2021年6月20日日曜日

2021 INDYCARレポート R9 REV グループ・グランプリ Day2 予選:ロード・アメリカのポール・ポジションはジョセフ・ニューガーデンが獲得

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 ニューガーデン、今季2回目、初の2戦連続PP

 ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が第9戦ロード・アメリカのポール・ポジションを獲得した。2018年にロード・アメリカでポール・トゥ・ウィンを飾り、昨年のレース1で二度目のPPを獲得した彼は、今日の予選の第1セグメント/グループ2でトップとなる1分45秒6078をマークした。そして、第2セグメントでは1分45秒6818がベスト。前セッションのラップ・タイムを更新できなかったこともあって、3番手でファイナルに進んだ。

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ニューガーデン、ファスト6で新品ブラックを履く作戦が的中!

 快晴下、気温22℃と、暑くないコンディションとなったファイナル、ニューガーデンは予選第1、第2セッションとは違ってフレッシュ・ブラック・タイヤを装着し、そのままアタック3周を走り通した。この作戦が見事に的中し、彼は1分46秒0186というタイムを2ラップ目に記録し、ポール・ポジションを獲得した。 セグメント2最速はジャック・ハーヴィー(メイヤー・シャンク・レーシング)で、2セット目のフレッシュ・レッドを投入し、1分45秒3614を叩き出していた。これまでに何度もスピードを見せて来ているイギリス出身の28歳は、初PP獲得の可能性を感じさせる走りを見せえた。コルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)も1分45秒5231という素晴らしいラップ・タイムを記録し、2番手につけた。
 しかし、ニューガーデンとチーム・ペンスキーが彼らを上回る的確な状況判断によってPPをかっさらった。自分たちがユーズド・レッドで出せるラップ・タイムを考え、フレッシュ・ブラックでの方が速く走れるとの結論に至ったのだ。彼らの読みは当たり、1分46秒台の、第2セグメントで3番手だった自身のラップ・タイムより遅く走りながらもPPを手に入れた。

ユーズドレッドの限界を見極めていたニューガーデン
「新品ブラック選択はP2終了後に決めていた」

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  予選で使用の許されるレッドは2セット。第1、第2セグメントに1セットずつ投入して全力を出し切らなければファイナル進出は不可能で、そうなれば6人によるポール・ポジション争いは、ユーズド・レッド・タイヤで誰が一番速く走れるかを競うものになる。そして、そこにどのようなノウハウがあるのかは明らかになっていないが、ユーズド・タイヤでの使い方でアドヴァンテージを持ち続けて来たのがチーム・ペンスキーだった。しかし、今日のニューガーデン陣営はレッドにスパッと見切りをつけた。予選を2ラウンド戦って、レッドのパフォーマンスはもう出し尽くされたと判断した。今回のチーム・ペンスキーはウィル・パワー、シモン・パジェノーもファイナルに進んでいたが、ブラックへのスイッチを決行したのは2017年と2019年の2回シリーズ・タイトルを獲得しているニューガーデンただ一人だった。これはデトロイト/レース2からの2戦連続、今シーズン2回目、ロード・アメリカでの3回目、そしてキャリア13回目のPPだった。シーズン2個目のPP獲得はパト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)に続く2人目だ。
 「ファイナルはブラックで走る。それは午前中のプラクティス2を終えた時点で決めていた。自分たちの戦い方が成功して嬉しい。ライヴァルたちが同じことをしなかったのには、ちょっと驚いた。今週のみんなの話題といえば、タイヤのデグラデーションばっかりだったから。2回目のアタックでのタイムの落ち具合がすごかった。ユーズド・レッドで好いタイムを出すのは難しいとわかっていた」とニューガーデンは語った。

 明日、ニューガーデンはシーズン初勝利を飾ることができるだろうか?
 「2連続PPは嬉しい。しかし、私たちの目標は優勝。シヴォレーのスタッフが本当にいい仕事をしてくれている。彼らのために勝利を挙げたい」

予選2番手はハータ、しかしPPには大差が
3番手にはハーヴィー! ペンスキー3台がファスト6進出

 予選2位は第2セグメントで2番手だったハータ。ユーズド・レッドで彼が記録したベストは1分46秒2616で、ブラックのニューガーデンより0.2430秒も遅かった。 

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 第2セグメントで今週末のここまででの最速ラップを記録したハーヴィーは予選3位。彼のユーズド・レッドでのベストは1分46秒7206だった。
 予選4、5、6位はパワー、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)、パジェノーだった。


グロジャン、惜しくもファスト6を逃す
オーワードは10位に


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 昨日のプラクティス1で最速だった”ルーキー”のロマイン・グロジャン(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)は予選7位と今回も大健闘。8、9位にはライアン・ハンター-レイと、2019年ウィナーのアンドレッティ・オートスポートの二人がつけ、トップ10最後のポジションはポイント・リーダーのパト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)のものとなった。デトロイト/レース2からの連勝、今シーズン3勝目を狙う彼は、「プラクティスからマシンのバランスを本当に良い状態にすることができていない。今朝はマシンの感触が良かったが、それは涼しかったことに助けられてのことだったようだ。暑くなるとマシンは良くなくなっていた」と話した。

ディクソン、Q2敗退

 2017年と2020年のレース1とロード・アメリカで2勝を挙げているスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)は、第1セグメントのグループ1で0.034秒という僅差で7番手となっり、ギリギリで第2セグメントへ進めず、明日のスターティング・グリッドは13番手に決まった。今朝のプラクティスで、誰かコース・オフしたドライヴァーがコース上に出した石の上を通り、アンダー・トレイを破損してしまった彼は、ガレージに戻ってトレーを交換したため、走行時間が15分も削られた。その影響でマシンの仕上がり具合が不十分だったようだ。

「スピードが足りなかった」と語る佐藤琢磨
ファイナルプラクティスでマシンの向上を目指す

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 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は予選20位だった。「フラストレーションのたまる予選でした。自身最速のラップでリヤ・ホイールをロックさせる少し危ういシーンがありましたが、結果がこのようなものになった原因はそれだけではありません。自分たちのマシンにはスピードがなかったと思います。スピードを獲得しないとならない。それが根本にあります。まずは自分たちがどこでスピードを失っているのか、それを見つけることが最も大事だと思います。今日、この後にもう1セッション、ウォーム・アップがあります。そこでもう少しのスピードを獲得でき、競争力をアップできればいいのですが」と彼は語った。
以上


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