インディーカー開幕戦はやはり無観客開催に
テキサス州が屋外でのプロ・スポーツ・イベントに観客を入れることを許可することになった。6月から無観客でのイベント開催を許可する決定をしていたテキサス州だが、それを修正、5月31日から通常の収容可能観客数の25％までであればファンを入場させてよいことになる。屋内でのイベントは、引き続き観客を入れることが許されないが……。
6月6日に決勝の行われるNTTインディーカー・シリーズの2020年シーズン開幕戦＝ジェネシス300は、この新ルールによって観客を入れて良いことになった。しかし、レース開催サーキットであるテキサス・モーター・スピードウェイの社長＝エディ・ゴセージは、「新ルールとなってもジェネシス300は無観客で開催する」との声明を出した。「スタンドをファンで埋め尽くしたい、という思いを私以上に持っている人はいないだろうが、それはまだできる状態になっていない」とも彼はコメントしている。時間的猶予が小さ過ぎ、対応しかねたというのが実情だろう。
未だ衰えを見せないテキサス数のCOVID-19感染者数
観客を入れての今季初レースとなるロードアメリカも危険度高し
テキサス州は、5月27日の水曜日に新しいCOVID-19感染者が1,361人も出て、翌木曜日に1,855人、金曜日に1,230人の増加があった。1日あたりの増加で州の新記録が報告された日、つまりは事態がまるで収束の方向に進んでいない状況があらためて明らかになった日に”観客オーケー”のゴー・サインが出されたのだから驚きだ。
インディーカーは7月4日にシリーズ第2戦となるGMRグラン・プリを開催予定だが、NASCARとの併催という歴史的イべントでファンをスタンドに入れるのか、入れないのか、まだ決定していない。ということで、7月11、12日決勝のREVグループ・グラン・プリ・アット・ロード・アメリカ（ダブルへダー）が、ファンの現場での観戦を許す最初のイべントとなる可能性が高まっている。ロード・アメリカのあるウィスコンシン州は、州の最高裁が”州知事による外出禁止令の延長”を違法と裁定。それを受けてロード・アメリカのプロモーターは、観客を入れる意向でイべント開催の準備を進めているからだ。しかし、そのウィスコンシン州も、この水曜から1日毎の感染者数増加が599人、512人、733人と、減少傾向に向かったのは一時的で、再び高い増加率に戻っている。テキサス州の人口が2,900万人で、ウィスコンシン州が600万人以下という数字を見ると、ウィスコンシンの方が状況はかなり悪いとわかる。もちろん、感染者が集中的に出ているエリアが存在している、というのも事実。ウィスコンシン州に行ったら、どこもかしこも危険、ということはないのだが……。
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