セイント・ピーターズバーグの最初のセッションでは、昨年優勝のニューガーデンがトップタイム Photo:INDYCAR(Joe Skibinski)クリックして拡大 |
2年ぶりに本来の春先のスケジュールに
昨シーズン、開幕戦のはずが最終戦としてほぼ8ヶ月遅れで開催されたファイアストン・グランプリ・オヴ・セイント・ピーターズバーグは、今年も開幕戦のはずがそのとおりに開催されず(もちろんCOVIDの影響で)第2戦として今日始まった。開催日程は3月初旬から4月中旬過ぎに変わっている。
温暖なフロリダ州でのレースは、10月開催でも悪くはなかった。しかし、フロリダならではの強い日差しを浴びながらのレースは、シーズン開幕に近いレースとして開催された方が相応しい。長い冬の間に待ち望んだ開幕にこそピッタリ来る。
陽光の中、ファンと交流するハータ。もちろんドライバーはフェイスガード着用 Photo:INDYCAR(Chris Owens) |
ワクチン接種も進んで、1日当たり
最大2万人上限の観客動員で開催
COVID−19の感染が収束の方向にあることで、1日あたり20,000人のサーキット入りが地元自治体によって許された。パドックで働くクルーたちや、メディアなどを含まない、ファンだけの動員数が1日最大20,000人だ。開幕戦アラバマでは1日当たり20,000人の中にクルーやドライヴァーたち、そしてメディアが含まれていたが、今回はさらに条件が緩和されている。
金曜日だというのに、セイント・ピーターズバーグのストリート・コースにはとても多くのファンが足を運んでいた。そのうちの多数のファンがマスク着用義務を軽く無視しているのは、それだけワクチンの普及率が高いということだ。「もうかかる心配はない」ぐらいの意識でいるのだ、ワクチン接種を終えているアメリカ人たちは。
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開幕戦0周リタイアのニューガーデン
得意のコースで挽回に向け好発進
今年のレースは3デイ・イヴェントで、金曜日にインディーカーのプラクティスが1回スケジュールされた。45分間のセッションは夕方の開催にも関わらず気温が28℃にも上がり、路面温度は47度にも達した。
このセッションで最速ラップを記録したのは、開幕戦で0周リタイアを喫したジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)だった。彼は昨年10月のこのレースで大逆転の優勝を記録している。開幕戦は最悪の結果となったが、第2戦でバウンス・バックすることを目指し、好スタートを切った。
ニューガーデンはシリーズ・チャンピオンに二度輝いているドライヴァー。今日のプラクティスでは1分00秒8029のベストをマークした。バーバー・モータースポーツ・パークでの彼はスタート直後に多重アクシデントの原因となる単独スピンを冒した。24台のレギュラーがいるシーズンで、開幕戦を終えてのランキングは23番手。タイトルは遠ざかった……と見る向きもあるがニューガーデンは、「まだシーズンは始まったばかり。もちろん、開幕戦で稼げたポイントは少なく、自分たちの期待、想定とはかけ離れたものになった。今週末はしっかりと力強い戦いをしたい。開幕戦では多くのドライヴァーたちに迷惑をかけてもしまった」とニューガーデンは話した。「今日のセイント・ピートは路面に高いグリップ力があったと思う。明日は今日以上に厳しい戦いになるかもしれない。ほんの小さなミスさえ許されない。ミスをしたらポジションは一挙に下がるだろう」。
2番手にはパワーでペンスキー1-2
ハータ、ロッシのAA勢が3、4番手に
開幕戦を2位で終えたパワーはセイント・ピーターズバーグでも順調な走り出しを見せる Photo:INDYCAR(Chris Jones)クリックして拡大
2番手につけたのはニューガーデンの先輩チームメイト。2014年チャンピオンのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だった。彼のベスト・ラップは1分00秒8102で、ニューガーデンとの差は.0073秒。そして、3番手はコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)1分00秒8348だった。
ストリート・レースの最初のプラクティスでは、シヴォレー・ユーザー、チーム・ペンスキーの二人が1−2。3番手にホンダ・エンジンを使うハータがつけた。4番手はハータのチームメイトのアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)による1分00秒8653だった。Photo:INDYCAR(Chris Jones)クリックして拡大
ペンスキーが1−2、アンドレッティが3−4というのが今日の結果。トップ5のファイナル・スポットはペンスキーのシモン・パジェノーが掴んだ。タイムは1分00秒8992。今回の彼はキャラクターに合わない派手々々さ、まっ金々のマシンを操っている。日焼けケア商品のブランド=オーストレイリアン・ゴールドがスポンサーについている。カー・ナンバー22のクルーたちは、もみあげが似合いそうなゴールド・フレームのサングラスをかけている。
開幕戦ウィナーのパロウ、20番手!
ディクソンは6番手につけるが、パロウはスロースタート Photo:INDYCAR(Chris Jones)クリックして拡大 |
トップ5はペンスキー3人、アンドレッティ2人が分け合った。そして、この5人は0.0963秒の間に収まっていた。意外だったのは、開幕戦ウィナーのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)が20番手という後方に沈んだこと。第1戦で勝ったドライヴァーが次のレースでは後方のポジションで喘いでいるところに、インディカーのコンペティション激しさ、安定した速さを見せ続けることの難しさが見事に現れていた。ガナッシ軍団のトップはスコット・ディクソンによる6番手。ラップ・タイムは1分00秒9152で、トップだったニューガーデンとの差は0.123秒だった。
7番手以下にはフェリックス・ローセンクヴィスト(アロウ・マクラーレンSP)、スコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー)、パト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)、グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が続いた。
佐藤琢磨、最初のセッションは18番手
「ポジションは悪いがマシンは去年よりいい」
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セイント・ピーターズバーグ在住、このレースで2017年に優勝しているセバスチャン・ブルデイ(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は14番手だった。このコースでPP獲得歴もある佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が18番手。琢磨とトップの差は0.6572秒だった。
「今日のマシンはあまり良くなかった。昨年の最終戦で使ったセッティングに手を加えてあったが、ライヴァルたちのマシンも良くなっているので、良いタイムを出せなかった。45分間ではやれることも限られる。金曜に1回プラクティスを行い、一晩そのデータを研究できるのはプラスだけれど、走行時間が少ないのは事実。もちろん皆が同じ状況なのだけれど。今日のデータを解析し、明日のマシンをどうするか検討ができる。それは自分たちにとってはプラス。グレアム・レイホールが10番手につけるタイムを出してもいた。彼は僕とは違ったプログラムをこなしていた。ポジションは悪かったけれど、マシンには去年より良くなっていると感じられた部分があったので、明日はもっと頑張れるはず」と琢磨は話していた。
グロジャン、ロードコースに苦戦し19位
ジョンソン、タイム伸びず大差の最下位
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開幕戦で予選7位に食い込んで見せた元F1ドライヴァーのロマイン・グロジャン(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)は19番手とバンピーなストリート・コースでの初日は苦戦を強いられていた。
セイント・ピーターズバーグのストリートコースに手を焼くジョンソン。表情も曇りがちにPhoto:INDYCAR(Chris Jones)クリックして拡大
NASCAR最高峰シリーズで7回チャンピオンとなったジミー・ジョンソン(チップ・ガナッシ・レーシング)は、初のストリート・レースで苦戦。最下位24番手のスタートになった。しかも、セッション・トップだったドライヴァーとのラップ・タイム差はロードコースのバーバー・モータースポーツ・パークで行われた開幕戦でのプラクティス1回目より明確に大きい2秒3288もあった。
明日、土曜日はプラクティスと予選が行われる。
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