2022年1月31日月曜日

2022 INDYCARニュース 1月31日:ローレックス24アット・デイトナで2022シーズンが開幕

 

メイヤー・シャンク・レーシングのアキュラARX-05が優勝! ポディウムで喜ぶオリヴァー・ジャーヴィス/トム・ブロンクヴィスト/エリオ・カストロネヴェス/シモン・パジェノーの4人ドライバーたち Photo:LAT Images クリックして拡大

第60回デイトナ24時間をアキュラ(ホンダ)が1−2で制す

 フロリダ州デイトナビーチにあるデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催された第60回ローレックス24アット・デイトナ(デイトナ24時間レース)では、メイヤー・シャンク・レーシングのアキュラARX-05(オリヴァー・ジャーヴィス/トム・ブロンクヴィスト/エリオ・カストロネヴェス/シモン・パジェノー組)が761周=2,709.16マイルを走破して優勝した。

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ニッサン、マツダが撤退した2022シーズン
キャディラック4台、アキュラ2台の争いに


 IMSAウェザーテック・シリーズの最高峰カテゴリーであるDPi(デイトナ・プロトタイプ・インターナショナル)、今年はキャディラックvs.アキュラの一騎打ちとなっていた。ニッサンに続いてマツダもDPiから撤退してしまったためだ。参戦マニュファクチャラーの減少は残念だが、キャディラックが4台、アキュラも2台をエントリーさせ、ストック・カー用の30度バンクとインフィールドを組み合わせた全長3.56マイルのコースで激しいバトルを繰り広げた。
 ゴール前の4時間はアキュラ同士による優勝争いとなり、2年連続の総合優勝をアキュラは1−2フィニッシュで飾った。昨年のデイトナ・ウィナーであるウェイン・テイラー・レーシング(WTR)のARX-05(リッキー・テイラー/フィリペ・アルバカーキ/アレクサンダー・ロッシ/ウィル・ステーヴンス組)は、ポール・ポジション・スタートから2位フィニッシュ。24時間を戦った末のトップ2台の差は3.028秒しかなかった。また、2台のキャディラックもトップと同一周回でゴールと、耐久レースとは思えない緊迫した戦いが延々と続いた。

メイヤー・シャンク・レーシング
昨年のインディー500に続きクラシック・イベント制覇


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 メイヤー・シャンク・レーシングは、マイケル・シャンク・レーシング時代の2012年にデイトナ・プロトタイプ・カテゴリーのライリーDPG3/フォード(AJ・アルメンディンガー/オズワルド・ネグリ/ジョン・ピュー/ジャスティン・ウィルソン組)でデイトナでの総合優勝を記録している。あの勝利は記念すべき第50回ローレックス24アット・デイトナにおけるものだったが、今回は第60回目のデイトナでヴィクトリー・レーンに進んだ。昨年のインディー500でインディーカー・シリーズ初優勝(カストロネヴェス)を記録したオハイオのチームは、アキュラARX-05を走らせ始めて2シーズン目にシリーズ最長の耐久イヴェント制覇をやってのけた。
 カストロネヴェスは昨年のデイトナにはWTRから出場しており、2年連続でのデイトナ優勝となった。しかも、その間に彼は自身4回目となるインディー500優勝を飾ってもいる。今年もその勢いは続くのだろうか?
MSRに新加入のパジェノーも、チームでの初レースで優勝という幸先の良いスタートを切った。

「デイトナに歴史を刻むことができた」

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  カストロネヴェスはレース後、「信じられない。デイトナに歴史を刻むことができた。メイヤー・シャンク・レーシングが素晴らしいマシンを用意してくれた。最高のチームメイトたちにも恵まれた。すごいレースで、過酷な戦いとなっていた。レース終盤にはWTRのアキュラに乗るリッキー・テイラーがずっと背後につけてプレッシャーをかけ続けてきた。しかし私は、“彼が手強い相手なのはわかっているが、僕が知っていることのすべてを彼にはまだ見せていない。袖の中にはまだ隠したものがある”」と自らに言い聞かせて走っていた」とコメントした。


着実に力をつけるアキュラ

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 アキュラのデイトナ24時間レースでの総合優勝は昨年が初めて。2年連続総合優勝も当然今回が初となった。そして、1−2フィニッシュも初めての達成だ。
 ホンダ・ブランドは、2016年にデイトナ24時間で初優勝を挙げている。エクストリーム・スピード・モータースポーツ(ピポ・デラニ/スコット・シャープ/ジョハネス・ヴァン・オーヴァービーク/エド・ブラウン組)がリジェJSP2/ホンダで記念すべき勝利をマークしたのだった。

ラスト4時間、メイヤー・シャンク・レーシングと激しく争い2位となったウェイン・テイラー・レーシングのアキュラARX-05 Photo:LAT Images クリックして拡大

 アキュラ・ブランドは、現在のLMP2のようなトップから2番目のカテゴリーであるキャメル・ライツでクラス優勝を二度遂げている。コンプテック・レーシングが1991、1992年にデイトナ24時間でのクラス優勝を飾ったのだ。1991年のウィナーはパーカー・ジョンストン/スティーヴ・キャメロン/ボブ・レスネット組。1992年ウィナーはジョンストン/キャメロン/ジミー・ヴァッサー組だった。ジョンストンは1995年にホンダ初のCARTシリーズ・ポール・ポジションをスーパースピードウェイのミシガン・インターナショナル・レースウェイで記録したドライヴァー。そしてもちろん、ヴァッサーは1996年にホンダ初のインディーカー・チャンピオンとなったドライヴァー(チップ・ガナッシ・レーシング)だ。

LMP2でもインディーカー・ドライヴァーたちが優勝

 ローレックス24・アット・デイトナのウィナーには3年連続で現役インディーカー・ドライヴァーが含まれていた。今年はカストロネヴェスとパジェノーだ。昨年はカストロネヴェスとアレクサンダー・ロッシ、一昨年はスコット・ディクソンが優勝クルーに名を連ねていた。

 今年は第二のカテゴリーであるLMP2でもインディーカー・ドライヴァーたちが活躍していた。優勝したのはドラゴンスピードUSAのデヴリン・デフランチェスコ(今年からインディーカー・シリーズにアンドレッティ・スタインブレナー・オートスポートから出場予定)/パト・オーワード/コルトン・ハータ/エリック・ラックス組。走行周回数はDPiより10周少ないだけの751周だった。トップと同一周回の2位となったチームのドライヴァー・ライン・アップにはリナス・ヴィーケイが含まれていた。LMP2もトップ3が同一ラップという激戦だった。マシンはいずれもオレカ07/ギブソン。現役インディーカー・ドライヴァーの出場のなかったLMP3は、723周を走ったライリー・モータースポーツのリジェJS
P320が優勝。

 ジミー・ジョンソンは総合11位/クラス5位(アクション・エクスプレス・レーシングのキャディラックDPiに小林可夢偉らと搭乗)。チップ・ガナッシ・レーシングのキャディラックは、マーカス・エリクソンの乗った方が総合12位/クラス6位で、スコット・ディクソンとアレックス・パロウの乗ったもう1台(セバスチャン・ブルデイも搭乗)は総合14位/クラス7位という結果だった。

 AJ・フォイト・エンタープライゼスから今年のインディーカー・シリーズにフル出場予定のカイル・カークウッドは、GTデイトナ・プロ・カテゴリーにヴァッサー・サリヴァンのレクサスRC
Fで出場し、総合22位=クラス4位だった。因みに、GTDプロ、GTDともに優勝はポルシェ911GT3Rのものとなった。

 2023年のデイトナは、すでに大きな注目を集めているスポーツ・カーの新カテゴリー=ハイブリッド・パワー・ユニット搭載のLMDhの戦いになる。キャディラックとアキュラは引き続き参戦し、ポルシェとBMWが新たに参戦してくる。
 現在、キャディラックにはチップ・ガナッシ・レーシング、アキュラにはメイヤー・シャンク・レーシングというインディーカー・チームが出場しているが、新規参戦組のポルシェはペンスキー・レーシング、BMWはレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングがマシン開発や出場オペレーションを担当する。インディーカー4チームが、スポーツ・カーのトップ・カテゴリーでもライヴァルとして激戦を繰り広げることとなるのだ。
以上

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