ニューガーデン、2日間トータルでのトップタイムをマーク
テストでのラップタイム(スピード)比較は難しい。ロードコースでならプッシュ・トゥ・パスを使ってタイムを縮められるケースがあるし、オーヴァルだったらトウをどれだけ受けたか、その恩恵の大小でスピードは大きく変わって来る。しかし、遅いより速い方が良いのは確か。今回インディアナポリス・モーター・スピードウェイで2日間行われたオープン・テストで最速となる226.819mphを出したのはジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)だった。今年のインディー500での彼の活躍が約束された……とまでは行かないが、好パフォーマンスを見せるであろう可能性は高いと見ていいんじゃないだろうか。
シリーズチャンピオン2回獲得も、インディー500未勝利
待望のインディー500勝利を期するニューガーデン
現在30歳のニューガーデンはシリーズ・タイトルを二度制している。しかし、インディー500では未勝利。先輩チームメイトのウィル・パワーとシモン・パジェノーに、「オマエはまだ勝てていない」といじられている。彼ら二人のタイトル獲得はニューガーデンより少ない1回ずつなのだが……。去年、インディーでペンスキー勢は大いに苦戦。予選が悪かった時点で戦闘意欲を失ったかのように見えたドライバーもいたが、ニューガーデンはレースを5位でフィニッシュした。インディーでの優勝経験を持つチームメイト3人はトップ10圏外。ニューガーデンはそれだけ真摯に、粘り強く、そしてしつこくレースを戦っていたということだ。得られたものは多かったはずで、今年の5月、彼は夢に手を届かせることができるかもしれない。
2番手タイムにもマシンの状態に満足できない佐藤琢磨
しかし、レイホールがノー・トウのトップとチームは好調
2番手は佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)。スピードは226.369mph。セッション終了間際のハイスピード記録には、「さすが琢磨!」と唸る向きもあったが、本人は「前との間隔を測って、狙って出したスピード」と種明かし。「最後の30分間を走ったマシンもバランスは全然良くなかった。新しいタイヤをつけて走っただけ、という感じ」とも語った。
1日目が雨で、2日目はトラブルx2。最後の30分間にコースに戻れていなかったら、彼の周回数は40周にも届かなかった。最終的に琢磨の周回数は73周になって他との差は小さくなっているが、内容的に納得の行かないテストとなってしまった。
それでも幸いなことに、琢磨のチームメイトのグレアム・レイホールは5番手のスピードを出し、”ノー・トウ”のトップでもあった。トウを受けずに221.949mph。これは非常に良い数字。トップ5に2人を食い込ませた唯一のチームがレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングともなった。
ノー・トウではややホンダ優位か?
ノー・トウ2番手はスコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー)の221.153mph、3番手はアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)の220.889mphだった。
3番手はファン・パブロ・モントーヤ(アロウ・マクラーレンSP)。4番手はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)、5番手はレイホールだったから、トップ5はシヴォレーーホンダーシヴォレーーホンダーホンダの順。トップがシヴォレーだが、人数はホンダ勢が1人多かった。ノー・トウの順位はレイホールーマクロクリンーロッシーライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)ーパワー。こちらはホンダがトップだった上に5人のうちの3人を占めていた。優位にあるのはホンダか?
トップタイムはシヴォレーが出したのに?
エンジンのパフォーマンス比較もまた難しい。燃料のミクスチャーは最大パワーにして良いこととするか、少しレヴェルを抑えておくか、ホンダとシヴォレー、どちらかの陣営、あるいは両方ともがチームに指示を出していた可能性も考えられる。まだインディー本番までは時間がある。実力は隠しておく……という戦術は有り得る。
アンドレッティ勢は2日目はタイム伸ばせず
チップ・ガナッシもディクソン以外は不発
突出したチームはなかった。トップはチーム・ペンスキーのドライヴァーだったが、他の3人はパワーが7番手、シモン・パジェノーが11番手、マクロクリンは18番手。提携チーム=パレッタ・オートスポートで走るシモーナ・デ・シルヴェストロは21番手だった。
アンドレッティ軍団は目立てていなかった。技術提携チーム=メイヤー・シャンク・レーシングのジャック・ハーヴィーとエリオ・カストロネヴェスが8番手、10番手と奮闘する中、本家はハンター-レイによる12番手が最上位。コルトン・ハータは13番手でアレクサンダー・ロッシは19番手。ジェイムズ・ヒンチクリフは22番手で、マルコ・アンドレッティは去年のポールポジション獲得者なのに25番手だった。
チップ・ガナッシ・レーシングも4番手だったディクソン以外は良くなかった。新加入のアレックス・パロウが15番手。トニー・カナーンは23番手。マーカス・エリクソンの28番手という低迷ぶりは気になる。
今回のテストで期待を抱かせるパフォーマンスを見せたのは、今年の開幕前テストで速さをアピールして来ているオーワード。デイリーもおもしろい存在ではないだろうか。
次のIMSでのプラクティスは、インディー500の予選の前の火曜日だ。
以上
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