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ユニークなナッシュヴィルのコースレイアウト
ドライヴァーたちはバンプが少ないラインを模索
金曜日の午後3時過ぎからナッシュビルのダウンタウンにレイアウトされた全長2.1マイルのストリート・サーキットで初めてのプラクティスが開催された。正午近くに小雨の降ったナッシュヴィルだったが、その後は曇り空となり、プラクティス中の路面はずっとドライ・コンディションだった。
大きな橋を往復する部分もあるユニークなコースは、その橋の部分が特にバンピーで、ドライヴァーたちはバンプが少なくスムーズに走れるライン、ブレーキングをより効果的に行えるラインを探してながら走っていた。ブリッジ部分はストリート・コースとは思えない高速ぶりだが、コーナーはほぼすべてが低速で、橋を渡った先のターン4~8はコース幅も超タイトだ。
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ハータ、積極的なアプローチでトップタイム
最速ラップとなる1分16秒5875をマークしたのはコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)だった。彼はセッション前半から積極的に走り込み、着々とスピードを上げて行った。セッション終盤、残り時間が11分となったところで1分17秒0038をマークしてトップに立った彼は、次のラップでハータは更に速いラップを記録して、トップを決定づけた。
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この時点で2番手につけていたのは1分17秒1742のアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)だったが、最終的に2番手となったのはスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)だった。タイムは1分16秒9653で、トップのハータとの間には0.3778秒の差があった。
イニシャルセットがよかったと語るハータ
「橋のバンピーさはすごく神経を使った」
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ハータは、「シミュレーターがコースの特徴を的確に表したものになっていたので、ドライヴァーの仕事をかなり楽なものにしてくれた。今日の自分たちは、コースを着々とものにして行った感じだった。見ての通り、持ち込んだセッティングがまずは良かった。最初から速く、安心してスピードを上げて行くことができていた。ただし、橋のバンピーさはすごくて、初めてフル・スロットルで行く時は神経を使った。マシーンがボトミングしてコントロールを失い、ストレートで壁にぶつかるっていうのは、愚かに映るので最も避けたいことなので」とコメントした。
ロッシ4番手でAA軍団は2人がトップ4に
チップ・ガナッシ勢はトップ6に3人!
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3番手は“ルーキー”のロマン・グロジャン(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)。タイムは1分1分17秒1305。ロッシはハータとの間にこの2人に入られ、4番手でセッションを終えた。それでもアンドレッティ軍団は2人がトップ4入りしているのだから、まずまずの滑り出しと言っていい。
5番手はマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)の1分17秒21268。6番手はポイント・リーダーのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)の1分17秒2264と、ガナッシ勢は3人がトップ6入りしていた。
シヴォレー勢最速はローゼンクヴィスト
オーワードはセッション序盤にクラッシュ
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トップ6をホンダ勢が占めた……が、シヴォレー最速となったフェリックス・ローゼンクヴィスト(アロウ・マクラーレンSP)は1万分の1秒までパロウと同じ1分17秒2264をマーク。それがパロウより時間的に後だったため、彼は7番手にランクされた。ローゼンクヴィストのチームメイト、ポイント・スタンディングで2番手につけているパト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)は、セッション序盤にターン3で入り口の壁に右フロント・ホイールを接触させ、それによってラインがずれて出口のアウトサイド・ウォールにクラッシュ。7周を走っただけでセッションを終えた。
ナッシュヴィル地元のニューガーデンは12位Photo:INDYCAR (James Black) クリックして拡大
8、9、10番手はチーム・ペンスキーの3人がウィル・パワー、スコット・マクロクリン、シモン・パジェノーの順でつけた。タイムはセッション最多となる30周を走ったパワーが1分17秒2436(28周目)、マクロクリンが1分17秒4072、パジェノーが1分17秒4535。トップのハータとのタイム差はパワーが0.65611秒、マクロクリンが0.8197秒、パジェノーが0.8660秒と小さくはなかった。ナッシュヴィルが地元の、ポイント・スタンディングで3番手(シヴォレーで最上位)につけているジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキーは12番手だった。タイムはトップから1秒0278秒遅れ。
残り時間が5分を切ってからコナー・デイリー(エド・カーペンター)がターン9のブレーキングでコントロールを失い、タイヤ・バリアへマシーン右側からハードに突っ込んだ(ドライヴァーは無事)。残り時間はもう少なく、そのままセッションは終了とされた。デイリーのチームメイト、今季1勝を挙げているルーキーのリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)は1分18秒1627で16番手と走行初日は目立てていなかった。
佐藤琢磨、調子が出てきたところで赤旗に
佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は26周を走り、25周目の1分18秒2167がベストで17番手にランキングされた。しかし、彼はデイリーのアクシデントによる赤旗が出された時に行っていたラップが非常に良く、それが無効とされなければ、トップ10に入れるものとなっていたようだ。
インディー500で4勝目を挙げて以来初めてのレースとなるエリオ・カストロネヴェス(メイヤー・シャンク・レーシング)は1分18秒4276のベストで21番手だった。
「ものすごく暴力的なバンピーさ」と語る琢磨
「体への衝撃はすごいが面白いコース」
ナッシュヴィルでの初セッションを終えた琢磨にその第印象を聞くと、「いやぁ、信じられないぐらいにバンピー」という言葉が帰って来た。「普通に、路面にアンジュレーションがあってのバンピーではなくて、もっとものすごく暴力的なんですよ。特に橋の両側、ストレート・エンドなんですけどね。クルマのライドハイトはかつてないほどに上げている状態なのにフロアだけじゃなく、モノコックにまでダメージが行っちゃってます。橋を渡って行った先のターン4にアプローチするところではバンピー過ぎてアクセルを踏んで行けない。踏んで行くと空中に浮いちゃって曲がり切れなくなっちゃう。橋を戻って来たターン9でもマシーンが路面に打ちつけられるので、もう、どうやって完走すればいいのかわからないってぐらい。首や背骨に来る衝撃が凄い」。
「とは言え、すごくおもしろいコース。ブリッジを越えて行くなんて、なかなかできない経験だし、ちょっと不思議な感覚。でも、ちょっと怖いよね。両方ともハイ・スピードからのブレーキングで、物すごいバンピーなので、抜くって言ったって、そこに行くまで安心してラインをトレースできないって言うか……いつ飛んで行くかわからないところがある」と琢磨は話していた。
「まだ試すべき項目がたくさん残っている状態です」
レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングはナッシュヴィル入りの前にインディアナポリスでHPDのシミュレーターを使った。その成果はまずまずのものがあったようだ。「シミュレーターのコースの再現力はかなり高かった。シミュレーターだとターン9はスロットルを踏み切りで行けるコーナーになっていたけれど、ステアリングを切っても曲がって行かなかったので、あらかじめ相当早く切ってコーナーに入って行かなきゃいけなかった」と琢磨。オーヴァーテイク・ポイントが少ないコースだけに、タイヤの消耗は激しい方が順位変動は起こり易いのだが、今年のセイント・ピーターズバーグで使われたのと同じスペックのファイアストン・タイヤについての印象を尋ねると、「これから更にみんなが走り込むことで路面が良くなって行けば、そんなにタイヤの減りはひどいものにならないでしょう。グリップのそれなりのドロップ・オフはあるけれど」という答えが返って来た。
「今回はグレアム・レイホールだけちょっと違ったセッティングでスタートして、僕とサンティーノ・フェルッチはほぼ一緒の状態からスタート。まだ試すべき項目がたくさん残っている状態です」とも琢磨は話していた。明日は今日より気温が高くなる予報が出ている。路面にタイヤ・ラバーは乗って行くが、暑さがどんな影響を及ぼすか。プラクティス2、そして予選は果たしてどのように行われるのだろうか。
以上
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