2020 INDYCARレポート 4月20 日:テキサスで開幕し、ウィスコンシン、ヴァージニアと続く6月のインディーカーは……
未だ見通し不透明な開幕のテキサス戦
5月に開催予定だったGMRグランプリと第104回インディアナ
ポリス500が延期されたので、6月初旬のジェネシス600が2020年シーズンの開幕戦……というのが今の予定だ。
テキサス州のCOVID-19ウィルス感染者数は4月1日に3,997人(死亡58人)だったのが、4月10日には11,671人(226人)まで増え、4月19日には18,923人(477人)と上昇を続け、全米で10番目に感染者の多い州になっている。10万人あたりの感染者数が全米25位にも入っていない点は救いだが、4月17、18日には感染者増加の新記録を2日続けて出しており、まだ収束の目処は立っていない。同じ4月19日、東京は感染者3,082人/死者71人で、日本全体は10,808人/239人だった。そして、アメリカで最もひどいニュー・ヨーク州は感染242,786人/死亡13,869人という数字だ。
外出禁止令発令の遅さと
感染検査の少なさが感染の広がりに
テキサスで感染が広がったのは、知事による外出禁止令が出されたのが4月1日と遅かったからだろう。一番最初のカリフォルニア州=3月19日と比べるのは酷としても、ニュー・ヨーク州が3月22日の午後8時から外出禁止にした後、ワシントン州が3月23日から、オハイオ州が24日から、と追従する中、テキサス州は遅れに遅れて4月1日にようやく発令。4月2日から実施となった。
州としてウィルス対策に積極的でなかったことは、感染テストを受けている人数が人口の0.5パーセントと非常に少ないところにも現れている。テストを受けるためのハードルを高くしてテストを受けにくくしたので、数が増えて行かなかったということらしい。どこかで聞いたことのあるパターンだ。ニューヨーク州やルイジアナ州のテスト数は人口の2.6パーセントで、全米平均は0.9パーセントということだから、テキサスの少なさは際立っている。
経済活動復活にテキサス州知事は積極的
インディーカー6月開幕には良い材料だが……
そんなテキサス州だが、知事は4月17日、「5月の初旬には州内のビジネスを部分的に再開させる」と発表した。外出禁止令は全米でも遅い方だったのに、その解禁はどこよりも早くしたい意向らしく、閉鎖していた州立公園を開放するなど、オープンの第一弾を4月27日には始めるという。テキサス・モーター・スピードウェイで予定されているインディーカー・レースはそこから約2ヶ月先なので、ファンを集めての開催にゴー・サインが出され、いよいよインディーカー・シーズンが幕を開ける……ということになるのかもしれない。開幕は待ち遠しいが、ちゃんと安全を確保してからとして欲しい。
第2戦のウィスコンシンも感染被害拡大中
そして懸念される第5戦トロントの動向
このテキサス戦がキャンセル、あるいは延期となった場合、現時点で第2戦となっているREVグランプリがシーズン最初のレースになる。ウィスコンシン州ミルウォーキーの北60マイルにあるロード・アメリカで、6月21日に決勝レースが予定されている。
ウィスコンシン州が外出禁止になったのは3月25日の午後8時から。テキサスに比べればかなり早めの発令だったわけだが、こちらも4月19日のデータを見ると、人口580万人に対して感染者数4,346人/死者220人で、未だ被害は拡大中だ。
第3戦以降の行われる州を見ると、ヴァージニア州は3月30日から外出禁止。人口850万人プラスで、感染者8,537人、死者277人。インディアナ州は3月25日から外出禁止。心配なのは5戦目を行う予定のカナダ、オンタリオ州のトロントだ。人口約1,500万人の州で感染者数/死者は10,578人/553人。そのうちトロントは3154人/154人。こちらの問題は感染者数よりもカナダとアメリカとの国境が3月21日から物流のためのトラックなどを除いて自由な行き来が禁止になっている点。つい最近、その期間が1ヶ月延長されたので、現時点だと5月20日までは国境がクローズされ続けるということ。レースは7月10〜12日の予定なので、その1ヶ月前までにはコース設営を始める必要がある。その前に開催の見通しが立っていないと、カナダ唯一のレースは今年は開催されないことになってしまう。
外出禁止解除が早いテキサス、フロリダ
レース開催はしっかりした安全確保後に
第6、7戦はダブルヘダー@アイオワ・スピードウェイ。アイオワ州は外出禁止令を出していない(!)8州のうちのひとつだ。320万人以下と人口も少ないし、密集してないからということなのだろうが、サウス・ダコタ州のようにひとつの工場でドバッと500人以上が感染……なんていう恐ろしい例も出ているので、どの州でも気は抜けない。
イリノイ州は3月21日の午後5時から、と早めに外出禁止令が出された。この州の大都市シカゴでは刑務所で350人超の大量感染を出した。
ポートランドのあるオレゴン州は3月23日に外出禁止になった。北隣りのワシントンがアメリカで最初の感染爆発地になった影響で。
カリフォルニア州は前述の通り、3月19日から外出禁止。
セント・ピーターズバーグのレースが復活するかもしれないフロリダ州は、4月3日からと外出禁止令が出るのはテキサスと同じく非常に遅かったが、テキサス同様になぜか解禁には積極的で、4月18日にはジャクソンヴィルなど州北部のビーチが開放された。抑制や自粛のし過ぎも問題だが、テキサスとフロリダの場合、ちょっと時期尚早なのでは?
以上
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