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今シーズン、常設ロードコースはすべて2デイ化に
昨シーズンは多くのロードレースがダブルヘッダー化されたため、スケジュールがかなり変則的になっていた。それが、今シーズンは常設ロードコースでのイヴェントをすべて2デイで開催する新方針をインディーカーが採用。その最初のレースとなったバーバー・モータースポーツ・パークでのホンダ・グラン・プリ・オヴ・アラバマ・プレゼンテッド・バイ・アムファーストでは、土曜日に45分間のプラクティス2回と予選、日曜日に30分間のウォーム・アップとレースというスケジュールとされた。これと同スケジュールがロードコース・イヴェントでは踏襲される……ということらしい。ストリート・イヴェントは3デイ開催とされ、金曜の午後にプラクティス1回目、土曜日はプラクティス2回目と予選、そして、日曜にウォーム・アップというスケジュールになる予定。ただし、何事にもフレキシブルなのがアメリカンなので、今後のすべてのロードコースでのレースがバーバーと同じ、全てのストリート・レースが上記のスケジュールで開催されると決まっているわけではない。
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レイホール、ブラックタイヤで自己ベストを更新
快晴、気温17℃、路面温度34℃で始まったプラクティスはやや風があって肌寒いコンディションだった。アメリカ人はもちろん半袖で、ショーツの人多数。女性はノースリーヴの人も。セッション終了時には気温が18℃、路面37℃となっていた。
このセッションでの最速ラップとなる1分06秒7319をマークしたのはグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)。昨日の予選はウォーム・アップより温度の高いコンディションだったとはいえ、レッド・タイヤ装着でもベストが1分06秒8489で18位だった彼が、今朝はブラック・タイヤで自己ベストを上回った。セッション半ば過ぎ、フレッシュ・ブラックでピットを出た彼は連続周回の6周目でベストを出した。
佐藤琢磨は19周を走行して19番手タイム
レイホール二世のチームメイト、佐藤琢磨は21周を走行。二人とも使用タイヤはブラックのみで、琢磨のベストは18周目の1分07秒5286で、順位は19番手と予選順位と同じだった。今週末の彼は20番手、20番手、予選19位と来て、今回も19番手。それでも、マシンのパフォーマンスは上向きつつあるようで、チームメイトの好タイム記録は状況好転へのきっかけとなるかもしれない。
走行を終えた琢磨はピットで今年からコンビを組んでいるエンジニアのマット・グリースリーと長時間のブリーフィングを行なっていた。「ブラック・タイヤだけで走りました。レッドが良いならレースで使いたいな……と思っていましたが、レッドを履いたロッシをずっと追いかけていた感じでは、結構苦労していましたね。レッドはダメかもしれない。でも、レース後半によくあることだけど、コースにラバーが乗ってレッドが有利になるっていう可能性はあります。エンジニアと今、フレッシュ・レッドでスタートしたらどうかな? という話をしていました」と琢磨はコメントした。
「今トライしたセッティングは、昨日のものからまぁまぁ変えたもの。データをもう一度見直して、もしかしたらこのセッションで最速だったグレアム・レイホールのセッティングの一部を切り取って、こちらのセッティングとくっつける……というこになるかもしれません。走っての感じは良くなっていましたが、結局ポジションは昨日と同じ19番手でした。マシンの状況は上向いているのかな? 早めに最初のピット・ストップをして、前に誰もいないコースで好ラップを続けて、イエローが良いタイミングで入って順位が上がって行けば……となったらいいですね」とも琢磨は話した。2019年にポール・トゥ・ウィンを飾った彼だが、今回は19番グリッドからのスタート。作戦をフルに絡めての上位進出を目指す。
グロジャン、2番手タイムをマーク
2番手タイムはロマイン・グロジャン(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・リック・ウェア・レーシング*)が記録した。デビュー戦だが予選で7位に食い込み、ウォーム・アップは更に良い2番手。レースでの活躍に期待がかかる。こちらはレッド・タイヤでのタイム=1分06秒8616がベストだった。3番手はセバスチャン・ブルデイ(AJ・フォイト・エンタープライゼス)の1分06秒8642で、同じくレッド・タイヤで記録された。Photo:INDYCAR(Chris Owens)クリックして拡大
4番手は予選3位のアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)=1分06秒8654、5番手はコナー・デイリー(エド・カーペンター・レーシング)の1分06秒9186。この二人のベストはブラックでのものだった。昨日のレポートで言及しなかったが、デイリーの健闘ぶりは評価に値する。予選10位、ウォーム・アップで6番手ならレースでも好いパフォーマンスが期待できそうだ。昨日まったく目立たなかった昨年度ルーキー・オヴ・ザ・イヤー、リナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)も今朝は8番手のタイム=1分06秒9632をレッドでマークしている。14番手グリッドからどこまでポジション・アップがなるか。
6番手はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)の1分06秒9209。7番手はコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)の1分06秒9371だった。この二人のベストはレッド装着でだった。
9番手はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)。2013、2014年のバーバー・ウィナーは1分06秒9635をレッドで記録した。
ロングランに取り組んだオーワード
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昨日ポール・ポジションを獲得したパト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)は10番手。タイムは1分06秒9904。ポジションが上位でなかったのは、彼がエントリー中で最多となる21周ものロング・ランをこのセッションで行なっていたから。チームメイトのフェリックス・ローゼンクヴィストも20周のロング・ランをこなしていた。ブラックの使い方が鍵になると見たのか、二人ともブラックでの走行に終始していた。
彼らと同じくロング・ランを行なっていたのが、2015、2017、2018年とバーバーで最多となる3勝を挙げているジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)。彼が18ラップのロング・ランの中で記録したセッション自己ベストは1分07秒0106で、11番手にランクされるものだった。
予選2位だったアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)は18周をこなしたが、ベストは1分07秒0883で12番手。予選4位だったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)もベストは1分07秒3940で16番手だった。ロッシもパワーもベストはレッドで出した。
明日のレースはタイヤの使い方がカギPhoto:INDYCAR(Karl Zemlin)クリックして拡大
ブラックとレッド、二種類あるタイヤをどう使うかが今日のレースでは結果に大きな影響を与えるはずだ。投入する順番と組み合わせ、各スティントの長さはチーム毎に自由度を持って選べる。敢えてライヴァルたちがブラックを使うタイミングでレッドを装着し、その差を活かしてポジションを上げる……ということを狙うチームも出て来るだろう。各スティントの長さ=ピット・タイミングも大きな意味がある。フル・コース・コーションが出るのか、出ないのか。そして、そのタイミングいつなのか、は誰にも予測できない。そして、それらが出た場合、直前にピットして幸運に恵まれるケースや、スティントを引っ張っていたためにトラック・ポジションが後方に下がってしまう……という事態も起こり得る。
予選とほぼ同じコンディション、つまりはそこそこ暑くなりそうな今日の午後のレースは、どんな展開になり、どのような結末が待っているのか……。
* 昨日、グロジャンのチーム名、リック・ウェア・レーシングという部分が抜け落ちていました。デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン同様にチーム名が長いんですが、こちらが正しい表記ですので、今回から訂正させて頂きました。昨日誤表記をしていたこと、お詫びします。アンドレッティ・オートスポート軍団にも長いチーム名があります)
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