2021年12月9日木曜日

2021 INDYCARニュース 12月9日:オフシーズンニュースあれこれ

オリヴァー・アスキューはアンドレッティ・オートスポートからフォーミュラEシリーズにフル参戦

 2019年インディー・ライツ・チャンピオンのオリヴァー・アスキューは、2020年にはアロウ・マクラーレンSPからインディーカー・シリーズにフル・シーズン・エントリーしたが、そのシートをキープできず、2021年シーズンは3チームから5戦へのスポット参戦を果たしたのみで、ベスト・リザルトはレイホール・レターマン・ラニガン・レーシング(RLL)から出場したラグナ・セカでの9位だった。彼は2022年シーズンに向け、RLLなどで名前が挙がっていたが、レギュラー復帰はならず。フォーミュラEにアンドレッティ・オートスポートからフル参戦することとなった。インディー・ライツのタイトルを制した古巣アンドレッティに復帰。目指すはアンドレッティ・オートスポートからの2023年インディーカー・シリーズ出場……ということなのだろう。



ロマイン・グロジャンがデイトナ24時間レースに出場か?

 昨年のデイトナ24時間ウィナーであるウェイン・テイラー・レーシング(WTR)は、来年1月のデイトナにロマイン・グロジャンをサード・ドライヴァーとして起用する計画を持っている。彼らが走らせるのはアキュラのDPiマシン=アキュラARX-05。IMSAシリーズを戦うレギュラー・ドライヴァーはフェリペ・アルバカーキとリッキー・テイラーの二人で、今年のデイトナではアレクサンダー・ロッシとエリオ・カストロネヴェスが加わり、総合優勝を果たした。2022年はメイヤー・シャンク・レーシング(MSR)からインディーカー・シリーズにフル出場するエリオ・カストロネヴェスは、IMSAシリーズへのスポット参戦でもMSRで走ることとなったため、WTRの4人目としてグロジャンに白羽の矢が立ったということらしい。2023年からのレギュレーション変更でIMSAシリーズとWEC(ル・マン24時間レース含む)がLMDhマシン(及びLMハイパーカー)での闘いとなって、アキュラが出場する場合、WTRはフランス出身のグロジャンを起用してル・マンに出場……というところまで考えているのかもしれない。

セバスチャン・ブルデイはチップ・ガナッシ・レーシングのスポーツ・カー・チームへ

 セバスチャン・ブルデイはチップ・ガナッシ・レーシング(CGR)のスポーツ・カー・プロジェクトに加わり、2022年にはインディーカー・シリーズにフル出場することは不可能となった。
 IMSAシリーズでキャディラックDPiを走らせているCGRは、2023年からの新カテゴリー=LMDhでの戦いに照準を合わせ、ブルデイとの契約に至ったようだ。彼にはアメリカでのスポーツ・カー経験もあり、ル・マンにもCGRからのフォードGTで出場するなどの経験を持っている(しかも、ブルデイはル・マン出身)。CGRのブルデイ確保は、キャディラックのル・マン復帰が彼らと共に果たされる計画アリという意味だろう。


アレックス・パロウもデイトナ24時間に出場

 チップ・ガナッシ・レーシングのスポーツ・カー・チームは2022年から2カーに体制を拡大する。今年のデイトナにはインディーカー・チャンピオンのスコット・ディクソンがサード・ドライヴァーとして出走した。2022年もディクソンの出場はあるだろう。そして、2台目には新インディーカー・チャンピオンのアレックス・パロウが乗ることとなりそうだ。

チーム・ペンスキーがLMP2でWEC参戦

 スポーツ・カーの話題をもうひとつ。アキュラとのIMSAシリーズでの活動をたった3年でやめたチーム・ペンスキーは、ポルシェとのタッグを復活させてスポーツ・カーの世界へと戻ってくる。2023年から導入される新カテゴリー=LMDhで、彼らはアメリカの国内シリーズだけでなく、ル・マン24時間レースを含む世界選手権=WECへの出場もポルシェから任されることとなったのだ。
 ペンスキーは、まだ達成していないル・マン制覇を目指すわけだが、そのための準備として、来る2022年にWECシリーズへの参戦を始める。LMP2カテゴリーにエントリーし、ヨーロッパでのノウハウ蓄積、スポーツ・カー・チームの強化を図るためだ。ポルシェと組んでLMP2に参戦した時にはフル出場前年の終盤戦でニュー・マシンをデビューさせてオフの開発の手助けとし、アキュラとのDPiカテゴリー参戦開始直前にもベース車両となるオレカ07を実際のレースで走らせた。そんな用意周到な彼らが、2023年のトップ・カテゴリー参戦に向け、1シーズンをフルに使って準備を整える。ペンスキーとポルシェの本気度が伝わってくる。

カーリンがインディーカーから撤退

 2015年にインディー・ライツに参戦を始めるや、すぐさまタイトルを獲得。その勢いでインディーカーへのステップ・アップを2018年に果たしたイギリスのチーム=カーリンだったが、4年間のインディーカー参戦で、ついに1勝も挙げることができないままアメリカから撤退することとなった。彼らの所有するシャシーなどはフンコス・ホリンジャー・レーシングが取得した。

ライアン・ハンター-レイのエド・カーペンター・レーシング入りは消滅?

 アンドレッティ・オートスポートを離れたライアン・ハンター-レイがエド・カーペンター・レーシングのマシンをテスト。そのままチーム移籍……と見られたが、正式契約には至らなかった。実績あるヴェテラン起用でチームのロードコース・エンジニアリングの底上げを狙うと見られたECRだったが、若いドライヴァーの才能に期待……とばかりにジャック・アイトキンをテストした。
 ヨーロピアン・ドライヴァーたちの更なるインディーカー流入が、ECRでも実現するかもしれない。このところの過去3シーズンを振り返ると、インディー500へのスポットも含めると23人のルーキーがチャレンジしたが、そのうちで2022年シーズンに向けてレギュラー・シートを確保しているのは、アメリカ、カナダ、メキシコの北米系がコルトン・ハータ、パト・オーワード、ジミー・ジョンソン、ダルトン・ケレットの4人なのに対して、欧州系(オセアニア含む)がアレックス・パロウ、マーカス・エリクソン、フェリックス・ローゼンクヴィスト、リナス・ヴィーケイ、ロマイン・グロジャン、スコット・マクロクリン、カルーム・アイロット、クリスチャン・ルンドガールドと倍の8人(!)もいる。ハンター-レイはロードコース専門であってもレギュラー・シートの確保は難しいかもしれない。インディー500へのスポット参戦なら、ECRから実現する可能性は十分にあるが……。
 アンドレッティ・オートスポートは2022年もシリーズ最多の4カー体制。チップ・ガナッシ・レーシングも同様で、チーム・ペンスキーは3台で戦う。今のトレンドは、チーム強化のために体制を3カーへ拡大することで、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングがそれを来シーズンから実現する。
 アロウ・マクラーレンSPは2022年シーズンには10戦ほど3台を走らせ、2023年からはレギュラーが3台になることがほぼ確実視されている。そして、メイヤー・シャンク・レーシングも3カー体制を目指している。


2022年ラインアップ予想

チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ
スコット・ディクソン
アレックス・パロウ
マーカス・エリクソン
ジミー・ジョンソン(インディー500初挑戦の意向。他のオーヴァルは……?)
トニー・カナーン(JJがフル出場ならインディー500のみか?)

チーム・ペンスキー/シヴォレー
ジョセフ・ニューガーデン
ウィル・パワー
スコット・マクロクリン

アロウ・マクラーレンSP/シヴォレー
パト・オーワード
フェリックス・ローゼンクヴィスト
(3台目を10戦ほどにエントリーか?)

アンドレッティ・オートスポート/ホンダ
コルトン・ハータ
アレクサンダー・ロッシ
ロマイン・グロジャン
デヴリン・デフランチェスコ(R)

メイヤー・シャンク・レーシング/ホンダ
エリオ・カストロネヴェス
シモン・パジェノー

エド・カーペンター・レーシング/シヴォレー
エド・カーペンター(オーヴァルのみ)
リナス・ヴィーケイ
ジャック・エイトキン(R)?

レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダ
グレアム・レイホール
ジャック・ハーヴィー
クリスチャン・ルンドガールド(R)

デイル・コイン・レーシング/ホンダ
佐藤琢磨?
デイヴィッド・マルーカス(R)?

デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン/ホンダ??

AJ・フォイト・エンタープライゼス/シヴォレー
カイル・カークウッド(R)
ダルトン・ケレット

フンコス・ホリンジャー・レーシング/シヴォレー
カルーム・アイロット(R)
以上

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