アメリカプロスポーツの先陣を切って開催
「我々がアメリカのナンバー・ワン」。そういうプライドがあるんでしょう、NASCARが5月17日、アメリカプロスポーツの先陣を切ってシーズン公式戦を開催した。
同じ日、6月中旬の再開を予定しているPGAも有名ゴルフクラブメーカーをスポンサーにつけたチャリティ・イベントを催した。「NASCARに話題独占はさせはしませんよ」ってところだろう。人気の高いプロ3人+新進気鋭のプロ1人を起用した2対2のマッチは1日で550万ドルの寄付を集めたということだ。
2月にデイトナ500でシーズン・インしているNASCARがシーズン再開の地に選んだのは、サウス・キャロライナ州のダーリントン・レースウェイ。元々スケジュールされていたレースではないが、自分のところの系列サーキット、それも最も伝統のあるコースを使うっていう演出はさすが。ノース・キャロライナ州シャーロットからはおよそ100マイルの距離なので、NASCARのスタッフも出場チームも陸路を自走してサーキット入り。急遽決まったレースなのでイベント・スポンサーはつかなかったが、NASCARはこのレースを”ザ・リアル・ヒーローズ400”と銘打って開催した。バスケットボール、アイス・ホッケー、サッカー、テニスなどなどアメリカのプロ・スポーツ選手たちが、医療現場の最前線で活躍している人たちをサポートすべく展開している運動=ザ・リアル・ヒーローズ・プロジェクトに共鳴したカタチだ。
約2ヵ月ぶりのレース。スポーツ観戦に飢えていたアメリカだけに、視聴率はかなり高かったことと想像がつく。
ドライバー含め1チーム16人に制限!もちろんマスク着用
メディアはわずかに4人のみに制限
1チームあたりの人数をドライバー含め16人までに制限し、PCRや抗体のテストこそ行わないものの、体温チェックなどのスクリーニングをサーキット入りする全員に実施。メディアはコース外側のプレスボックスでソーシャル・ディスタンスを十分取っての観戦(たったの4人のみ許可!)で、テレビのコメンタリーはシャーロットのスタジオでリモート収録と、必要最小限の人数しか動員しないことが徹底された。いつもはぴったりくっついて並んでいるトランスポーターも、1台分とかの間隔を空けて停めさせ、それでもドライバーやクルーたちはパドックやピットでマスクを着用、ビクトリー・レーンに現れたウィナーもマスク着用でガッツ・ポーズだった。この3日後、ウィークデイだけれど、NASCARはダーリントンでもう1レースを敢行する。そちらはトヨタがスポンサーについた。
今回走ったのは40台。1デイ・イベントではあったが、大勢のクルー、ドライバー、シリーズやコースのスタッフが一堂に会した。これでレース開催地のダーリントンでも、チームが集結するシャーロットでも感染拡大が広がらなければ、NASCARは第一段階をクリアする。
インディーカー開幕戦もNASCARとほぼ同様の運営態勢か
第2戦は観客付きの開催となるか?
NTTインディカーシリーズは、6月6日にテキサスで今年最初のレースを行う予定。ザ・リアル・ヒーローズ400の3週間後というところは、なかなか良い。シーズンを再開させたNASCARが、万が一感染拡大を引き起こしてしまった…………などの場合に中止や延期といった対処が可能となる。当然、こちらも無観客での開催だ。メディアの人数やアクセスに関する制限、参加者の健康チェックなどはNASCARとほぼ同様になるだろう。
NASCARは5月中のレース開催に関しては遠征距離を短く制限。ダーリントンでの2レースはプラクティスも予選も行わない。一方、6月6日にテキサス州のテキサス・モーター・スピードウエイでシーズン開幕するインディーカーは、同じく1デイ・イベントとはするものの、プラクティス、予選、決勝レースを6月6日の土曜日1日で行う。今年から採用のエアロスクリーンを装着したマシンでテキサスを走行しているチームはルーキーを起用しているところぐらいなので、イキナリのぶっつけ本番とはいかない事情があるのだ。
テキサスのレースが無事に終わり、シリーズ第2戦目からは通常通りの開催となるだろうか。ロード・アメリカのあるウィスコンシン州の最高裁は先週、”州知事による外出禁止令延長は違法”との判断を下したので、ロード・アメリカのレースはファンの入場を許可して行われることになる可能性十分。果たしてインディーカーとプロモーターはどのような判断を下すのだろうか。
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