ポール・ポジションの佐藤琢磨を先頭に序盤のレースは展開する Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大 |
ゲイトウェイでのレース2は暑さの中での戦いになり、予選4位からスタートしたジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が優勝した。2位は予選3位だったパト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)のものとなり、3位は予選2位だったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だった。4位でフィニッシュしたのはルーキーのリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)。インディー500からのホンダの2連勝の次は、シヴォレーの1−2−3−4による勝利が記録された。ホンダ最上位はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)の5位。ポイント・リーダーは今日も速く、手堅くポイントを重ねた。
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「今日勝ったのは僕じゃなくチーム。クルーの素晴らしいピット作業のおかげで勝つことができた。ピットロードでのオーワードとサイド・バイ・サイドでバトル。あれはエキサイティングだった」とニューガーデンは喜び、「まだチャンピオンシップは諦めていない。昨日は衝撃的だった(ポイントリーダーのディクソンが優勝)けれどね」とタイトル争いに踏みとどまったことに安堵もしていた。
ストックカーのコンパウンドと高い路面温度で
Race1とは全く違ったコンディションに
レース2でも安定した走りを見せたオーワード。早いピットストップが功を奏し、レース中盤をリード Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大 |
その状況を味方につけることができるか否かは、ピット・タイミングにかかっていた。バック・マーカーや周回遅れの背後に引っかからず、コースの空いているところをどれだけ走れるかが大きなポイントになった。
最初にピット・ストップを行った者勝ち⁉
序盤トップを改装した佐藤琢磨は作戦が裏目に
オーワード、ニューガーデン、パワーの3人はそれぞれ46、47、48周目にピット。この中で最初に入ったオーワードがトップに躍り出た。リナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)に至っては、18番手スタートから42周目という早いタイミングでピットし、一挙に3番手にまでポジションアップを果たした。
逆に佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、ポールスタートからトップを守り、2番手以下を引き離してさえ見せたが、上記ペンスキー軍団2名により10周以上、ヴーケイとの比較だと18周も長く走った結果、1回目のピットストップを終えてコースに復帰すると順位は8番手にまで下がっていた。
長い一列渋滞の8番手では、前を行くマシンを1台ずつ抜いて行くことですら難しくなる。路面コンディションが悪く、レコードラインを外れるとグリップが低く、オーバーテイクはさらに難しくなっていた。
シヴォレー勢は燃費のディスアドバンテージを逆手に
ゲイトウェイでのレース2は燃費の悪さが何の不利にもならないレースになってもいた。前日のレース1で燃費の不利を見せつけられたシヴォレー・ユーザーたちは、それを逆手に取る作戦を考え出し、見事結果に繋げた。ホンダ勢の多くがロングスティントにして来ると読み、対抗策で勝負。イエローの出ないレース展開も彼らの作戦に味方した。
1回目のピット・ストップを終えた時点でのトップ3はオーワード、ニューガーデン、パワーの順。レースの最終順位はニューガーデン、オーワード、パワーとなった。ファースト・ピットを早くした者がアドヴァンテージを得て、そのままレースはゴールまで進んだということだ。
結局、コース上ではなく最後のピット作業での勝負に
オーワード、ニューガーデンに逆転を許す
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レース1でもオーワードはトップを走った。しかし、ディクソンに最後のピットストップで先行され、ゴール前20周のコース上では琢磨に豪快にオーバーテイクされ、結果は3位となった。「あれだけのスピードで来られては……」と琢磨のアタックにオーワードは驚いていた。あの場面、二人のマシンにはそれだけの違いがあったということだ。
ヴィクトリー・レーンでニューガーデンと言葉を交わすオーワード Photo:INDYCAR (Chris Owens)クリック |
「最後に逆転するチャンスはあった? その質問に”イエス”と答えられたら嬉しいが、正直に言って、あの時点での僕はかなり苦しんでいた。残り10周を切ると、僕はいつでもプッシュしてプッシュしてパスをするために前のマシンに近づこうとしているんだけど、近づけないんだ。今日のレースは昨日よりプッシュもオーバーテイクも難しかった。コースのアスファルトが硬く、マシンが1列になって連なっている状態になり、走りを困難にしていた。集団の後ろについた状態で僕らはその場から動きが取れなかった」とオーワードは自己分析していた。勝つために何が不足しているのか、彼にはわかっている。それをチームとともに見つけなくてはならない。
ヴィーチのアン・スポーツマン・ライクな走りで
佐藤琢磨はポジション挽回のチャンスを喪失
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「あれではもうモータースポーツではない」と怒る佐藤琢磨
問われるアンドレッティオートスポーツの姿勢
琢磨のチームもビーチへの無線での指示は聞いていたという。琢磨はコルトン・ハータ(アンドレッティ・ハーディング・スタインブレナー・オートスポート)とポジション争いを行うチャンスを奪われ、残り3周でターン2で壁にヒット。7位からふたつポジションを落とした9位でのゴールとなった。「あれではもうモータースポーツではない」とレースを終えた琢磨はヴィーチとアンドレッティの行為に憤慨していた。当然のことだ。アンドレッティ・サイドは、「自分たちはルールを守って戦っている」との主張なのだろうが、4周遅れでリードラップのマシンの前を走り続けるのは非礼。インディーカー・オフィシャルにもルール改正の必要がある。
以上
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