2020年2月22日土曜日

2020INDYCARレポート2月22日:ジェイムズ・ヒンチクリフはアンドレッティ・オートスポートから3レースに


スポンサー、ジェネシスの登場で3レース分の資金を確保

チームも古巣、アンドレッティ・オートスポーツとベストな体制に

 昨シーズン終了後にアロウ・シュミット・ピーターソン・モータースポーツがアロウ・マクラーレンSPに体制変更され、使用エンジンがホンダからシボレーにスイッチされた。カナダ出身の人気インディーカー・ドライバーで、通算6勝のジェイムズ・ヒンチクリフ(33歳)はカナダ・ホンダからのサポートなども受けており、マクラーレンの若手起用方針もあってシートを失った。
 これでヒンチは2020年は乗るマシンがなくなった! と思われたが、ジェネシスというスポンサーの協力を獲得、3レース出場分の資金を確保した。あとはチームだけ……となったが、ここからがまた大変で、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング、デイル・コイン・レーシングなども検討した末、古巣のアンドレッティ・オートスポートに戻ってNTTインディーカー・シリーズに出場する話がまとまった。ホンダ・エンジン使用チームを望んでいた彼とすれば、ほぼベストの選択が叶った。ヒンチが乗るのはカー・ナンバー29で、マシンはジェネシスのコーポレイト・カラーであるオレンジ、白、チャコールグレーで彩られる。

地元、トロントのレースにも参戦の意欲をみせるヒンチ

 現時点でヒンチクリフの出場が決定しているのは、GMRグラン・プリ(インディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコース使用レース)、第104回インディアナポリス500プレゼンテッド・バイ・ゲインブリッジ、テキサス6003レースで、今後それが増える可能性も少なくない。例えば、彼の地元トロントでのレースにヒンチは是非とも出たいとの希望を持っている。

 アンドレッティ・オートスポートがフェルナンド・アロンソをインディー500で走らせる件は消滅したようだが、正式発表は未だチームからなされてはいない。しかし、ヒンチを走らせる、つまりは6台目のエントリーを決めた彼らは、アロンソも追加して7……とはならないだろう。


インディー500の予選で堂々たる実績の持ち主

今年好結果を出してレギュラーシート復活を期す


 ヒンチは2015年のインディー500のプラクティス中に大アクシデントで瀕死の重傷を負い、そのシーズンの残りレースをすべて欠場した。2018年のインディーには予選落ちを喫し、19年もグリッド最後列中央となる予選32位だった。しかし、大怪我の翌16年にポール・ポジションを獲得した実績があり、予選2位も12年と14年の2回記録している。PPと合わせて3回のフロント・ロウ・スタートというのは素晴らしいキャリアだ。決勝での成績7回の出場でトップ102回(12/6位、16/7位)ある。直近の2シーズンは所属チームのインディー用マシン・セッティングが決まらなかったが、今年はインディーでコンスタントに速いアンドレッティ・オートスポートのマシンを手にするのだから好走が期待できる。アンドレッティ・オートスポートとしても、信頼性の高いデータやフィードバックが得られる経験も実績も豊富なドライバーを1人プラスすることになる。ただ、スポットのエントリーである点はヒンチにとってマイナス要素。ピット・ストップを含めたチームのクォリティを5人のレギュラー勢と同レべルに揃えるのは簡単ではないからだ。その試練を乗り越えてパフォーマンスをアピールすれば、2021年シーズンにはどこかのチームからフル・シーズン・エントリー復活が果たされるだろう。
以上


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