2021年5月23日日曜日

2021 INDYCARレポート 第105回インディアナポリス500 プレゼンテッド・バイ・ゲインブリッジ Day5 予選1:予選1日目の最速はスコット・ディクソン

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ファーストアタッカー、ディクソンがそのままトップに

 昨日のくじ引きで決めたアタック順が1番だったスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が連続4ラップの予選アタックで231.828mphのアヴェレージを記録し、予選初日のトップとなった。
 今日の予選ではファスト9と呼ばれる予選最速9人が決められた。くじ引きでの順番が一巡した後は、夕方5時50分までであれば何度でもアタックを行って良いルール。ファスト9を目指した戦いが繰り広げられた。

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ディクソン、唯一4ラップすべてで231mph台に

 最初のアタッカーとしてディクソンが走った時間帯は、今日の予選時間内で最も涼しかった。気温は26.1℃。路面温度は34.1℃。そのコンディションをアドヴァンテージとして、ディクソンは1ラップ目が232.574mphで、2~4ラップ目は231.762mph、231.612mph、231.368mphだった。今日の予選で4ラップすべてで231mph以上を記録したのはディクソンだけ。結局、一番最初に記録された数字を上回る者がとうとう最後まで現れないという、ディクソンのポール・トゥ・ウィンのような予選となった。

ハ―タ、不利なアタック順30番手ながら2位に!

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 予選2番手はコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)。くじ引きで決まったアタック順が30番手。ルーキーのRC・エナーソン(トップ・ガン・レーシング)がパスしたため、ハータは29番目のアタッカーとしてコースイン。ここまで遅い順番のアタッカーたちは、もう気温も路面温度も上がっていて不利……と言われていたが、ハータとその前後2、3人の走ったタイミングは雲の影響か気温も路面温度も少し下がっていた。それもプラスに働いたのか、ハータは1周目に232.364mphをマーク。

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   しかし、4ラップ目が230.940mphにドロップ。アヴェレージが231.648mphとなった。「もう一度アタックさせてもらえたら、今回よりも速く走れる!」と走行直後に自信満々に語っていたハータは、実際にチャンスを与られたが、暑いコンディションに打ち勝ってスピードをアップさせることはできなかった。

予選3番手にはカナーン!
ホンダ勢が1-2-3を独占


 予選3番手は最年長のトニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング)。231.639mphでずっとディクソンに次ぐ2番手につけており、ガナッシ勢による1-2になっていたのだが、ハータが彼らの間に割って入った。
 ホンダは予選1日目に1、2、3位を独占。昨年ファスト9に入れたシヴォレーはリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)ひとりだけだったが、今年は彼のチーム・オーナー兼チームメイトが奮闘、4番手に食い込みシヴォレー勢のトップとなった。ヴィーケイはそのすぐ後ろの5番手につけ、シヴォレー・エンジン・ユーザーでは彼らのチームだけ、2台がファスト9で戦う権利を得た。
 

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 上記以外のファスト9進出者は、エリオ・カストロネヴェス(メイヤー・シャンク・レーシング)=6番手(231.164mph)、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)=7番手(231.145mph)、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)=8番手(231.139mph)、マーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)=9番手(231.104mph)。
 ガナッシ勢は4人全員がファスト9入り。アンドレッティはハータとハンター-レイの2人と技術提携するメイヤー・シャンク・レーシングから1人(=カストロネヴェス)。

パロウ、2度目のアタックでクラッシュ

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 ただし、パロウは午後3時半過ぎに2回目のアタックを、ポジション・アップと、明日に向けた練習も兼ねて敢行し、計測1、2ラップ目に231mph台を出したが、3周目のターン2でクラッシュ。大事なマシンを壊してしまった。マシンの右側全面でセイファー・ウォールにヒットしたため、モノコックに大きなダメージはなかった模様。ドライヴァーも検査を受けてすぐに走行再開オーケーとされていたが、木曜日までレース・トリムで快調に走っていたマシン、今日の予選で7番手のスピードを出したマシンと完全に同じ状態に戻ることはないかもしれない。インディー500では、プラクティスで絶対にマシンを壊してはいけないのだ。ガナッシの優秀なクルーたちなら、かなりのレヴェルまでマシンを修復する可能性はあるが……。

佐藤琢磨、15位に終わりファスト9進出を逃す

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ファスト9入りを期待されながら、それを叶えられなかったのは、アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)=あと一歩の10番手。彼の4ラップ・アヴェレージは231.046mph。4ラップにかかったタイムで見ると、エリクソンとロッシの間には0.0393秒の差しかなかった。ロッシは2回目のアタックをする意向だったが、並ぶのが遅過ぎて順番が回って来なかった。
 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)も、予選前まではファスト9入りの可能性を強く感じさせていたが、12時50分過ぎに回って来た1回目のアタックでのマシン・セッティングがどんどん暑くなって行っていたコンディションに合っておらず、230.708mphという数字に留まり、午後1時30分過ぎm、パト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)が彼より速いタイムを出したことで”オン・ザ・バブル”の9番手になり、パロウが231mph台になる4ラップを完成させたことで、午後2時6分にファスト9からバンプ・アウトされた。


全員アタック後の再アタックでヴィーケイが5位に浮上

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 午後2時半過ぎ、回って来た順番をパスしていたルーキーのエナーソンが初アタックを行い、エントリーしている35人全員がアタックを1回完了。ここからは午後5時50分まで、時間が許す限り好きなだめアタックをして良いルールで、すぐさまジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)がコース・イン。しかし、1回目のアタックとほとんど差のない記録しか出せなかった。蒸し暑いコンディションでスピードが伸びないのだ。
 それでも、ニューガーデンの次にコース・インしたヴィーケイは、231.438mphをマーク。1回目は不本意な12番手だったが、このアタックで5番手にジャンプ・アップした。彼の場合は、暑さの中でカーペンターが4番手に食い込む好走を見せており、そのデータが活用されていた。エド・カーペンター・レーシングが今年のシヴォレー勢の中では、ペンスキーを凌ぐパフォーマンスを見せている。


佐藤琢磨の2回目アタックも不発に

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 ヴィーケイと、タイヤ・トラブルでスピードの出せなかったジャック・ハーヴィー(メイヤー・シャンク・レーシング)以外は、2回目のアタックを行なっても1回目の自己記録を上回れないパターン。琢磨も3時22分に2回目のアタックに出て行ったが、1回目よりさらに暑いコンディション下でスピードを伸ばし切れず、2ラップを走ったところでアタックを終了し、3回目のアタックに備えるべくガレージへと戻った。
 刻々と時間は進み、夕方になったインディアナポリスだったが、雲が薄くなったのか気温、路面温度ともに上昇し始めた。今日最も暑くなったのは午後4時半頃だった。
 その少し前にハータが2回目のアタックを行ったが、1周目が230mph台と振るわず、自身のタイム更新はできなかった。


パワー、予選初日グリッド獲得できず!

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  今日の話題は、2018年インディー500ウィナーのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が、2回のアタックを行ったにも関わらず30番手以内に入れず、明日の”ラスト・チャンス予選”に出走することになったことだ。ギリギリ30位で決勝出場権を確保したのはダルトン・ケレット(AJ・フォイト・エンタープライゼス)。今日の予選で10番から30番までのグリッドが決定した。
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  今日31番手以降となった人々は、決勝出場を賭けた予選に明日参加しなくてはならない。そのメンバーはパワー、出場ドライヴァーの中で唯一の女性ドライヴァーであるシモーナ・デ・シルベストロ(パレッタ・オートスポート)、チャーリー・キンボール(AJ・フォイト・エンタープライゼス)、セイジ・カラム(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)、ルーキーのエナーソンの5人。全員がシヴォレー・ユーザーだ。

3回目のアタックを目指した琢磨はギリギリ走れず
「明日、ファスト9で戦いたかった。本当に悔しい」

 
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  琢磨は3回目のアタックを行なうべく列に並んだが、その先頭まで来たところでトップ30入りを賭けた面々、パワー、デ・シルベストロ、ケレットらのアタック合戦がヒート・アップ。とうとうアタックのチャンスは巡って来ず、予選結果は15位、5列目外側グリッドからのスタートと決まり、「今日の自分たちは速さが足りていなかった」と話し始め、「明日、ファスト9で戦いたかった。休みなんか要らない。本当に悔しい」と続けた。「15番グリッドというのは決して悪いものではないけれど、素晴らしいというものでもない。去年はフロント・ロウからのスタートだっただけに、今日はフラストレーションの溜まる1日となった。2回目のアタックも行なったが、午後のど真ん中で、コンディションが暑過ぎた。更に3回目のアタックも目指したが、レーン2に並んで、次にアタックするところまで行ったのに、結局走ることはできなかった。もう列の先頭まで行っていたのに走れなかったところも悔しい」と琢磨は話していた。
以上

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