2020年8月16日日曜日

2020 INDYCARレポート 第104回インディー500 Day4 予選初日:4ラップ最速はアンドレッティ、1ラップ最速はディクソン


天候:快晴
気温:26〜31℃

気温が高く、開所直後が絶対的優位な中、予選開始
第1アタッカーレイホール、2番手佐藤琢磨が好タイムをマーク

 

 走行開始の水曜から好天続き。今日、予選1日目も快晴に恵まれた。
 予選は午前11時開始で、午後4時50分終了。開始直後が気温も路面温度も低く絶対的に有利と言われる。予選終了間際になっても気温や路面温度が下がることは期待ができないからだ。曇り空に覆われるほどの天気の変化がない限り……。

 最初のアタッカー、グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が4週連続アタックの平均速度230.822mphをマークし、次の佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)も230.792mphを記録。彼らは最終的に8、9番手でファスト9に残った。コンディションの優位を見事に活かした形だ。


4番目アタッカー、ルーキーのヴィーケイがトップタイム!

 4番目にアタックしたオランダ出身ルーキーのリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)が231.114mphを出してレイホール勢を上回り、その時点でのトップに立ったのは、ちょっとしたセンセーションだった。「彼の先輩チームメイトたち、エド・カーペンターとコナー・デイリーも良い数字を出してくるかもしれない」という期待が生まれたからだ。

ロッシ、ヴィーケイのタイムを更新!
すぐさまチームメイト、ハンター‐レイが首位に


 早い順番のアタッカーたちは、予想された通りに好タイムを次々出して行った。
 正午が近づき、温度が上がり始めた頃、12番目にアタックしたアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)が231.43mph平均を出してトップの座をヴィーケイから奪った。
 そのすぐ後、14番目にコース・インしたライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が231.330mphでチームメイトからトップを奪った。

 今日のトップはハンター-レイで決まり……とも見えていた。昨日の最速ランナー、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ・オートスポート・ウィズ・マルコ・アンドレッティ・アンド・カーブ・アガジェニアン)がいるのはわかっていたが、彼のアタック順は28番手と決定的に遅い。もう路面温度はピークまで上がり切っているのでスピードを出すのには向かないコンディションになっている……と考えられたからだ。

28番手アタッカーのマルコ・アンドレッティ
高温のハンデをものともせず最高タイムを叩き出す

 しかし、絶好調のマルコは高温という大敵をものともせず、1周目に232mph台を今日初めて記録、4ラップ平均231.351mphで今日のトップとなった。気温が31℃と今日の最高に達していた中、マルコは1周目に驚異的なペースで4周を走り切った。「すべてがうまく噛み合った時には、美しいパフォーマンスが手に入る。今日はマシンのバランスが素晴らしく、ホンダ・エンジンも強力なパワーを提供してくれてい。これだけの暑さの中、これだけのスピードが出せた。ファスト9に入っている他のドライヴァーたちのように涼しいコンディションだったら、もっと良い数字が出せていたとも思う。自分たちとしては、今日と同じことを明日もう一度やればいいだけだ。そこにフォーカスする」とマルコは話していた。1987年に祖父マリオ・アンドレッティが記録して以来となるインディー500ポール・ポジション、父マイケルの手にしたことのないインディーPPをアンドレッティ三世のマルコは獲得できるだろうか?

AAが1位から4位をスウィープ!
シボレー苦戦!ペンスキーは最上位が13位という大苦境に


 アンドレッティ勢が予選1−2−3−4を達成し、ボウタイ軍団は6番手に1台を食い込ませはしたが、その他のエントラントは13番手以下と大苦戦。インディー500通算18勝、2018、2019年と連続優勝しているチーム・ペンスキーは、昨年度シリーズ・チャンピオンのジョセフ・ニューガーデンによる13番手が最上位で、PP獲得回数がインディカー史上2位のウィル・パワーが22番手、去年PPから優勝したシモン・パジェノーが25番手。インディ3勝、PP獲得(史上2位タイ)が28番手。エントリーした2台両方が予選落ちして決勝前にサーキットを去った1995年ほどではないが、彼らは稀に見る大苦戦を強いられている。

アロンソ、決勝にフォーカスした走りで26位
「今日はミスをしないことを目指した」

 フェルナンド・アロンソ(アロウ・マクラーレンSP)は、2日目のアクシデントで腹を括ったようだ。予選で上位にグリッドを獲得することは諦め、決勝用セッテイングを向上させ、レースで思う存分にパフォーマンスすることを目指すよう方針を変えたのだ。彼の予選結果は26位と決まった。

 こつこつ仕上げたマシンをクラッシュさせるというのは、インディ500で一番やってはいけないミスだ。F1チャンピオンである彼は、「インディーをリスペクトしている」と話してはいるが、どこかに自信過剰の部分が残っているのだろう、2年連続でレースや予選以外の走行時にクラッシュを演じた。
 今日の予選、彼は4周を走り切って数字を出すことだけに集中していた。明日の夕方と、決勝前の金曜日で決勝用のマシン・セットアップをどれだけ良くできるか、にフォーカスを移しているようで、それは正しい考え方だろう。

 「今日の予選では、ミスをしないことを目指した。もっとスピードが出させればよかったが、数字を今から変えることはできない。結果を受け入れるだけだ。今の自分たちは、レース用セットアップを良くすることだけ考えている、トラフィックの中で速く、前に出ても速い。両方を実現させるのは非常に難しい。また、後方スタートとなる自分たちは、レース中の作戦についても、色々と検討を始めるべきだと考えている」と予選26位となった元F1チャンピオンは話していた。

佐藤琢磨、ファスト9進出!
「3回目のアタックでのいい走りを明日につなげたい」


 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、2番手のアタックという時間的な優位を存分に活用し、予選9番手でファスト9進出を決めた。ギリギリの9位での通過となっため、最後の最後まで逆転で押し出される心配があった中、3回のアタックを敢行し、明日のファスト9で戦うためのデータ収集も果たした。琢磨にとってのファスト9バトルは、優勝した2017年以来、2回目になる。

 「1回目のアタックで、自分たちは持っている力を全部出し切っていたと思います。あと少しスピードが伸びて欲しかったところですけれど、早いアタック順というアドバンテージを活かしてファスト9に入りました。2回目以降のアタックは、やらない可能性もありましたが、自分たちはアタックした時間に助けられていた面があり、もっとマシンを良くするために、さらに2回のアタックを行ないました。その結果、2回目よりも3回目で良い走りができていました。それを明日に繋げたいと思います。フロントロー獲得は難しいかもしれないけれど、それを目指して頑張ります。今日得られたデータを基に、明日のコンディションでベスとのセットアップにして戦いたいと考えています」と琢磨は話した。
以上

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