2021年3月19日金曜日

2021 INDYCARレポート 3月18日:シーズン開幕まで1ヶ月、インディー500決勝まで75日を切りました

開幕戦を含むシーズン全5戦で琢磨車のメインスポンサーとなることになったシールド・クレンザーズ。カラースキームは御覧の赤/白ベースに クリックして拡大

  いよいよ2021年NTTインディーカー・シリーズ開幕まで1ヶ月となりました。そして、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)の2連覇=3勝目がなるか注目されるインディアナポリス500マイルの決勝日まで75日を切りました。どうやら今年のインディー500ははマンス・オヴ・メイに開催されることとなりそうです。では、今月の話題を幾つか……。

開幕戦じゃなくなったセイント・ピーターズバーグに観客動員許可

 4月23~25日のファイアストン・グラン・プリ・オヴ・セイント・ピーターズバーグに対して、フロリダ州のセイント・ピーターズバーグ市が観客を入れてのイヴェント開催に許可を出しました。市街地、公園、空港を利用したサーキットに1日あたり最大20,000人が入場されることとなりました。
 もちろん、イヴェント会場ではエントラントからファンまで、全員がサーキット入場時の検温を義務付けられ、マスクの常時着用や約1.8メートルのソーシャル・ディスタンシング保持が求められます。会場内には多くの洗面所や手の消毒ステーションが設置されるということです。
 プロモーター、そしてシリーズ主催者であるインディーカーの狙い通り、3月の時点で出ていなかった観客を入れる許可が、スケジュール変更を行ったことで下りました。無事にイヴェントが行われ、レースもエキサイティングなものになることが期待されます。

佐藤琢磨に新スポンサー

 第105回インディー500用の新カラーリングを先月発表したレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのカー・ナンバー30=佐藤琢磨のマシンですが、続いてシーズンの他のレースでマシンを彩る新しいスポンサーが発表されました。ディジタル・アリー社のハンド・サニタイザーや検温スタンドなどのブランド=シールド・クレンザーズが、5戦で琢磨のマシンのメイン・スポンサーになります。
 その5レースとは、開幕戦のホンダ・グラン・プリ・オヴ・アラバマ(バーバー・モータースポーツ・パーク)、第2戦ファイアストン・グラン・プリ・オヴ・セイント・ピーターズバーグ、GMRグラン・プリ(インディアナポリス・モーター・スピードウェイ/ロードコース)、新イヴェントのミュージック・シティ・グラン・プリ(ケンタッキー州ナッシュヴィルの市街地コース)、
そして、最終戦のアキュラ・グラン・プリ・オヴ・ロング・ビーチです。
 DA社とRLLの契約は複数年と発表されてました。となると、琢磨のRLL在籍、つまりはインディーカー・シリーズ参戦が2022年以降も続いて行くってことかな??
と期待をしてしまいます。


第3、4戦開催のテキサス州は解放一直線

 テキサス州の知事は3月3日、「ビジネスはもう100パーセント・オープンにします!」と宣言=ツイッターで(はぁ……ため息)。彼は、「マスク着用義務も無しとしました」と発表しました。「急な解放はしないように」とバイデン政権が警告をしているにも関わらず……。ポコノ・レースウェイ(インディーカーのレースは開催しなくなっちゃいましたが……)のあるペンシルヴェニア州は、「4月1日以降、屋外でのイヴェントはキャパシティの50パーセントの規模でなら開催オーケイ」と知事が発表してます。対照的ですね。
 インディーカーが今シーズンに行うテキサス州でのレースは、5月1、2日決勝のダブルヘダー(@テキサス・モーター・スピードウェイ)。まだ結構先なので、その前にテキサス州のコロナ旋風が沈静化していてくれることを祈るばかりです。
 アメリカではワクチン接種がかなりのスピードで進んでってますから、そうなる可能性はアリます。まだ医療従事者にも行き渡っていない我らが日本に比べると、羨ましい限りです。パンデミックを無視した政策のせいで53万人以上が亡くなってますが……。
 インディアナポリス・モーター・スピードウェイを利用してのワクチン接種も行なわれました。地元住民にサーキットが貢献したということです。

ロードレースはすべて2デイ・イヴェントに

 出場チームの経費(宿泊費)節減、エントラント、オフィシャルなど同志の接触時間の短縮を目的に、インディーカー・シリーズでは2021年シーズンのロードコース・イヴェントをすべて2デイで開催することと決定しました。
 デトロイトはダブルへダーなのに2デイ・イヴェントに! 走行時間がまた一段と少なくされるこの決定……いかがなものでしょう??
 救いはストリート・レースが3デイ・イヴェントのまま保たれるところです。とりあえず、2021年については……という但し書きがつくのかもしれませんが。
 ストリートの話としては、カナダでの唯一のイヴェント=トロントでのレースが開催されるのか? 現時点では不透明です。アメリカとの国境解放もいまだにされておらず、いつから行き来が可能になるのかの見通しも立っていません。その上、トロント市が今年に入ってから発表したのは、屋外でのビッグ・イヴェント開催は6月末まで禁止、というもの。レースは7月なのでゴー・サインが出される可能性はあるんですが、パンデミックになって以来、ずっとカナダは超の字がつく慎重派で来てますからね、感染者数が増える、ワクチンの接種が進まない、といった状況ならイヴェント開催には許可が出ないかもしれません。
 イヴェント日程の縮小はロードレースに限りません。驚いたのは、テキサスとゲイトウェイの2021年のスケジュール。テキサスはダブルへダーで2レースを行うのというに2デイでの開催! ゲイトウェイも同様で、インディーカーの走行はプラクティスから決勝までを1日で行うというんです。

 近年のインディーカー・シリーズでは、参戦経費節減を目的にテストを制限し、週末の走行時間もどんどん削って来ています。スペック・シャシーになって、多少のルール変更があるにせよ、ほぼ同じマシンでの戦いが何年も続くのだから……という事情を考慮に入れても、近頃の走行時間の少なさ、減らし具合は行き過ぎではないでしょうか。
 金曜にプラクティス、土曜日に予選、日曜にレースというパターンが理想と思うんですけどねぇ。プラクティスで走り込み、予選を戦って、得られたデータを再検討して決勝に臨む。これが2日間や1デイになったら、もうプラクティス走ってセッティングが良くなかったチーム、アクシデントを起こしたチームに挽回のチャンスってほぼナシになりますよ。
 昨年からインディー500では予選前に走れるのが3日だけになってましたよね?
そのうちの1日=金曜日は予選用ブーストにされますから、決勝のためのマシン・セッティングが行なえるのは2日間だけ(!)になってました。今年は4月に合同テストが2日間行われる予定だからまだいいんですが、その2日間が好天に恵まれるという保証もありません。
 実際に走れないなら……と出場チームはシミュレーターやウィンド・トンネル、7ポスト・リグを活用してセッティング向上に努めています。減らされた走行時間をエンジニアリング能力で補うように戦い方に変わって来てるわけですね。それが近代的なレースってことなのかもしれませんが、ドライヴァーの重要性が奪われ過ぎていると感じがします。皆さんはどうお考えですか?
以上

0 件のコメント:

コメントを投稿