カークウッドはアロー・マクラーレンからのオファーを断り、フォイトからの来季フルエントリーをチョイス Photo:INDYCAR クリックして拡大 |
カイル・カークウッドはAJ・フォイト・エンタープライゼス入り
インディー・ライツ・チャンピオンのカイル・カークウッド(フロリダ州出身/23歳)がAJ・フォイト・エンタープライゼスと契約した。彼はカー・ナンバー14を纏い、2022年のインディーカー・シリーズにフル・シーズン・エントリーを行うことになる。2シーズンに渡ってフォイトのエースを務めていたセバスチャン・ブルデイは、2022年に向けてチップ・ガナッシ・レーシングのキャディラック・スポーツ・カー・チーム入りを果たした。フランスのル・マン出身ドライヴァーは、2022年はIMSAシリーズで走り、2023年から繰り広げられる見込みのLMDhマシン/ハイパーカーによるワークス・バトルに備えようということらしい。フルエントリーにこだわってフォイトを選択!
アロウ・マクラーレンSPから10レースに出場する契約をオファーされたというカークウッドだが、それを蹴ってのフォイト入りを決意したところは興味深い。AMSPだとフル・シーズン・エントリーではないため経験量が限られる上、3番手のドライヴァーであるために色々と我慢を強いられるケースも考えられるが、フォイトならチームのプライオリティ・ドライヴァーとして扱ってもらえる。そこに期待をしての決断と思われるが、チーム体制を比較すればAMSPの方が明らかな優位。2021年の彼らのマシンには優勝を争う戦闘力があり、パト・オーワードとフェリックス・ローセンクヴィストというチームメイトたち強力だ。フォイトだとチームメイトは2020年に5戦、2021年に初めてフル・シーズンを戦ったものの、ほとんど目立つ走りを見せることのできなかったダルトン・ケレットだけで、マシン・セッティングでのサポートもあまり期待はできない。
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アレクサンダー・ロッシがバハ1000でクラス優勝
メキシコのバハ・カリフォルニア半島でこの11月に開催された第54回目SCOREバハ1000で、インディーカー・ドライヴァーのアレクサンダー・ロッシがクラス7(V6エンジン搭載・アンリミテッド・レーシング・トラック)での優勝を他の3名のドライヴァーたちとともに飾った。
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カリフォルニア州サン・ディエゴの南90マイルほどの位置にある海沿いの街エンセナダから、半島南端のラ・パスまで1200マイル以上を突っ走る過酷なオフ・ロード・レースをロッシたちは23時間4分59秒で走破。彼らの乗ったのは、ホンダがアメリカで販売するリッジラインをベースとしたマシンだった。ホンダは2015年からバハ1000を中心とするオフ・ロード・シリーズに参戦し続けて来ており、最大のイヴェントでの初優勝を今回ついに手に入れた。
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ロッシはこの勝利で珍しい記録保持者となった。インディー500(2016年)、デイトナ4時間(2021年)、バハ1000というメジャー・レース3つを制した史上初めてのドライヴァーとなったのだ。インディーカーではもう2シーズンも勝利のないロッシだが、2021年はデイトナでスポーツカーのビッグ・レースを初制覇し、年末が近づいたところでは伝統あるデザート・レースでの勝利を掴んだ。
なお、インディー500ウィナーのバハ1000優勝はロッシが初めてではなく、パーネリ・ジョーンズに続く2人目。バハ1000にはその他にもリック・メアーズ、バディ・ライス、ライアン・ハンター-レイ、ダニー・サリヴァンが挑戦して来ている。
アロウ・マクラーレンSPがF1経験を持つドライヴァーを次々テスト
アロウ・マクラーレンSPのオーナーであるザック・ブラウンは、彼らが2023年から3台をフル・エントリーさせる意思を明らかにしている。それが2022年に前倒しで実現される可能性もゼロではないが、現実的路線としては、2022年を体制拡大のための準備期間として10戦ほどに3台目を出場させる……ということになるようだ。
2021年シーズンが終了するや、彼らはオーディション的なテストをスタートさせた。その最初がニコ・ヒュルケンバーグだった。ウィリアムズ、フォース・インディアなどからのF1グラン・プリ出場でポール・ポジションを1回を記録している34歳のドイツ人ドライヴァーは、バーバー・モータースポーツ・パークでのテストに参加し、アロウ・マクラーレンSPのスタッフから上々の評価を受けた。
ヒュルケンバーグはテストから数日後、”即座にインディーカーにスイッチすることはない”との意向を発表したが、アロウ・マクラーレンSPとしては、彼を走らせたことで価値あるデータを収集することができた。適任のドライヴァーを探すだけでなく、マシンを進歩させることも重要な目的とされている彼らのテストは今後も行われる予定。第二弾はマクラーレンからF1に出場していた経歴を持つベルギー出身、29歳のストフェル・ヴァンドーンに決まっている。
なお、アロウ・マクラーレンSPが2022年のインディーカー・シリーズに3台目をエントリーする場合、それが開幕もしくはシーズン前半からになるのか、全部で何レースになるのか、どのレースが選ばれるのかなどは明らかにされていない。
ニック・デ・フリースはメイヤー・シャンク・レーシングでテスト
オランダ出身、26歳のニック・デ・フリースもインディーカーにスイッチしてくる可能性がある。彼はメルセデスのフォーミュラEチームでストフェル・ヴァンドーンのチームメイトだが、メルセデスは2022年の夏でフォーミュラE参戦を終了することが決まっている。
デ・フリースがテストするのはメイヤー・シャンク・レーシングのマシン。エリオ・カストロネヴェス、シモン・パジェノーというヴェテラン二人を2022年からフル・シーズン・エントリーさせるチームには、若手を発掘する必要性もある。
2018年にマクラーレンとフェルナンド・アロンソがインディー500に挑戦して以来、インディーカーとF1の関係性が深まって来ている。2021年シーズンにロマイン・グロジャンがインディーカーへと参戦開始して大成功。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングはアルピーヌ・アカデミー所属の若手=クリスチャン・ルンドガールドを実戦でテストし、来シーズンの起用を決めた。
マクラーレンはシュミット・ピーターソン・モータースポーツに合流し、2シーズンを過ごしたところで経営権を握ることになったが、この秋にはマイケル・アンドレッティ(=アンドレッティ・オートスポート)が、F1チームのザウバー/アルファ・ロメオ・レーシングを傘下に収める交渉を行い、実現目前まで行った。マイケルがアンドレッティの名前をF1に復活させるのか、と楽しみにしていたが……。そうなったら、マイケルのチームからコルトン・ハータがF1デビューして……なんて展開も予測されていたので。
以上
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