2020年8月13日木曜日

2020 INDYCARレポート 第104回インディー500 Day1 プラクティス1:プラクティス初日、最速はジェイムズ・ヒンチクリフ

無観客のインディー500がいよいよ始まった。観客席の「THE RACING CAPITAL OF THE WORLD」の巨大な横断幕の下をインディー500にスポット参戦のカストロネヴェスが疾走する Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大 
曇り空の下、無観客でのインディー500がスタート
 パンデミック下で無観客での開催となる第104回インディー500のプラクティスが今日始まった。
 走行開始の午前11時は曇りがちの空。気温24℃。グリーン・フラッグが振り下ろされるや、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が一番手でコースに飛び出して行った。ファンはスタンドにいなくとも、インディ500にかける思いは皆非常に強く、テレビでその勇姿を見てもらいたいと考えている。


今年のペースカー、コーヴェット・スティングレーがお披露目された Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
 無観客なのでメディアも大幅縮小。走行開始時にメディア・センター4階にいたレポーターは11人だけだった。10人は座れる席に2人ずつ。テレビ、ラジオはお客さんが入らないことで空いている場所にスタジオなどを設定している。
Photo:INDYCAR (James Black) クリックして拡大
プラクティス最初の2時間ではディクソンがトップタイム
佐藤琢磨もこの時間帯6番手と好スタート

 日中の最高気温は、28℃まで上がった。8月のインディアナポリスとしたら、過ごし易い1日になった。
 今年は走行日数が減り、一番最初の走行はルーキーではなくヴェテランが行った。2時間のプラクティスで最速はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)の224.047mph。2番手はニューガーデンの223.188mphで、3番手はジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)の223.071mphだった。
 
Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大

 最年長のトニー・カナーン(AJ・フォイト・エンタープライゼス)が222.080mphで4番手と好調な滑り出し。5番手はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)の221.884mphで、6番手に佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)がつけた。
さわやかなカラースキームでインディーに現れた佐藤琢磨 Photo:INDYCAR (James Black) クリックして拡大

 昨年度ウィナーのシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)は18番手とスロー・スタート。一昨年のウィナーであるウィル・パワー(チーム・ペンスキー)は8番手だった。

ルーキー、リフレッシャーの時間帯ではヴィーケイがトップに
注目のアロンソは、マクラーレン中最速タイム!

 

ペンゾイルカラーのマシンを駆るカストロネヴェス Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
  次がルーキーと、リフレッシャーと呼ばれる高速オーヴァルを走るのが久しぶりの人たちのためのプラクティス2時間。ここではオランダ人ルーキーのリヌス・ヴィーケイが221.318mphでトップ。彼は69周もここで走り込んだ。2番手はアレックス・パロウ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・チーム・ゴー)の219.876mph。史上最多タイの4勝目を狙うエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)が219.274mphで3番手だった。

 昨年予選落ちを喫したフェルナンド・アロンソ(アロウ・マクラーレンSP)は、219.052mphのベストで4番手。二人の若いチームメイトたりより速く、まずは上々のプラクティス開始となった。

午後3時からの一斉走行でトップに立ったのはヒンチクリフ
2番手以下はマルコ・アンドレッティ、ディクソン、ハンター‐レイ


ヒンチクリフが初日トータルでのトップタイムをマーク Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
 午後3時からは全員が一緒に走る2時間半のセッション。ここで早くもレースを想定したトラフィック・テストが始められた。提携チームも含めると7台体制のアンドレッティ・オートスポート、4台体制のチーム・ペンスキーらが、その中心となっていた。当然、各自のベスト・ラップはドラフティングを利用したものとなる。

 最終的にトップだったのはヒンチクリフ。2224.526mphが初日の最速ラップとなった。
 「サーキットに来て、走り出しからマシンに十分なスピードがある。それはドライヴァーとしてとても嬉しいこと。アンドレッティ・オートスポートのマシンは、みんな単独走行でも集団走行でも速い。エアロスクリーンがついて重くなったマシンは空力も変わっていて、乗ってみて去年までと違うものなのは歴然。今年は事前のテストもできていないのに、この速さを実現できているのはチームの力だ」とヒンチクリフは話した。


マルコは2番手タイム。アンドレッティ・オートスポートとしてはハンター‐レイ4番手につけるが、ロッシは18番手 Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
 2番手はマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ・オートスポート・ウィズ・マルコ・アンドレッティ・アンド・カーブ・アガジェニアン)の224.345mphで、アンドレッティ勢の1−2。
 3番手は最初のセッションで最速だったディクソンの224.047mph。4番手はハンター-レイの223.341mphで、2017年の琢磨優勝以来インディー500で勝てていないホンダが初日はトップ4を占めた。

アロンソ、シヴォレー最速の5番手タイムをマーク!

 
絶好のスタートをみせたアロンソ。チームメイト二人を上回ったばかりか、ペンスキーを抑えてシヴォレー最速! Photo:INDYCAR(James Black) クリックして拡大

  そして、5番手にはアロンソが来た。シヴォレー軍団最速となる223.238mphをマーク。「今年はチームメイトも2人いて、彼らの情報も得ながら走っている。エアロスクリーンがついてマシンは変わった。セッティングも違うものになっているが、今のところ競争力があると感じており、ハッピーだ」と語っていた。

佐藤琢磨、トータル13番手
「順当に車を学びながら進めることができました」


課題はトラフィック Photo:INDYCAR (Walter Kuhn) クリックして拡大
 琢磨は、「ファンがスタンドにいてくれた方がもちろん嬉しいけれど、こんな状況でもレースができることをありがたいと思っています」と話し、今日の走行については、「プログラム通りに走れた初日でした。2日間走ったらファスト・フライデイなので、実質今日と明日で決勝を見据えたクルマを作らないとなりません。去年のセッティングをベースとしたマシンを持ってきて、エアロスクリーンとか、今年のタイヤに合わせた変更を施し、合わせ込んで行ったんですけど、まぁまぁの1日にできましたね。

Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
 特別に手応えを感じたわけでなく、悪過ぎたわけでもなく、順当にクルマを学びながら進めることができていたと思います。今日はまだ自分たちのマシンは集団の中でうまく動けなかったし、抜けなかったので、明日そこを良くします。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングはインディーでは3台体制をやってきてますが、今年加わっているスペンサー・ピゴットは去年の予選でフロントロウだったように、とてもコンペティティブで、最初から3人に仕事を振り分けて進めることができています」と話した。


以上

0 件のコメント:

コメントを投稿