2021年3月31日水曜日

2021 INDYCARレポート 3月31日:3月のニュース その2

コペンハーゲンカラーを彷彿とさせる精悍なブラックのカラースキームにイメージチェンジ Photo:AJ Foyt Enterprises クリックして拡大

 AJ・フォイト・エンタープライゼスに新スポンサー

 長年スポンサーを務めていたABCはチームを離れましたが、AJ・フォイト・エンタープライゼス、新スポンサー獲得がなりました。資金持ち込みのカナディアン・ルーキー=ダルトン・ケレットは、予想されていたより高いパフォーマンスを発揮してるんじゃないでしょうか? エースにセバスチャン・ブルデイを起用、マシンはキッチリ仕上がっているので、経験の少ないドライヴァーでも走り易い状況が作って貰えてるんだと思います。
 カー・ナンバー14のメイン・スポンサーになるのは、ROCKiT。グローバル・マーケティング・パートナーの会社。ちょっと業種がハッキリしないんですけど、ちゃんとスポンサー料を払ってくれればノー・プロブレムです。真っ黒なマシンに白くてどデカいロゴ、というデザインもかなり良いです。

セイント・ピーターズバーグのコース設営始まる

 開幕戦のはずが第2戦に。そのおかげでセイント・ピーターズバーグ市から”観客を入れてオーケイ”という許可が出たのだから、待ったかいがあったってものです。
 一般道、空港の滑走路、公園内の道路……を利用した、タンパ湾沿いのストリート・コースでは、今週の月曜からレーシング・コースの設営が始められます。
 セイント・ピーターズバーグのコース全長は1.8マイル。コンクリート・ブロックとチェーン・リンク・フェンスを使い、安全なコースを作り上げるわけですが、それには1ヶ月弱という非常に長い時間と、多くの労働力が必要とされるわけです。

インディー500にプッシュ・トゥ・パス導入??

 インディカーの技術部門で働く面々は、「レースをいかにおもしろくするか?」を常に考えていて、いろんなアイディアが科学的に検討されています。エンジンのパワーはターボのブースト圧で調整されて来ていて、昨年は予選でのブーストがさらに上げられていましたよね。空力面もマシンのエアロ・パッケージで新たなトライを行っており、まずまずの成果が上げられています。あまり“コントロール”をって言葉は使いたくないですが、バトルの演出をうまくやって来ていると評価をしてよいのではないでしょうか。マシンのパフォーマンスを高めつつ、ドライヴァーのスキルを求めるものとしたまま、エントラントの実力を見事に拮抗させているんですから。
 今回インディーカーが俎上に載せたのは、インディー500での“プッシュ・トゥ・パス(P2P)”導入です。ウィル・パワーの優勝した2018年のインディーはオーヴァーテイクが少ないレースになっていましたが、その前の2017年(佐藤琢磨が優勝)、翌年の2019年(シモン・パジェノーが優勝)、そして昨年ー2020年(佐藤琢磨が2勝目)は、トップ争いでもコース上での順位変動があるほどオーヴァーテイクはちゃんと行われていました。インディーカーのエアロ・コントロールはほぼ狙いにうまく行っていたと考えていいと思います。しかし、さらに上を見ているのが彼らで、“もっとオーヴァーテイクを増やしたい”と、“では、P2Pを使えるようにしたらどうか?”となったわけですね。P2P、昨年まででも使えたのはロードコース&ストリートコースだけ。オーヴァルでは使用許可の出たことがないのに、いきなりスーパースピードウェイのインディーで使えるようにしたら? と考えたってわけで、先日テストが行われました。
 いかにもアメリカンな大胆アイディアですが、2023年に新エンジン・ルールになる際にでも、P2Pはインディー500で採用されないこととなりそうです。ドライヴァーの間でも”P2Pは不要”との見解が多数派のようですし。
 インディーにP2Pは似合わないでしょう。どう思われますか?
以上

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