チップ・ガナッシ移籍初戦で堂々の優勝! Photo:INDYCAR(Joe Skibinski)クリックして拡大
パロウ、最後まで危なげない走りで初優勝
アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)のキャリア初優勝は、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)の猛チャージを振り切ってのものと見えた。記録的にもそういうことになる。マージン・オヴ・ヴィクトリーが0.4016秒という小ささだったからだ。
パロウは3ストップ作戦を破綻なく実行。ライバルに付け入るスキを与えない走りだった Photo:INDYCAR(Joe Skibinski)クリックして拡大
しかし実際には、リードラップの最後尾を走っていたコナー・デイリー(エド・カーペンター・レーシング)がパロウの前に現れたため、ブッチギリの優勝を飾るはずが、僅差でのゴールに変わった。相手の戦闘意欲を欠くほど大きく2番手以下を突き放していたパロウだったが、その差はレース終盤にどんどんと縮まって行った。燃費をセーブする走りを続けていたこともあってデイリーを抜きあぐねた。それでパワーに接近のチャンスが与えられた。しかし、本当のチャンスになるところまでは行かなかった。パワーがパロウに並びかけるようなアタックを仕掛けるシーンはとうとう最後まで見られなかった。
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バックマーカーをパスできない苛立ちと、そのせいで接近を果たした強豪の存在によって、パロウはそれなりに大きなプレッシャーを感じていたことだろう。しかし、そこでミスを冒さなかった。ここにパロウの強さがある。天性のスピードだけでなく、レース中に冷静さを保つ能力を備え、タイヤをどうマネジメントするかを含め、24歳という年齢に似合わない落ち着き払った戦いぶりが彼には可能だった。そして今回、彼は燃費セーブでもトップ・レヴェルの能力を持っていることを世間に知らしめた。
ポールポジションのオーワード、3ストップ作戦チョイスで敗れる
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ニューガーデンのスピンからマルチクラッシュが発生。ハータ、ローゼンクヴィスト、ヴィーケイ、ハンター‐レイらが巻き込まれる Photo:INDYCAR(Joe Skibinski)クリックして拡大
パロウとオーワード。そして、今回は1周目のアクシデントに巻きまれてしまったコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)。この3人は今後長いことインディーカーシリーズで中心をなすドライバーとなりそうだ。
ディクソン、3位フィニッシュでチップ・ガナッシが1,3位
スコット・ディクソンは現在40歳。開幕戦で3位でフィニッシュした彼は、7回目のタイトルに向けて好スタートを切ったと言える。それが成し遂げられたら素晴らしいが、同時に、彼が一体いつまで現役を続けるのか?
という疑問も浮かぶ。”もうリタイヤして欲しい”などとはまったく思っていないが。
ディクソンが引退を決意した時、チップ・ガナッシ・レーシングでエースの座を受け継ぐのは誰になるのか?
伸長するマクラーレンチームの今シーズンに注目
フェリックス・ローゼンクヴィストはその候補と目されていた。2019年に彼がガナッシからインディカーにデビューさせてもらえたのは、高い才能を認められてのことだった。デビュー年には勝てなかったが、2シーズン目の2020年には第4戦で初勝利を挙げた。ところが、その年限りで彼はガナッシを離脱することになった。チーム・ペンスキーと肩を並べる強豪を蹴って移籍する先はアロウ・マクラーレンSP。ジョイント・ナンバー・ワンという待遇を気に入ってのことらしかった。
彼の読みは正しく、急速に力を伸ばしているアロウ・マクラーレンSPは2021年シーズンにインディカーシリーズのトップ・コンテンダーになろうとしている。開幕戦でポール・ポジションを獲得し、レースでは優勝争いの一員として25周のリード・ラップを記録。オーワード、そしてアロウ・マクラーレンSPとなった新体制が勝利を手にする日はそう遠くなさそうだ。
驚異的パフォーマンスで開幕戦のウィナーとなったパロウ。彼はディクソン以降のガナッシを担うドライヴァーとなるテストの第一段階をクリアした。
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