優勝したカーナンバー10 コニカ・ミノルタ・キャディラックのブリスコー/ザンデ/ディクソン Photo:LAT Images |
インディーカードライバーが大挙出場
アップ&ダウンに富む全長2.54マイルのロード・アトランタで1998年から続いてきている10時間の耐久レース=プティ・ル・マンには、どのチームも3人目の助っ人ドライヴァーを雇って臨む。トップ・カテゴリーのデイトナ・プロトタイプ・インターナショナ=DPiにはキャディラック、マツダ、アキュラの3ブランドから合計8台が出場し、そのうちの5台に現役インディーカー・ドライヴァーが起用されていた。
タイトル獲得5回、歴代3位の通算50勝、インディ500で1勝のスコット・ディクソンがウェイン・テイラー・レーシングのキャディラックに乗り、4回チャンピオンになっているセバスチャン・ブルデイは、今シーズンはJDCモータースポーツのキャディラックで全レースに出場して来ている。チャンピオンに1回なり、インディ500でも1勝のライアン・ハンター-レイがマツダ・モータースポーツから出場。同じくタイトル1回、インディ500で1勝のシモン・パジェノーはチーム・ペンスキーのアキュラに搭乗。アキュラ陣営にはインディ500で1勝のアレクサンダー・ロッシもいる。GTLMを見ると、コルトン・ハータがレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのBMW M8 GTEにリストされていた。
好天の中でスタート Photo:Masahiko Amano |
マツダ、レース前半にクラッシュして2台とも後退
PPスタートのアキュラ6号車もクラッシュダメージで脱落
快晴だけれど、気温が16℃と寒い中でスタート。ハータとハンター-レイは、序盤にして自分の割り当てられているマシンにトラブルが発生し、乗る前にして優勝のチャンスを失った。
レースはアキュラ2台とマツダのカー・ナンバー77の対決に。
しかし、折り返し点直前、マツダはGTDマシンとの接触してクラッシュ。マツダは2台とも優勝戦線を離脱。この時、トップを走っていたアキュラ=カー・ナンバー6も他車との軽い接触でコース・オフ。大きなダメージはないように見えていたが、ピットでノーズを交換してからはスピードが上がらなくなった。
アキュラ7号車とキャディラック31号車の争いに
これで優勝争いは、スピードが不足気味だったアキュラのカー・ナンバー7(リッキー・テイラー/エリオ・カストロネヴェス/アレクサンダー・ロッシ)と、キャディラックのカーナンバー31(アクション・エクスプレス・レーシング:フェリペ・ナサール/ピポ・デナリ/フェリペ・アルバカーキ)の間で繰り広げられることに。キャディラックのカー・ナンバー10(ウェイン・テイラー・レーシング:ライアン・ブリスコー/レンガー・ヴァン・ダー・ザンデ/スコット・ディクソン)はスピードが不足しており、ピット・タイミングの違いからトップに出ることはあっても、ガチの優勝争いには絡んで来れない様子だった。
トップ争いの2台が接触してスピン
この間にキャディラックの10号車がトップに
7時間半が経過し、日も沈み、気温も冷え込んだコンディションとなってキャディラックのカー・ナンバー31がスピード・アップし、トップに躍り出た。スポーツ・カー・スペシャリストは夜の走行、トラフィックの処理で一日の長ありだった。
最後のバトルを任せられることになったのは、キャディラックがデナリで、アキュラはテイラーだった。そして、この二人の戦い、デナリの方が優っていた。
ところが残り10分、トップ争いをしていた二人が接触して両車ともスピンに陥り、デナリはクラッシュ。テイラーはレースに戻ることができたものの、ブリスコーの乗るキャディラックのカー・ナンバー10に先行されてしまった。
残り5分のリスタートでまたもクラッシュ発生
キャディラック10号車がそのまま逃げ切り
残り5分半でリスタート。テイラーがトップを奪う可能性は十分と見えていたが、グリーン・フラッグ直後にGTマシン同士の接触があり、ポルシェが大クラッシュ。イエローがまた出され、そのままゴールとなり、優勝はブリスコー/ザンデ/ディクソンのキャディラックのものとなった。ラスト5分あまりでの勝負となり、大いに盛り上がったが、イエローであっけない幕切れとなり、10号車がフィニッシュ Photo:Masahiko Amano
来週はセイント・ピーターズバーグでインディーカー最終戦が行われるが、チャンピオン争いでトップにいるディクソンが、なんとプティ・ル・マンで棚ぼた勝利を記録した。このツキを持続させることができれば、ディクソンは6度目のタイトル獲得を楽々と決めることとなりそうだが、どうなるか?
以上
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