ワンデーレースの開幕戦を制したのはディクソン Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 |
COVID-19パンデミックの中で2020年NTTインディーカー・シリーズがようやく開幕した。テキサス・モーター・スピードウェイでのジェネシス300は無観客で開催され、5回のシリーズ・タイトル獲得と、現役最多の勝利数を誇るスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が優勝した。
プラクティス1回、予選、決勝のすべてを6月6日の午後に行うという極めてタイトなスケジュールは、チームのエンジニアリング能力を試すものとなった。しかも、今回は約30kgと重いエアロスクリーンを装着して戦われる初めてのレースでもあった。
ポール・ポジションを獲得したディフェンディングチャンピオン、ニューガーデンだったが……Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大 |
ディクソン終始安定推した走りで完全勝利
予選でポール・ポジションを獲得したのは、自身2度目のシリーズ・チャンピオンに昨年輝いたジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)。彼は昨年のテキサス・ウィナーでもある。しかし、夕暮れから日没へとコンディションの変わる戦いでマシンを最も速いものに仕上げていたのは、ガナッシ勢だった。
レース序盤から終盤まで、またスティントの序盤から終盤まで安定したスピードを保ったディクソン Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大 |
予選2位だったディクソンは、スティントを通して高いスピードを安定してキープ。200周のうちの157周をリードしての堂々たる勝利=通算47勝め=テキサスでの4勝目を挙げた。これで16シーズン連続の勝利を飾ったディクソンは、AJ・フォイトに並んで18のシーズンで勝利を記録したドライバーとなった。
ディクソンのチームメイトのフェリックス・ローゼンクヴィストはレース後半に2番手へと浮上、初優勝の可能性すら見えていたが、ゴール前10周で周回遅れをパスする際に走行ラインを僅かに外れてクラッシュした。
タイヤの摩耗に苦しんだペンスキー
ローゼンクヴィストのクラッシュに助けられ辛うじて2、3位に
ニューガーデンとパジェノーはスティントの後半、タイヤの摩耗に苦しめられガナッシ勢に引き離される Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 |
「去年のハータのラインをイメージして
シミュレーターでのトライを重ねた」と勝因を語るディクソン
ソーシャルディスタンスを保って記念撮影 Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 |
最後にバトルを繰り広げることとなる可能性もあったチームメイト、ローゼンクヴィストに関しては、「自分とほぼ同じセッティングになっていたから、フェリックスが強力なライバルになるのは覚悟していた。彼は実力を伸ばしているが、それは彼が自然に楽だと感じることのできるロードコースやストリートコースより、オーバルで高められていると思う。今回は残念な結果となったが、今後の多くのレースで彼は堂々と初勝利にチャレンジすることになるだろう」。
ザック・ヴィーチ、AA勢最上位、自己ベストタイの4位
エド・カーペンターが5位、デイリーが6位に
ヴィーチは予選5位からひとつ順位を上げて4位フィニッシュ。2018年のロング・ビーチ以来となる自己ベスト・タイで、初表彰台を惜しくも逃したが、アンドレッティ勢7台の中での最上位フィニッシュをシーズン最初のレースで達成した。
5位はオーバル・レースにしか今年も出ないエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)。2チームからのフル・シーズン・エントリーを果たすデイリーも6位という好結果を幸先よく手にした。
7位はコルトン・ハータ(アンドレッティ・ハーディング・スタインブレナー・レーシング)。昨年ここで優勝争いを見せただけに、今回の彼のパフォーマンスは期待より高くなかった。その一方で、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)は、スタート直前のトラブルから最下位近くまで順位を下げながら、その不利を跳ね除けてのトップ10フィニッシュ達成となった。
ルーキー勢最上位はアスキューの9位
アレックス・パロウはヴィーケイに巻き込まれてリタイヤ
ルーキーでは昨年度インディー・ライツ・チャンピン=オリヴァー・アスキュー(アロウズ・マクラーレンSP)の9位がベストとなった。アレックス・パロウ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・チーム・ゴウ)は、生まれて初めてのオーバル・レースながら予選でルーキー・トップの16番手につけたが、レースでは同じルーキーのリーナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)のスピンに巻き込まれる不運なリタイアを喫した。
10位はオーバル・レースにしか今シーズン出場しないトニー・カナーン(AJ・フォイト・エンタープライゼス)。彼のチームメイト、キンボールはトップ5を走る活躍ぶりだったが、最終ラップにクラッシュし、1ラップ・ダウンの11位となった。
アンドレッティ勢2台、グレアム」・レイホールは
スタート直前にECUにトラブル発生
スタート直前のトラブルで、早々にラップダウンになったハンター-レイとロッシ。ハンター-レイは粘りを見せてトップ10フィニッシュを果たすが、ロッシは1ラップ遅れの15位にとどまる Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大 |
昨年ニューガーデンと優勝を争ったアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)は、チームメイトのハンター-レイ同様にスタート直前にエンジン制御システムにトラブル発生。最後尾からのスタートと、早い段階でのラップ・ダウンという不利を背負わされた。そして、レースではハンター-レイほどの追い上げを実現することができず、開幕戦は15位フィニッシュという不本意な成績となった。
グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)もスタート直前にエンジン・マネジメントにトラブルに見舞われた。彼はピット・スタートを切り、結果は17位となった。
佐藤琢磨、予選ウォームアップでクラッシュ
マシン修復間に合わず決勝レースDNS
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次の第2戦は7月4日決勝のGMRグランプリ。レース開催サーキットはインディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースだ。こちらも無観客での開催になることがすでに発表されている。
以上
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