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グロジャン、インディーカー3戦目にしてPP獲得!
F1からインディーカーにやって来たロマイン・グロジャン(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)がインディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースでのシリーズ第5戦GMRグラン・プリでキャリア初となるポール・ポジション獲得を果たした。
フレッシュな顔ぶれとなったファスト6
デイリーもファスト6進出 Photo:INDYCAR(Carl Zemlin)クリックして拡大 |
ファイアストン・ファスト6としてQ3を戦ったドライヴァーたちをQ2での順位で挙げると、
1 アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)
2 ジャック・ハーヴィー(メイヤー・シャンク・レーシング)
3 ロマイン・グロジャン(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)
4 コナー・デイリー(エド・カーペンター・レーシング)
5 スコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー)
6 ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)
だった。
Q2でウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、リナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)、コルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)、シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)が脱落したのは意外だった。
ハータはQ2の赤旗解除後レッドでタイムを出せず、8位で敗退に Photo:INDYCAR(Chris Jones)クリックして拡大 |
パワーがコース・オフして赤旗を出し、彼はその時点でアウト。グリーン・フラッグが振られてセッションが再開されてレッド・タイヤでの短時間勝負となって、ヴィーケイ、ハータ、エド・ジョーンズ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)、パジェノー、グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)はタイムを出せず。
グロジャン、デイリー、マクロクリンが大健闘のQ3進出。ニューガーデンはギリギリでQ3へと進んだ。
グロジャン、デビュー戦に次ぐ2度目のファスト6で快挙
デイル・コインレーシングは通算3回目のPP
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グロジャンはデビュー戦だったバーバー・モータースポーツ・パークでのホンダ・インディー・グラン・プリ・オヴ・アラバマでいきなりのQ3進出を達成。インディーカーでの初めてのストリート・レースとなったセイント・ピーターズバーグでのファイアストン・グラン・プリ・オヴ・セイント・ピーターズバーグではQ1敗退を喫したが、常設ロードコースでの2戦目、デビュー3戦目にしてポール・ポジションを獲得する快挙を達成した。チームにとっては2018年のセバスチャン・ブルデイによるフェニックス以来となる通算3回目のPP。
気温21℃、路面温度が42℃。プラクティス2とコンディションはほぼ同じ。開幕2戦の予選での経験を基に、グロジャンは今日のQ3は先頭を切ってコース・イン。1分09秒7636をマークしてトップに立ち、ニューガーデンに一度その座を奪われたが、次のラップで1分09秒4396を出してトップに返り咲いた。
ニューガーデンの次のラップは1分09秒5785で、自己ベストにも届かず、グロジャンの初PPが決まった。最終ラップでもグロジャンは1分09秒6278という好タイムを出していた。
謙虚なグロジャン「マシンもコースも、多くを学ばないとならない」
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「”F1からインディーカーへと転向して行ったら、1レース目から勝てる”と言う人がいる。それは絶対に無理。こっちにはこっちのやり方がある。マシンもコースも、多くを学ばないとならない。インディーカーのトップ・ドライヴァーたちは非常に速い」とグロジャンは語った。「チームメイトのエド(・ジョーンズ)も予選で良い走りをしていた。、自分たちのマシンの仕上がり具合が良かった」。
去年はパロウを、今年はグロジャンをアメリカへと連れて来たデイル・コイン。彼には優秀なドライヴァーを見出だす力と、彼らに賭けるチャレンジ精神がある。
予選3位、2列目インサイドのグリッドはハーヴィーが仕留め、予選4位はパロウのものに。5、6位はマクロクリン、デイリーだった。
テキサスでのダブルへダーでは予選が行われず、スターティング・グリッドはポイント・スタンディング順とされ、ジェネシス300のPPはパロウ、エクスペル375のPPはディクソンに与えられた。それらを除くと、開幕戦バーバー・モータースポーツ・パークがパト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)、第2戦セイント・ピーターズバーグがハータで、今回がグロジャン。ホンダが3戦2PP(テキサスを入れると5戦4PP)となっている。
佐藤琢磨、惜しくもQ2進出ならず
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佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)はQ2進出ならず、予選結果は17位となった。グループ1で走った琢磨はブラック・タイヤでライヴァル勢より1周多く走り、1分10秒9022をマークし、レッドに履き替える前の段階では5番手につけていた。残り時間が少なくなる中でレッドを装着した琢磨は1分10秒0428をマーク。次のラップでは1分09秒8665までラップ・タイムを削ったが、8番手だった。Q2に進むボーダー・ライン、6番手だったパジェノーのベストは1分09秒8061。琢磨とのポジションの差はふたつあったが、タイム差は0.0604秒しかなかった。また、普通は後に走るグループ2の方がタイムは良くなるが、今回はトップ通過のドライヴァーたちを比較してもグループ2の方が遅く、琢磨のベスト・ラップは、もしグループ2で記録されていたら6番手でQ1をクリアできるものとなっていた。
予選後の琢磨に聞いた。
ジャック・アマノ(以下――)Q1、ブラック・タイヤでの走行が長くなっていましたが、どのような戦略だったのですか?
佐藤琢磨:クルマを結構大きく変えて行きました。知らないクルマなので、ちょっとでも長く乗って確認したいことがあったんです。クルマを知る目的でみんなより1周多く走りました。バランスも確認したかったので。今日の場合はブラックで3周、レッドで2周っていうのが一番人気の戦略だったと思うんだけど、僕らは4周/2周で行きました。その代わり、ピットで止まっている時もエンジンはかけっ放し。燃料も継ぎ足しませんでした。そういう意味では、ブラック・タイヤでの走行時にはウェイト・ペナルティを受けながらの走りになってたわけですけど。まぁでもレッドにすべてを賭けるって意味では、全力は尽くしました。
――ブラックで出たタイムは悪いものじゃなかった。
佐藤琢磨:そうですよね。P5でしたからね。1周多く走ったからそうなった……という面もあったかもしれませんが、ちょっとプラクティスまでのクルマが、この状態では例え予選用に調整を加えたとしても、伸びしろの高が知れていたし、悪い方向に行く可能性もあったんだけど、違うセッティングにトライする価値はあるかな、と思いました。なので、結構大幅にセッティングを変えて行きましたね。
――マシンの状況が、その結果良くなったんですね?
佐藤琢磨:良くなりましたね。予選でのタイムはトップからコンマ3秒で、コンマ06秒で次のセグメントに行けてました。相対的に見てトップとの差が縮まっていたのだから、非常に良い方向に行ったんじゃないかな、と思います。ただ、みんながしっかりと合わせ込んできたクルマになっていたのに対して、僕らはいきなりドーンッと変えたものだったので、それこそ、もう1セッションあったら大分違っていたと思うんですよね。いま、こうして走り終わってみると、ここをこうした方が良かったね、みたいなものが幾つか出て来てます。ポテンシャルっていうか、クルマのスピードは速くなったと思います。でも、それを何かこう……活かし切れなかったなっていう感じもありますね。
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――でも、明日に向けては随分と見通しが変わりましたね?
佐藤琢磨:そうそう。そういう意味では、方向性が見えたっていう意味では、明日に向かって暗闇の中をもがいているっていうよりは、ちょっと兆しが見えたっていうのは良かったかな?
――明日はウォーム・アップがまたあります。バーバーもセント・ピートもウォーム・アップでの変更がマシンを良い方向に進めることに繋がっています。
佐藤琢磨:そうですね。明日は長いレースなので、ストラテジー的には、もうみんな3ストップになるんだと思います。2ストップは、イエローが相当長く、しかもタイミング良く入らないとできないでしょう。でも、そういう意味ではタイヤを温存している、レッドの新品を持っている自分たちに優位がありますよね。ウィル・パワーが一番有利かな? 12番手スタートでレッドの新品2セット持ってるから。明日のレースでは彼の後ろに着いて行くっていうパターンがいいかもしれない。
――明日のウォーム・アップでまた少しセッティングをモディファイ……ですね?
佐藤琢磨:はい。ウォーム・アップ、決勝と頑張ります!
以上
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