベストなセッティングにたどり着く！

　決勝日の朝、ウォーム・アップで佐藤琢磨（デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR））は21周をこなし、16周目に1分01秒3595のベストをマークした。これは同セッションで10番手にランクされるスピード。しかも、彼より上位につけたジョセフ・ニューガーデン、スコット・マクロクリン（チーム・ペンスキー）、カイル・カークウッド（AJ・フォイト・エンタープライゼス）はベストをレッドで記録していた。ベースとなるブラック装着時のセッティング、琢磨陣営は決勝直前になって良いものを見つけたということだ。
　マシンを降りてエンジニアのドン・ブリッカー、チーム・オーナーのデイル・コインらと話す琢磨の表情は、昨日までよりもずっと明るかった。

「とてもよいウォームアップセッションにできました」と語る佐藤琢磨
ただし、まだレッドに関しては情報不足

　「ブラック装着で、プッシュ・トゥ・パスを使ったとかでもなかった。あのベストはとても良いラップだった。ウォーム・アップ・セッションはとても良いものにできた」と彼は話した。今週一番の手応えを感じた様子だった。
　「でも、手放しで喜べるというほどではなかった。レッド・タイヤのパフォーマンス、バランスをチェックしたかったけれど、変なトラフィックが多く、さらには赤旗も出てしまった。スタート・タイヤは”黒”」と琢磨。まだレッド・タイヤに関しては、情報が不足しているのだ。
　明るい兆しが見えた琢磨は、さらに大きなジャンプを狙ってセッティングをさらに変更するのだろうか？
　「それは本当ならしたいところだけれど、まだわからない。今からの変更というのは、すべてが”良くなるはず”っという推測に基づくものだから。今回から組んでいるエンジニアがどういう決断を下し、どれぐらい変えて行くことになるのか……」。担当エンジニアやチーム・オーナーは琢磨とともにどんな決定を下すことになるのか。

「トップ10は行ける車には仕上がってる！」

　「予選が4位とか5位で優勝を狙って行くっていう状況なら、ちょっとリスクがあっても本当に良いクルマにしようとトライするけど、今の状況だとそれをやると失うものが大きい場合もある。そこそこに良いクルマにして、トラブル・フリーのレースを戦えばトップ10フィニッシュはできると思う。もちろん、10番手のタイムが出たからってレースでも10位になれるとは限らない。自分の場合は11台も抜かないといけないわけだから。それでも、トップ10は行けるクルマにできている。戦略がうまくハマればポンッと上位に行ける可能性だってある」。デイル・コイン・レーシングは後方スタートでの作戦に定評があるチーム。勝負の時を前に、ようやくのことでマシンを自分好みに仕上げることができた琢磨は、20番グリッドから上位進出を狙う。