2020年7月12日日曜日

2020 INDYCARレポート R3 REVグランプリRACE1 決勝:3連勝なる! スコット・ディクソン&チップ・ガナッシ・レーシング&ホンダが見事過ぎる開幕ダッシュ


ディクソン、開幕3連勝を達成! Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして
ニューガーデン、独走態勢を築くものの

2回目のピットストップで痛恨のエンジンストール



 素晴らしい快晴、気温が27℃と暑過ぎない最高のコンディション下、大勢のファンをコースサイドに迎えての今シーズン最初のレースはスタート。サーキット全体に大きな高揚感が満ちる中、23台がロード・アメリカのメイン・ストレートを一斉に加速して行った。
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 ポール・ポジションから危なげなくトップを守ったジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)は、2番手以下を突き放し、2回目のピット・ストップを迎える前には10秒近い差をつけたこともあった。しかし、28周目のピットでニューガーデンはエンジンをストールさせ、再始動に時間がかかって12番手まで後退。トップ争いへの復活を果たすことは、とうとう最後までできなかった。
レース序盤から圧倒的な速さを見せつけ、手を付けられないのではと感じさせたニューガーデンだったがPhoto:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
パワー、気迫の走りでトップを走行するが
ピットでディクソンに逆転を許す


 トップからニューガーデンが転落。代わってレース・リーダーには予選5位だったウィル・パワー(チーム・ペンスキー/パワーがシヴォレー)が躍り出た。開幕2戦で13位、20位と厳しい戦いを強いられて来ている彼は、「優勝しか考えていない!」という気迫のこもった走りを見せていたが、40周目に出されたフル・コース・コーションでこの日最後のピット・ストップを行った際、クルーのひとりがジャッキをタイミング良く落下させなかったことでタイム・ロス。ディクソンがトップでコースに復帰し、パワーは2番手へと順位を下げた。


連続ピットミス発生とらしくないペンスキー勢

パワーはギアセッティングが悪くリスタートで逆転ならず

 
優勝のみを目指す気迫むき出しの走りを見せるパワー Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
 「ピット・ストップで何が起こったのか……自分にはわからないが、作業が遅かったのは事実。リスタートでの逆転が実現できなかったのは、自分たちの組んだギヤが間違っていたからだった。ディクソンは確かに速かったけれど、我々は彼より優位にあり、抜かれることはないと考えていた。明日に向け、自分たちが何をすべきかはまだわかっていない。しかし、今日より良い戦いができるよう、チーム一丸となって状況の改善を目指す。今日のような勝利の逃し方は本当に悔しいが、すべてが終わったってわけではない。自分たちの勝てていたレース。そう言いたい。明日、勝利に再挑戦する」とパワーは話していた。
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  ニューガーデンは、「本当に素晴らしいマシンになっていたのに、厳しい結果になった。終盤のリスタートでタイヤにフラットスポットを作ってしまい、さらに順位を下げてしまった。素晴らしいスタートだったのに、あっという間に苦しい1日に変わってしまった。これがレースというものだ。今日の自分たちは、与えられたチャンスを活かすことができなかった。明日また優勝を目指すチャンスが与えられることに感謝する。ここは自分が大好きなサーキットだし。今日のセッティングの数カ所についてチーム全体で検討を行い、明日の戦闘プランを立てるつもりだ。僕らのチームは、明日も速いマシンを用意してくれる。そういう自信を持っている」と語った。

ディクソンは首位に立ってからも全く危なげない走りでパワーを引き離す。最後のリスタートでも付け入るスキを与えず Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
 トップを走っていた2人がピットでのミスで勝利を逃すとは、まったくもってチーム・ペンスキーらしくない。インディーカー・シリーズとインディアナポリス・モーター・スピードウェイのオーナーとなったロジャー・ペンスキーがピットで陣頭指揮を取らなくなったこと、ピットで目を光らせていないことで何か重石がなくなってしまっているのではないだろうか?

ルーキー、パロウ、堂々の走りで3位表彰台



 3位でゴールしたのは、ルーキーのアレックス・パロウ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・チーム・ゴー/ホンダ。「凄い。本当に嬉しい」と彼は大喜びで、「初表彰台まで時間がかかった」という驚きのコメントも飛び出した。デビューから3レースで表彰台に上れるドライバーはそうそういない。


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自分たちにはもっとプラクティスが必要。そういう状況でもマシンは良くなって行っているけれどね。自分としては、マシンに乗っていて、前より随分とカンファタブルになっている。チームとの関係も良くなっていると思う。今日は少々ラッキーでもあった。正直、そう思う。特にリスタートに関して。何かをトライし、それが効果を表す、そうした1日になってもいた。予選は運に恵まれずに14位だったけれど、レースでの僕らには運があった」とパロウはコメントした。

佐藤琢磨、粘りの走りで2戦連続トップ10フィニッシュ達成


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 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダ)は、15番手スタートから9位でのゴールを果たした。
「プラクティスではチームメイトのグレアム・レイホールとは少し違うマシン・セッティングをトライ。グレアムの方が良かったので、その良い部分を自分のマシンにもトライしたけれど、考えていた通りの向上はありませんでした。予選ではリヤのグリップがなく、予選結果は15位。レースではスタート直後の1周目がひどく、他車に押し出されたような感じになって、先週のような、ずっと後ろから追い上げるレースを戦うことになっちゃいましたね。それでも、走り続けるとマシンは徐々に良くなって行って、レッドとブラック、二種類のタイヤに関しても非常に良いデータを得ることができたと思います。明日の予選が楽しみですね。プラクティスがもう1回あってくれたら嬉しかったけれど、それはないので予選で今日とは違ったセッティングを試します。それがうまく行ったら、レースでも前に出て行って戦うチャンスができると思うので」と、琢磨は前向きに話していた。

以上

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