2021年9月5日日曜日

2021 ジャック・アマノのインディーな1日 9月4日:ワイルド・ウェスト・ツアー2021  デリケイト・アーチに感激!

アメリカ人なら誰でも知っている「デリケイト・アーチ」。高さは4階建てビルに相当する14m、幅10m。最近のジープのテレビCFにも登場していた。その形、大きさ、周囲の景色……すべてが素晴らしい。アクセスが1時間弱の上り坂だけれど、その苦労は絶対に報われる。ただ、強度の高所恐怖症だと最後の最後の崖っぷちの道が大試練。アーチ周辺の地形もそこそこおっかない。脅す気はないけど Photo:Masahiko Amano クリックして拡大

 ついに来た、アーチズ国立公園

 ツアー2日目。最初っから頑張り過ぎて体調を崩しても困るので、少し運動をして高地に体を慣らし、余裕を持ってユタ州モアブまで移動した。
 パラシュートからグランド・ジャンクションを通り過ぎてユタ州に入った。左右に広がる景色は荒涼とした、すさまじいもの。ちょっと恐ろしさを感じた。
 インターステイト70を州道191で降りる。20分ほど南に走ると景色が明らかに変わった。岩山が赤い。地質が違う。もうアーチズ国立公園がすぐそこだ。
 大きなカーブがあった。そこを曲がったら、赤錆色の岩肌を持つ切り立った崖が迫ってきた。”ついに来た!”
 興奮ブーストがかなり高まった。しかし、ここでは公園入り口をスルー。モアブの街に向かった。公園内にはレストランなどがないので、飲み水やランチなど、明日に向けて用意をしなくちゃならない。

デリケイト・アーチに次ぐ人気の「ランドスケイプ・アーチ」。非常に薄く、その長さは実に100m以上と公園内で最長! 午前中に行ったら逆光だった Photo:Masahiko Amano クリックして拡大

翌朝8時、いよいよ公園に
まずはお目当てのデリケイト・アーチを目指す


 翌朝、早起きして8時少し前に公園のゲートを潜った。その時間帯なら渋滞なしで入れる……との情報を得ていたので。入園料30ドルを払おうとクレジット・カードを用意していたが、この日は何かの記念日だか何だかで無料!

パインツリー・アーチ。最初に向かったデリケイト・アーチ以外はアクセスが簡単なのものを選んだ。このアーチはランドスケイプ・アーチに行く途中、ちょっと横道に逸れたところに、トンネル・アーチとともにあった Photo:Masahiko Amano クリックして拡大

 ゲートの先は急な上り坂。そこをグイグイ進む。その一本道の両側の景色だけでも、今まで見たことのない世界で、どこででも写真を撮りたくなっちゃう感じ。“パーク・アヴェニュー”という最初のヴュー・ポイントに寄ってみた。“すごい!”と絶景にしばし見惚れた後、ふと考えた。“一番のお目当てであるデリケイト・アーチへ急いだ方がいいのでは?”と。駐車場がいっぱいになっちゃったら待たなきゃならないし、体力があるうちに一番の目的をクリアしたい……ということで。最初に行っておけば、明日以降、また見たくなったら来ることもできるし。

ハイキングルートをひたすら歩くこと1時間

 デリケイト・アーチへのハイキング・ルート入口、駐車場にクルマは難なく停めることができた。空いているわけでもなかったけど。
 水とソフトドリンクを1本ずつと、ランチを持参して歩き出した。取材用のショルダーバッグと、雨天用のトレイル・シューズが思わぬところで役立つこととなった。ランチには、おにぎりを作った。ホテルの朝食ビュッフェにあったソーセージをトーストしたパンに挟んだものも、夜まで場合に備えて作った。私のような人たちのために、ホテルの食パンは2枚1セットでジップロックに入れてあった。

公園内に2000以上あるというアーチのいくつかを一望できるウィンドウズ・アーチ。ここへのアクセスが翌日から閉鎖になるという情報があったので、デリケイト・アーチの後、必ず行こうと決めていた Photo:Masahiko Amano クリックして拡大
ウィンドウズの一部と言えなくもない? タレット・アーチ。デリケイト・アーチとの劇的対面以来、すでに何個もアーチを見て来た。園内のアーチすべてを見るつもりなどさらさらないが、初日に数カ所見ただけで、もう感激指数は許容レヴェルを超えていた Photo:Masahiko Amano クリックして拡大

 急な上りこそないが、だらだらとずーっと上りが続いた。先を行く人が見えるし、日中なら迷子になることはなさそうだ。ハイキング・ルートはかなり整備がされている。ただ、結構進んだところで大きな岩盤の上に出るんだけれど、その辺りからは案内表示があまりなかった。日陰もほとんどない。気温が26℃と涼しめの日で助かった。

デリケート・アーチはまさに絶景! 
想像していた以上の感激度
ただし足元は崖っぷち


 岩盤を過ぎて、赤い岩の谷間的なエリアを過ぎると、崖に穴が開いていて、向こう側の空が見えた。そのすぐ下に辿り着くと、崖っぷちの柵がない道があった。人がすれ違えるだけの幅はあるけれど、谷側はできれば遠慮したい、そんな道を数十メートル行く……と一気に視界が開けて、右下に見えた、デリケート・アーチ! 歩き始めて50分ぐらい経っていた。アーチの手前側はなだらかなボウル状になっていて、そこに数十人の人がいた。

 しかし、こんなアーチ、いかにしてできたんだろうか? どれだけの時間をかけて。この高さまで水があった? 谷底は見ないようにしつつ、色々な角度からアーチを眺め、早目のランチもとった。 絶景を前にする日光浴は、まさに至福の時間。移動には気を使ったけどね。転げ落ちたら命はないので。しかし、こんな危なっかしい場所でもパーク・レンジャーさんの姿はゼロ。これぞ自己責任の世界だ。

有名なバランス・ロック。ご覧のように巨大な岩がバランスをとっている。その大きさは実に大きなアメリカのスクール・バス3台分! でも、インパクトは小さかった。すごいアーチを幾つも見た後だと……ね。一番最初に行くべきかも、これは Photo:Masahiko Amano クリックして拡大

 このアーチは夕方に訪れるべき。その方が光が綺麗だと聞いた。もう一度、来たくなったら来よう。ただ、夕陽の当たるアーチを見たら、その帰り道は真っ暗になるのでは? ケイタイの懐中電灯だけじゃ心許ないだろう。寒くなるかもしれないし……。ユタ州のクルマのナンバープレートにデザインされたりしているデリケイト・アーチは、想像していた以上に感動的だった。自分史上ではカナダの氷河、イエローストーンの虹色の泉と並ぶ感激度かな。

以上

0 件のコメント:

コメントを投稿