まったく手が付けられないハータの速さ!
セイント・ピーターズバーグのコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)、本当に速かった。最初から最後まで。ミスもほぼなし。速いからプッシュ・トゥ・パスもたくさん残って終盤戦を迎えていた。
ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)も速かった。でも、今回はハータの敵じゃなかった。セント・ピーターズバーグ3連勝を目指すだけあって、彼のレースはさすがの戦いぶりだった。昨年10月のレースでは、8番手スタートから”絶対優勝”って条件で走って、本当に優勝しちゃった男。そういう勝負強さには驚くべきものがあるニューガーデンだけれど、今日はハータひとりだけが、ニューガーデンよりも遥かに速かった。「これはヤバいぞ」って思ったんじゃないだろうか、ニューガーデン。ハータの手のつけられないスピードに。
あとはアンドレッティ・オートスポートが他のタイプのコースでも高いレヴェルのマシンを用意できるか否か。それを作り上げるための中心人物が今やハータなのでは? アレクサンダー・ロッシ、今回も冷静沈着にレースをゴールまで戦うことができていなかった。そういうシーン、増えてきている印象だ。
パジェノー、3位フィニッシュもニューガーデンには対抗できず
3位はシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)。表彰台に上ったところはさすがだが、チームメイトのニューガーデンに対しても対抗手段なし。これは困った状況だ。今日はウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が20番手の後方スタート。それでも8位フィニッシュした通り、彼も速かった。パジェノー以上の速さだったように見えていた。
フロントロウからスタートのハーヴィーは4位
予選で2番手につけたジャック・ハーヴィー(メイヤー・シャンク・レーシング)。キャリア3回目、自己ベスト・タイのスターティング・グリッドから彼は彼自身とチームにとってのインディーカー初勝利を目指した。しかし、ポール・ポジションから逃げたハータに食らい付いて行くスピードはなく、1回目のピット・ストップに入る前にニューガーデンに攻略されてしまった。スタートで履いていたレッド・タイヤを酷使し過ぎてしまった……ということのようだった。さらに、1回目のピット・ストップにハーヴィーより2周遅く入ったパジェノーにも先行を許した。ピットへのイン・アウト・ラップ、そしてピット作業のスピードでチーム・ペンスキーに3番手の座を奪われたということ。ハーヴィーとメイヤー・シャンク・レーシングのインディーカー初勝利には、まだ少しの時間が要りそうだ。ハーヴィーはキャリア2度目の表彰台も逃した。しかし、彼らの前進は着々と進められている。
「悔しい結果だが、シリーズトップのドライヴァーたちと
戦い続けることができた。こういうレースを今後も続けたい」
「キッチリ戦えた。フロント・ロウ・スタートした時には表彰台に上りたい。4位は悔しリザルトだ。それでも、確かな結果だとも言える。特にシーズンのスタート直後に手に入れるものとしては。第2戦で僕らはあと少しでPP、あと少しで表彰台というレースを戦うことができた。この調子で努力を続けて行けば、望む結果が手に入るだろう。今日はシリーズ・トップのドライヴァーたちと戦い続けることができた。こういうレースを今後も続けて戦いたい。そして勝利を掴みたい」とハーヴィーは語った。
レッドでのスティント終盤にブラックを履くニューガーデンにパスされた彼は、最終スティントでニューガーデンがレッド、自分がブラックとなった状況で逆転をしたかった。しかし、ニューガーデンのレース終盤の速さが見事だった上、彼にアタックすることのできなかったパジェノーにもハーヴィーは届かなかった。そのあたりが改善すべき課題か。 パジェノーも最後のスティントはレッドで走っていた。パワーも。彼らはレッドをタレさせないノウハウを持っているのか? イエローが2回出てレッドへの負担が減り、ブラックのアドヴァンテージが小さくなっていた……ということもあったんだろうが。
ディクソンは5位。開幕から2戦続けて表彰台に上った者はおらず、たった2戦で連続トップ5フィニッシュをしたのがディクソンだけとなった。
コース上で6台をオーヴァ―テイク!
素晴らしかった佐藤琢磨の力走
今日は佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)の戦いも素晴らしかった。セント・ピーターズバーグのコースではオーヴァーテイクが可能……とは言われるものの、コース上で6台をパス。1回はメイン・ストレートで1台、ターン1の侵入で1台と、一挙2台抜きも見せていた。観客がどよめいていた。
レース後の琢磨のコメントは以下とおり。
「6位でフィニッシュできました。僕たちは素晴らしいレースを戦ったと思います。チームは正しい戦略とタイヤを選択していました。最初はブラック・タイヤ、続いてレッド・タイヤ、最後にブラック・タイヤを装着しましたが、これは僕たちのマシンにとって正しい戦略でした。チームとマシンに備わっていた実力の全てを出し切る戦いができていました。マシンのバランスにも不満はありませんでした。ボディワークに軽いダメージがあって、この部分が少しばたついていたので、ダウンフォースをいくぶん失い、ドラッグも少し増えていたと思います。それにしてもディクソンは速く、私はハードにプッシュし続けました。全般的に見て、予選後にチームが素晴らしい仕事をしてくれました。カー・ナンバー30のチームは今回も信じられないような働きぶりを見せてくれました。テキサスのレースが楽しみです」
以上
天野さん、おつかれさまです。
返信削除ひとつ、気になったのがスコット・マクロクリンのストラテジストはジョン・ボンサログですか?
テレビに、少しだけ映っていたのでジョンならすごくうれしかったです!