テキサスで実に5勝目をあげたディクソン。キャリア通算51回目の勝利だ Photo:INDYCAR(Joe Skibinski) クリックして拡大 |
ディクソン、206周ラップリードの圧勝
19シーズンでの優勝を達成
今年もスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)がシーズン開幕早々に優勝を飾った。毎年最初の勝利を挙げるまではどんなヴェテランでも、何度もチャンピオンになっているドライヴァーでも不安があるだろう。しかし、今年もディクソンはシーズン序盤にして、勝利に対するプレッシャーから解放された(チーム・ペンスキーの4人は未勝利!)。そして、また新たな自信も身につけたことと思う。「今シーズンもまた勝てた」ということで。
レースリーダーとして迎えた2回のリスタートもことごとく成功させて、ディクソンは全く危なげない勝利を挙げる Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大 |
これでディクシーは19のシーズンで勝利を記録したこととなった。AJ・フォイトとトップ・タイだった18年から抜け出し、単独トップに躍り出た。しかし、212周のレースで206周もリードする圧勝とは。スタート後3周で勝つ環境を整えた。そんなワン・ランク上の強さが発揮されたレースだった。
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エアロ・レギュレーションがテキサスにマッチせず
シングルファイルの単調な展開に
オーヴァーテイクの非常に少ないシングル・ファイル・レーシングとなっていたのは事実。それでも、ディクソンはポール・スタートだった後輩チームメイトのアレックス・パロウを抜いてトップに立ったし、バック・マーカーの処理でも奮闘していた。最後には後続との距離をコントロールし、相手をギリギリまで引き寄せて、しかし、ほんの少し先にゴールラインを横切った。
ディクソンの強さが抜きん出ていた。しかし、もうちょっとポジションの入れ変わるバトルも見たかった。オーヴァーテイクがここまで少ないのは、インディーカーの採用しているエアロ・ルールがテキサスのコースにベスト・フィットさせられていないから。改善を求めたい。今年のレースがこうなりそうなのは予測ができていたんだから。
ルーキーのマクロクリン、初オーバルで2位!
一方ニューガーデンはまたもクラッシュの引き金に 開幕戦でマルチクラッシュの原因を作ったニューガーデンは、今回ブルデイに追突し、またもラッシュを誘発。しかし、自分はダメージなく6位でフィニッシュするしぶとさ Photo:INDYCAR (Chris Owens)クリックして拡大
スコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー)、初オーヴァル・レースで2位フィニッシュはお見事! チームの先輩たちは逆に何をしてたのか? 特にタイトル獲得2回のジョセフ・ニューガーデン。猛省を願いたい。
開幕戦でオープニング・ラップに単独スピンをやらかし、後続に甚大な被害を及ぼした彼は、今日の第3戦ではピット・インしようとしていたセバスチャン・ブルデイ(AJ・フォイト・エンタープライゼス)に追突し、スピン&クラッシュを演じさせてしまった。ブルデイの前を走っていたコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)が急減速したからとはいえ、追突はアウト。フォイト御大のチームにのみ甚大な被害の及ぶ事態=大切なクルマ1台が大きく破損=となるとは……。自分の方にはダメージがなく、走り続けちゃうあたりがまたニューガーデンだ。
ブルデイは「怪我がなくて良かった」というハード・ヒット。ギヤボックスから壁に最悪の角度で突っ込んだ。その割に事故後の彼のコメント、マイルドだった。意外。
3戦で2回も大クラッシュを引き起こしてしまったニューガーデン。開幕戦のは自分が0周リタイアとなったが、今回はペナルティで最後尾まで下げられながらもグングン挽回。6位でゴール。こういうところがまたニューガーデンである。
タイヤマネジメントに成功したマクロクリン
明日のレースの走りに注目初のオーバルレースで2位フィニッシュという離れ業を演じたマクロクリン。図らずもニュージーランダーの1-2フィニッシュが実現 Photo:INDYCAR (Chris Owens)クリックして拡大
マクロクリン、まさかオーバルで初表彰台に上るとは!
ロードコースのバーバー・モータースポーツ・パーク、セイント・ピーターズバーグのストリート・コース、どちらもほとんど目立ててなかったのに、テキサスで才能の片鱗を見せた。みんなタイヤの摩耗に苦しんでいたのに、彼は初オーヴァル・レースでいかにタイヤ・マネジメントをしていたのか? 走りを工夫してタイヤへの負担を減らし、しかも高いペースを保つという仕事をやってのけていた。リック・メアーズ*インディーで4勝)の再来か?
シモン・パジェノー先輩は10位、ウィル・パワー大先輩は14位に沈んだというのに、ルーキーが表彰台。明日のレースで彼がどんな走りを見せるか注目だ。
オーワード、今季初表彰台をゲット
そしてパト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)。3位フィニッシュで、こちらも今年初の表彰台。ニューガーデンの出したフルコース・コーションで17番手まで一端下りながら、2回目のピットを早目に行うアンダーカット作戦が大成功。全員がグリーン・ストップを終えたタイミングで彼のポジションは5番手にまでゲインされていた。明日、オーワードはまた初勝利にチャレンジする。
ピットタイミングの不運にみまわれた佐藤琢磨
明日はマシンのレベルアップを狙う
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佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は9位フィニッシュ。12番手スタートで3つポジションを上げてのゴールだから悪い結果ではないが、もっと上位でゴールできていたレースだった。不運だったのは、ブルデイでのアクシデントが彼がピットロードに入ったところで起きたこと。あと1周待っていたら5番手まで浮上していただろうから、展開も違っていた。16番手まで下りながら、9位まで挽回してのゴール。明日はもう一段スピードのレベルアップをして戦いたいところだ。策はすでに琢磨の頭の中にはあるようだが、実際に走って確認していないセッティングもあるようで、どこまで変更し、それらを良い方向へ向かせるかは彼とエンジアリング・スタッフの腕の見せどころだ。
レース1ではアンドレッティ・オートスポート勢が予想されていたより遅く、最上位は”系列”だが、メイヤー・シャンク・レーシングのジャック・ハーヴィーによる7位。アレクサンダー・ロッシが8位で続いた。ライアン・ハンター-レイは16位。ハータはブレーキ・トラブルでリタイア。ジェイムズ・ヒンチクリフはクラッシュでリタイアを喫した。
以上
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