2021年5月3日月曜日

2021 INDYCARレポート R4 XPEL375 決勝:パト・オーワードが初優勝

インディーカー参戦26戦目での初勝利に喜びを爆発させるオーワード。かつてのチームメイト、ハータに実績では先行されていたが、いよいよオーワードもこの勝利を機に躍進していきそうな気配だ Photo:INDYCAR(Chris Jones) クリックして拡大

  21歳のメキシカンドライバー
第二の故郷ともいえるテキサスでの初勝利


 初優勝おめでとう、パト・オーワード!!
 勝つ日は近い。みんなわかっていた。期待していた。その日がついに来た。
 メキシコのモンテレー出身。11歳まで母国で過ごしてアメリカへ。国境を越えたら、もうそんなに遠くないテキサス州サン・アントニオで学校に通った。現在パトが住んでいるのはチームのあるインディアナポリス。年齢はまだ21歳(今週22歳になる)。 


「テキサスは私の心にとても近い場所。グランドスタンドには多くのメキシコ人が集まっていたので、みんな本当にありがとう」とオーワード。中学と高校をテキサス州サンアントニオで過ごしたオーワードにとって、凱旋勝利となった Photo:INDYCAR(Chris Owens)クリックして拡大

 メキシコ人ドライバーの勝利は2014年のアドリアン・フェルナンデス以来。第二の故郷とも言えるテキサスでキャリア初勝利というのもさすが。強いドライバーは大事なレースで結果を残すものだ。彼の活躍はインディカーのメキシコ戦を引き出す可能性・大。パンデミックが収束したら、カナダだけじゃなく、メキシコにも遠征、することとなりそう。彼の故郷のモンテレイか、首都メキシコ・シティか……。どちらもCART時代にレース開催実績アリ。

ニューガーデンに激しくチャージし続けたオーワード。残り24周でオーヴァーテイクに成功! Photo:INDYCAR(Joe Sklibinski)クリックして拡大

昨日から誰よりも攻め続けて得た勝利
非凡なタイヤマネジメント


 インディカー・デビューから26戦目での勝利。2019年にハーディング・スタインブレナー・レーシングからコルトン・ハータのチームメイトとしてフル・シーズン出場する予定が、実はそんなシートが存在せず、開幕直前に契約から放出された。それでもカーリンから7戦に出場。翌2020年に向けては、アロウ・マクラーレンSPの新チーム体制が組まれ、オーワードをレギュラー・ドライバーとして起用。フルシーズン・エントリー2シーズン目、21歳で初勝利に手を届かせた。

ジョニー・ラザフォードとガッチリ握手するオーワード。今回のオーワードの勝利はマクラーレンにとって、1979年4月22日にジョニー・ラザフォードがアトランタ・モーター・スピードウェイでダブルヘッダーを制して以来のインディーカーでの勝利だ Photo:INDYCAR (Chris Owens)クリックして拡大

 昨日のレース1からファイターぶりを発揮していたオーワード。今日も彼が一番プッシュしていた。次がグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)。ニューガーデン、巧みに封じ込めていたけれど、しつこくアタックし続けたオーワードに軍配は上がった。あそこまで攻め続けてタイヤが大丈夫だったところもさすが。

チーム・ペンスキーは4戦して未勝利
シヴォレー勢にシーズン初優勝を譲る異常事態


Photo:INDYCAR(Chris Owens)クリックして拡大

 ジョセフ・ニューガーデン、悔しい2位。同じシヴォレー・エンジンを使うチームに負けたところもショッキング。ホンダ勢を最後のピット・ストップでうまく出し抜くことには成功したのに。今日のレースは、彼のマシンのメイン・スポンサーになってたXPELがタイトル・スポンサー。「そういうレースで勝っちゃうのか!」と思ったらパトに抜かれた。
 シヴォレーの初優勝が by チーム・ペンスキーとならなかった。
 ペンスキー以外のシヴォレー・チームによる優勝は、2016年のエド・カーペンター・レーシング以来。
 4レースを終えても勝利がないチーム・ペンスキー。それでも、表彰台には結構上がっている印象。
 調べたら、開幕戦バーバー・モータースポーツ・パークでウィル・パワーが2位。
 第2戦セイント・ピートではニューガーデンが2位で、シモン・パジェノーが3位。
 第3戦テキサスではスコット・マクロクリンが3位。
 第4戦テキサスではニューガーデンが2位。
 と、4人のドライヴァー全員が一度以上登壇している。さすが。
 ポイント・ランキングを見ても、ニューガーデンが4番手(トップのディクソンとは37点差)
 パジェノーが6番手(ディクソンと51点差)
 パワーが8番手(ディクソンと54点差)
 マクロクリンが9番手(パワーと同点)と全員トップ10入りしている。


スタートの多重クラッシュ
ブルデイ、連日のもらい事故でリタイア

グリーンフラッグ、コントロールライン手前でのマルチクラッシュで6台がアウトに Photo:INDYCAR(Joe Skibinski)クリックして拡大

 クルーたちがせっかく修理したのに……。昨日、ジョセフ・ニューガーデンに壁送りにされたセバスチャン・ブルデイ(AJ・フォイト・エンタープライゼス)のマシン、今日のローリング・スタートでコントロール・ラインを超える前にピエトロ・フィッティパルディ(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)に後ろからヒットされ、すぐ前のアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)を横向きにして、後続のコナー・デイリー(カーリン)やら、ダルトン・ケレット(AJ・フォイト・エンタープライゼス)、エド・ジョーンズ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)が突っ込んで来る多重クラッシュに発展。6台が即座に姿を消した。このアクシデントにニューガーデンは絡んでいない。
 スタート時のスピードが遅過ぎた? そういう批判もある。しかし、スタートのペースを設定していいのは、ポール・シッターに与えられた権利。加速を開始するエリアは決められているし、もう少し間隔を開けてスタートを行えばよいだけのこと。24台が出ているレースでスタートと同時に6台がガレージ行き。寂しいものがあった。フォイトとコインは出している2台両方が一瞬にしてパァ。
以上

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