ロング・ビーチはシーズン最終戦に
ポートランド、ラグナ・セカ、LBと9月は西海岸3連戦
COVID-19のワクチン接種が始まったアメリカだが、世界で最も感染が広がってしまった国だけに、まだまだコロナ禍は長引く見込みで、4月に予定されていたビッグ・レースが9月に日程を移されることとなった。アキュラ・グラン・プリ・オヴ・ロング・ビーチは、9月26日(日)にシーズン最終戦として開催されることになったのだ。さすがに、夏過ぎにはもうコロナ騒ぎも収束しているだろう。
ロング・ビーチのスケジュール変更により、2021年のインディーカーは、9月12日(日)がオレゴン州のポートランド・インターナショナル・レースウェイ、9月19日(日)のカリフォルニア州モンテレーにあるウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカ、そしてロング・ビーチと西海岸3連戦となり、第37回目とインディー500に次ぐ長い伝統を誇るストリート・イヴェントでシーズンの幕を閉じることとなった。
4月のスケジュールはバーバーの1戦のみに
“知名度の高いイヴェントがフィナーレ”というのはシリーズにとっては悪くない話。しかし、ラグナ・セカ・レースウェイとしたら、せっかくインディーカー・シリーズに復活したというのに、2020年はパンデミックでレース開催ができず、2021年も開幕戦というステイタスを他のレースに譲らなければならない、あまり歓迎したくない事態に陥っている。彼らとシリーズの契約には“最終戦としての開催”という一文があるはずだが、COVID-19の影響では、そうできなくても不満を訴えるわけにいかない。
ロング・ビーチが9月になったため、インディーカー・シリーズの春先のスケジュールはスカスカに。3月は開幕戦セイント・ピーターズバーグ(ストリート)だけで、4月もバーバー・モータースポーツ・パーク(常設ロードコース)の1戦のみとなった。
来年もデイトナ24時間レースにインディーカー・ドライヴァー大挙出場
メイヤー・シャンク・レーシングがエリオ・カストロネヴェスをインディーカーに数戦参戦させ、スポーツカー・プロジェクトではフルタイムで起用……と以前に書きましたが、誤りでした。お詫びします。そして、訂正させてください。MSRのアキュラARX-05にレギュラーで乗るのはデイン・キャメロンとオリヴィエ・プラでした。キャメロンは2016年にアクション・エクスプレス・レーシングのコヨーテ・コルヴェットDPにエリック・カランと乗ってDPチャンピオンに輝き、2018〜2020年にはペンスキー・アキュラのドライバー・ライン・アップに起用されて2019年にファン・パブロ・モントーヤと共にDPiチャンピオンとなったアメリカ人です。プラはフランスの出身で、2020年までマツダのDPiに乗っていました。
気になるモントーヤの動向
インディー500にアロウ・マクラーレンから出場か
で、MSRはデイトナ24時間での3人目のドライヴァーにモントーヤを雇い入れる計画です。彼はIMSAにレギュラー・シートを掴むことはありませんでしたが、ドラゴンスピードからLMP2マシンでル・マン24時間レースに出場する話が決まっています。何やらJPM、急に“働きたいモード”?
インディー500にアロウ・マクラーレンSPから出場……なんて話も聞こえて来てます。
エリオはインディーで3勝。JPMは2勝。アロウ・マクラーレンSP/シヴォレーで走るJPMと、MSR/ホンダで出場するエリオ=優勝の可能性はどっちが高いでしょうかね? 彼らが連覇を目指す佐藤琢磨と競い合う。これは非常に楽しみです。
エリオはデイトナなど、スポーツ・カーのロング・ディスタンス・イヴェントで同じアキュラDPiでもウェイン・テイラー・レーシングが走らせる方に乗ります。JPMがキャメロンと一緒のマシンに乗るのと同じで、エリオも2020年にチャンピオンになった相棒=リッキー・テイラーとのコンビネーションを復活させるわけです。デイトナではアレクサンダー・ロッシもこのマシンに乗ります。WTRでR・テイラーと組むもう一人のレギュラーはフェリペ・アルバカーキというポルトガル出身ドライヴァー。
ジミー・ジョンソンはアクション・エクスプレスから出場
パートナーには小林可夢偉!
近頃はかなり恒例化してますが、2021年もデイトナ24時間には、これ以外にも多くのインディーカー・ドライヴァーがエントリーします。
2021年からチップ・ガナッシ・レーシングでインディーカー・シリーズのストリート/ロードレースに出場することが決まっている7度のNASCARチャンピオン=ジミー・ジョンソンもデイトナ24時間に出場することが発表されたのですが、こちらは意外にもガナッシが走らせ始めるキャディラックDPiではなく、アクション・エクスプレス・レーシングのキャディラックに乗ります。パートナーはシモン・パジェノーとマイク・ロッケンフェラー、そして小林可夢偉です。カムイはデイトナで2勝してますからね、それもキャディラック搭乗で。ところが、馴染みのキャディラック・チーム=WTRがアキュラにスイッチしたので、もう乗れないだろうなぁ……と思っていたら、キャディラックのトップ・チームで出場する話がまとまりました。腕と実績を買われての起用。これは素晴らしいこと。彼に白羽の矢を立てたウェイン・テイラーがまずは凄かったワケですが……。JJはデイトナ24時間への出場経験があります……が、2011年以来と、少々時間が経っていますね。
チップ・ガナッシのキャディラックドライバーは誰に?
チップ・ガナッシ・レーシングにとってのキャディラックでのIMSAデビューには、おそらくスコット・ディクソンも加わることでしょう。マーカス・エリクソン、アレックス・パロウにも乗って欲しい気がしますが……。こちらのレギュラーはケヴィン・マグヌッセン(デンマーク出身)とランガー・ヴァン・ダー・ザンデ(オランダ出身)。
過去の実績から考えて他に出場しそうなのは、ライアン・ハンター-レイ、セバスチャン・ブルデイ、コルトン・ハータあたりで、ザック・ヴィーチがGTDクラスでレギュラーになるか?……なんていう話も出ています。
以上
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