チップ・ガナッシ入りを正式発表したジミー・ジョンソン Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
渡米129日、帰国後14日の自己検疫
シーズン終了@セイント・ピーターズバーグ。しかし、コロナ感染が爆発中のアメリカを去るまでには少々時間が必要で……。3月に非常事態宣言が出されて急遽帰国した際にチケットを現地購入したので、その時の帰りの便が余っていて、それを使って帰国することになったため。で、テキサス州オースティンへ。乗り継ぎとかでアタフタするのが嫌いなので、ここでも1泊することに。メキシコ湾に近い地で“ひとりゴルフ”でもしてから帰るか……なんて考えてたのに、寒波到来で到着時の気温が6℃。夕食はバーベキューをテイクアウト。結局、最後までホテル籠り。アメリカから帰国したら、14日間の自己検疫。今度は母国ニッポンでのホテル暮らし。それも、一生泊まることなんかないだろうと考えていた地元のビジネス・ホテルで。そうこうしているうちに11月も半分が終了して、もう下旬。インディーカー業界でも、それなりに色々起こってますね。
ジミー・ジョンソン、チップ・ガナッシ正式決定
夫人との約束でインディー500への憧れはとりあえず封印
まず、NASCARのトップ・シリーズで史上最多タイの7回もチャンピオンになっているジミー・ジョンソン(=JJ)のチップ・ガナッシ・レーシング入り、正式に発表されましたね。最終戦開催中に。ロード/ストリート・コースでのレースのみに出場。年間38戦だかのうちでロードレースは2戦しかないストックカーの世界でチャンピオンになったというのに、オーヴァル・レースに出ないなんて! 誰もが一番出たいと考えるインディー500にすら出場しない。その理由は、奥さんが許してくれないから。わかるような、わからないような……。エアロ・スクリーン装着で安全性が急上昇したインディーカー。そのデータが積み重なれば、JJは奥さんを説得できると考えているらしいけど、どうなることか。やっぱりインディー500には出たいのだ。彼ってカリフォルニア出身でオフロード育ちだから、インディーカー的に言うと、リック・メアーズやロビー・ゴードンの系譜。インディーへの憧れは、実はストック・カーに対するもの以上の大きさだった、若かりし頃は。
ジョンソンのカーナンバーは48!
45歳のルーキーの初インディーカーレースに注目
こちらがCARVANA。リアルなトミカパーキングといった様相 Photo:Masahiko Amano
ただし、ジョンソンは年齢が……ね。この9月で45歳になった。デビューからほぼ最年長(ほぼ、な事情は次回お送りするストーリーにて)。それで出るのがロード/ストリートっていうのは、逆な気がする。普通ならオーヴァルだけに出るところ。7月にインディアナポリスのロードコースで行ったテストでのパフォーマンスは上々だったっということだし、6度目のインディーカー・タイトルを獲得したばかりのスコット・ディクソンを筆頭にチームメイトは合計3人もいるから、彼らの仕上げてくれた、かなりハイ・レヴェルでコンペティティヴなマシンに乗れる可能性は高く、そこそこ戦えちゃうのかも。デビューは来年3月。いきなりストリートってところもおもしろい。
先月チーム・ペンスキーからセイント・ピートでインディー・デビューしたスコット・マクロクリン、ほとんど目立ったところを見せられなかったけど、JJはどんな初インディーカー・レースになるのか? 楽しみにしたい。
JJのマシン、カー・ナンバーはストック・カー時代と同じ「48」になる。そして、スポンサーは全米で中古車を販売しているカーヴァナ。”中古車の自動販売機”=ガラス張りのタワー・パーキングに中古車をディスプレイでも名前を売った会社で、「世間は車はネットじゃ売れないって言っていたので、自分たちが挑戦しました」とかいうTVコマーシャルを打っている。「中古車ネット販売で全米ナンバー・ワン」とも。どれだけライヴァル会社があるか知らないけど。「熟練スタッフが早ければ翌日にはクルマをご自宅までお届けします」とも言ってたな。インディアナポリスで泊まってた長期滞在型ホテルの横にカーヴァナがあって、ビジネスは順調っぽかった。次々と入ってくるクルマを毎日、従業員がせっせと洗って、磨いて、”中古車の自動販売機”で見せるクルマを入れ替えてた。
ローゼンクヴィスト、チップ・ガナッシ離脱
アレックス・パロウが来年のカーナンバー10に!
Photo:INDYCAR(Joe Skibinski)
最終戦からガナッシは話題豊富。
JJの発表やって、ディクソンがチャンピオンになって、と。そうしたら、次はフェリックス・ローゼンクヴィストの離脱ってニュースが飛び込んで来た。ガナッシを出てこうって人、いるんだね。ポール・トレイシーみたくクビにされたんじゃないから(彼の場合はチーム・ペンスキーに……だったが)。移籍先はアロウ・マクラーレンSP。パト・オーワードをランキング4位につけたぐらいで、シュミット・ピーターソン・モータースポーツからの体制変更で、より上を狙えそうなチームになっている感じは強くあった。そんなチームからの熱烈ラヴ・コールがあって、ローゼンクヴィストは移籍を決意した模様。しばらく続きそうなディクソンのナンバー2ってポジションより、若いもん同士のジョイント・ナンバー・ワンに惹かれたのかな? チップ・ガナッシ・レーシングと違って、来年も高い戦闘力を安定して発揮できるかは不明だけれど……。
突然空席になったカー・ナンバー10。そこにはアレックス・パロウが収まることになった。デイル・コイン・レーシング・ウィズ・チーム・ゴーでの活動はどうやら今年限りと決まっていたようで、”どこかにシートを見つけなきゃ”とパロウ陣営は幾つかのチームと話をしていたようだけれど、絶妙のタイミングでベストのシートが開いた。
JJの新加入ってローゼンクヴィストにとったら、ハッキリ言って迷惑だったと思う。チーム内での注目度薄れるから。相手はアメリカで知らない人のいない7タイムNASCARチャンピオンだから。逆にパロウにとっては、ディクソンやローゼンクヴィストと常に比較されるプレッシャーが薄まって、結構いい環境かも。
パロウには、元F1ドライヴァーのマーカス・エリクソンと切磋琢磨しての好パフォーマンスを期待したい。デビューして間もないロード・アメリカでの優勝争い、ポールポジションを惜しくも獲り逃した予選アタックも良かったけれど、何といってもインディー500の予選での活躍が凄かった。デビュー・イヤーなのにファスト9入りして、ウェイト・ジャッカーが壊れてなかったらPPだったか!? って走りになってたから。ショート・オーヴァルでの走りも良かった。ほぼ全部のコースがレース・ウィークエンドに初めて走るコースだったことを考えると、パロウ、素晴らしいデビュー・シーズンを戦っていた。2シーズン目、それもガナッシからの参戦となったら、どんな活躍を見せてくれるのか?
以上
天野さん、おつかれさまです。
返信削除コロナで、大変ですが体に気をつけてご自愛ください。
すごく、気になることがあります。
確か、ライアン・ハンターレイが2020年までの契約だった気がしたんですが…。
アンドレッティに、契約延長なんですかね?
他のチームも、気になります。