2020年7月4日土曜日

2020 INDYCARレポート R2 GMRグラン・プリ 予選:GMRグラン・プリのポール・ポジションはウィル・パワー


得意のGMRインディーで今年もここまで好調を維持しているパワー、通算58回目のPP獲得 Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
ルーキー、アスキューがQ1グループ1、Q2でトップに
ファスト6は新旧入り混じった顔ぶれに!

 予選は夕方4時半開始だったけれど、デイライト・セイヴィング採用(=サマー・タイム)だとまだまだ暑さが残っている時間帯。プラクティスより気温の上がった33℃という厳しいコンディション下で予選は開催された。
 
トップタイムでファスト6に進出したアスキュー Photo:INDYCAR (James Black) クリックして拡大
 今年もロードコースでの予選は3段階。そのQ1グループ1Q2でルーキーのオリヴァー・アスキュー(アロウ・マクラーレンSP/シヴォレー)がトップ。開幕戦ウィナーで5度のシリーズ・タイトル獲得歴を誇るスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)がP7Q3進出を逃した。彼がファイナルをミスるのは非常に珍しい。

 今年最初のファイアストン・ファスト6、ポール・ポジションからの6グリッドを競い合うことになったドライヴァーたちをQ2のタイム順に記すと、アスキュー、ジャック・ハーヴィー(メイヤー・シャンク・レーシング/ホンダ)、グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダ)、コルトン・ハータ(アンドレッティ・ハーディング・スタインブレナー・オートスポート・ホンダ)、プラクティス最速で、Q1グループ2でもトップ・タイムを出したウィル・パワー(チーム・ペンスキー/シヴォレー)、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)。新旧のミックスしたおもしろい顔ぶれになった。

パワー、2セット目のレッド1発アタックに成功!
キャリア58回目、GMRグラン・プリで4回目のPP獲得

Photo:INDYCAR (John Cote) クリックして拡大
  暑さもあってファイアストンのソフトタイヤの消耗が激しく、それをいかにQ2までで温存し、グリップの高いセットを予選ファイナルに投入できるか、それらをどこまで活かし切った走りを実現するかが勝負となった。
 パワーはQ3が始まると1セット目のレッド装着でアタック。セッションが残り2分を切った辺りで2セット目のレッド・タイヤを装着してコース・イン。1ラップのみの一発勝負で1101779を叩き出し、トップにいたジャック・ハーヴィー(メイヤー・シャンク・レーシング/ホンダ)をその座から弾き出した。今季初、キャリア58回目、GMRグランプリでの4回目のポール・ポジション獲得がなったのだった。

「テキサスでの経験に学び、勝つことよりも
まず自分が得意なことに集中した」

 「今日の予選、あの最後のラップでは持てる力のすべてを出し切った。ハーヴィーが良いタイムを出したのを知っていたのでベストを尽くし、幸いにもそれで十分だった。しかし、暑かった。今すぐ氷水に飛び込みたいくらいだ。今回はテキサスでの経験に学び、勝つことを考えず、それぞれが得意なことに集中した。それは僕にとってはドライヴィングであり、クルーたちにとっては、もう何千回もやって来ているピット・ストップだ。チーム内で話し合い、チャンピオンシップを勝ち取るためにはそれが必要だという結論になった」とパワーは語った。彼はPPを獲得した過去のGMRグラン・プリすべてで勝利を収めて来ている。明日のレースで4勝め=今シーズン初勝利を飾る可能性は高い。

ハーヴィー、惜しくもPPに届かずもキャリアベストの予選2
ニューガーデンはアタック・ラップを行えず6位に

Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
 予選2位はハーヴィー。キャリア初PPは惜しくも逃すことになったが、昨年のGMRグラン・プリで自己ベストとなる3位フィニッシュをウェット・コンディションで飾っている彼とチームは、上位で争える実力を持っていることを今日の予選で見せた。Q3で投入したレッド1セット目で1103653をマークしてトップに躍り出た彼は、ダメ押しを狙ってレッド2セット目でアタック。しかし、タイム更新はならず、2番手に甘んじた。それでも、予選2位は自身とチームにとってのキャリア・ベスト。明日のレースはアウトサイド・フロント・ロウからスタートを切る。
 
Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 
 予選3位はハータ二世、4位はレイホール二世。ルーキーのアスキューが5位につけ、ニューガーデンはセッション終了ギリギリまで待ってコース・インした後のウォームアップ・ラップでコース・オフ。アタック・ラップを行えないまま予選のファイナル・ステージを終え、グリッドは6番手となった。

佐藤琢磨はQ1で敗退
予選結果は17番手に

 プラクティスで15番手のタイムを出すにとどまっていた佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダ)は、Q1のグループ1に出走。アタック6周のベストは5周目の1108853で、13人の中の9番手。今年最初のロードコース予選でQ2に進むことはできなかった。
Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
 「厳しい予選になりました。走り始めた時、マシンがとても良いとの感触を得ていた。ハードタイヤでの走行では34番手につけることができていたと思っていて、そこでソフトに履き替えたら、グリップが全然得られなかった。マシンがスライドするようになっていた。期待したグリップが得られなかったことでラップタイムを大きく向上させることは叶わず、残念なことに17位という予選結果に終わった。しかし、グレアム(・レイホール)が予選で素晴らしい仕事をしていた。彼のセッティングなどを確認し、データを比較することなどで、自分たちに何ができるのかを見極めたい。そして、明日のレースではチームの3台すべてが力強いレースを戦えることをいい」と琢磨は語った。

昨年度PPのローゼンクヴィストは9
ロッシもトップ10に入れず

 琢磨同様に期待の高さにマッチした結果を得られなかったのが、昨年度ポール・シッターでプラクティスでも好調と映っていたフェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)の予選9位、アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート/ホンダ)の予選11位、直前のプラクティスで2番時計を記録していたサンティーノ・フェルッチ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン/ホンダ)の予選15位、同じくプラクティスで3番手だったエリクソンの14位、GMRグランプリ最多の3勝でパワーと並んでいるシモン・パジェノー(チーム・ペンスー/シヴォレー)の予選20位、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ・オートスポート・ウィズ・マルコ・アンドレッティ・アンド・カーブ・アガジェニアン)の予選25位といったところ。
以上

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