2020年のNTTインディーカー・シリーズ参戦チームの中で”おもしろいな”と感じているのは、トニー・カナーンとセバスチャン・ブルデイという元チャンピオンを2人起用することになったAJ・フォイト・エンタープライゼスだ。
TKはオーバルで、セブはストリート&ロードで、どちらも得意かつ実績あるコースでカー・ナンバー14を走らせる。ただ、ブルデイの搭乗は今のところ12レース中の4戦に限定。残りはルーキーのダルトン・ケレットが乗ることになっている。
TKはオーバルで、セブはストリート&ロードで、どちらも得意かつ実績あるコースでカー・ナンバー14を走らせる。ただ、ブルデイの搭乗は今のところ12レース中の4戦に限定。残りはルーキーのダルトン・ケレットが乗ることになっている。
テストに姿を見せたカーナンバー14のマシン。フォイトはスポンサー未発表(未決定)の時、よくこのカラーリン |
カナダ出身のケレットはUSF2000から始めてロード・トゥ・インディーで8シーズンを過ごして来たドライバー。インディー・ライツにはアンドレッティ・オートスポートから3年(2016〜18年)、フンコス・レーシング(2019)から1年出場と、体制はかなり良かったが、ポール・ポジション獲得が1回あるだけで優勝はゼロ。インディーカーでパフォーマンスできるか心配な”お客さん”感が強い。しかし、ロード&ストリートのみの出場になる予定の彼は、ブルデイがベースを作ってくれるマシンに乗れるのだから、大きく進化するきっかけをつかむことだって可能かもしれない。いずれにせよ、TKがマテウス・レイストとのコンビで苦戦し続けたフォイトのストリート&ロードコースのプログラムを、ブルデイがどう変えるか、変えられないか……を見るのは実に楽しみだ。チームはエンジニアの顔触れもガラリと変更している。そちらの効果も出てくるかもしれない。
カー・ナンバー4にはチャーリー・キンボールがフル・シーズンで乗る。昨シーズンは7レースにしか出場できなかったチャーリーにとっても二人の元チャンピオンとのタッグは大きな助けになるはずだ。
ブルデイ、テストでの成果は上々 「あとは自分が新しい環境にどれだけ慣れるか」
合同テストは2日間だったが、雨で1日目が潰れた。ブルデイはケレットにも走行時間を与えなくてはならないため、天気が良くなって本格的な走行が始まった午後のセッションで前半を担当。路面コンディションが刻々と変化して行ジャった中、最速の一人として周回を重ねていた。
ブルデイがマシンを降りた後に路面がさらに乾いたため、彼のベスト・ラップは27人が走ったうちの24番手に沈んだが、限られた時間内でとても素晴らしいパフォーマンスを見せたと言って良かった。
「いいシーズンのスタートになった。チームのオペレーションは良いし、エンジニアとの仕事もスムーズに行った」とブルデイも満足気だった。「このチームのマシン・セッティングには様々なアイディアや哲学が入り混じっていると感じたが、それが今後どうなって行くのか……と思うのも毎シーズン感ずるものと同じだ。今回のテスト、僕らのマシンのベース・ラインは良かったと思う。悪天候によりコンディションは難しく、挑戦のしがいがあるものになっていた。チームはコンディションの変化にうまく対応していた。とは言うものの、自分たちはコンディションを追いかけてセッティングを変更していたのではなく、エンジニアのマイク・コリヴァーがトライし、確認したかったセッティングを幾つかトライした。そのセッティングが本当に戦闘力の高いものか、今の時点ではまだ判断を下すのは難しい。コンディションが変化し続けていたのからね。でも、マシンは我々の考えた通りの変化をしていた。バランスが取れており、走らせていて楽しかったし、速さもあった」とブルデイは話した。そして、「特に不満はなく、あとは自分が新しい環境にどれだけ慣れるか。エアロスクリーンについては、ウェット・コンディションで走り、誰かの後ろについた時に汚れが少しだが気になったぐらい。それも問題のないレベルだった。その面でも文句はない。今回のテストは寒かったので、クルマの中が普段より暖かかったところも悪くなかった」と締めくくった。
ブルデイがマシンを降りた後に路面がさらに乾いたため、彼のベスト・ラップは27人が走ったうちの24番手に沈んだが、限られた時間内でとても素晴らしいパフォーマンスを見せたと言って良かった。
「いいシーズンのスタートになった。チームのオペレーションは良いし、エンジニアとの仕事もスムーズに行った」とブルデイも満足気だった。「このチームのマシン・セッティングには様々なアイディアや哲学が入り混じっていると感じたが、それが今後どうなって行くのか……と思うのも毎シーズン感ずるものと同じだ。今回のテスト、僕らのマシンのベース・ラインは良かったと思う。悪天候によりコンディションは難しく、挑戦のしがいがあるものになっていた。チームはコンディションの変化にうまく対応していた。とは言うものの、自分たちはコンディションを追いかけてセッティングを変更していたのではなく、エンジニアのマイク・コリヴァーがトライし、確認したかったセッティングを幾つかトライした。そのセッティングが本当に戦闘力の高いものか、今の時点ではまだ判断を下すのは難しい。コンディションが変化し続けていたのからね。でも、マシンは我々の考えた通りの変化をしていた。バランスが取れており、走らせていて楽しかったし、速さもあった」とブルデイは話した。そして、「特に不満はなく、あとは自分が新しい環境にどれだけ慣れるか。エアロスクリーンについては、ウェット・コンディションで走り、誰かの後ろについた時に汚れが少しだが気になったぐらい。それも問題のないレベルだった。その面でも文句はない。今回のテストは寒かったので、クルマの中が普段より暖かかったところも悪くなかった」と締めくくった。
ケレット「初のインディーカーテストで素晴らしい経験ができた」
ブルデイより背の高いケレットがテストを行うために、シートの交換とステアリング・コラムやペダル類のセッティング変更が必要だった。エアロスクリーンが装着された今シーズン用のマシンでは、この作業に思いの外時間がかかってしまい、ケレットは20周しか走れなかった。それでも、「初めてのインディーカー・テストとして素晴らしい経験ができた。AJ・フォイト・レーシングに深く感謝する。今シーズンが本当に楽しみだ。セバスチャンとマシンをシェアしたため長時間走ることはできなかったが、ミスなく走り、コース・オフもせず、少しずつスピード・アップして行くことができたのは良かったと思う。セバスチャンが実証して見せた通り、僕らのマシンにはスピードがある。自分にとってドライヴィングのし易いマシンで、シーズン・スタートに適した、今後進歩させて行くのが楽しみになる非常に良いセッティングになっているとも感じた」とチーム、マシン、テストすべてが満足のできるものだったことをケレットは喜んでいた。
キンボールも、「カー・ナンバー4での初テストに満足している。エアロスクリーンだけでなく、チームから何から自分にとって新しいことだらけ。その上に悪天候。しかし、とても多くの周回をこなせて、マシンにトラブルは一切出なかった。クルーも成績を出そうと意気込んでいる」とコメント。エアロスクリーンについては、「コクピットの冷却であと少し改善が必要。今回のコンディションでコクピット内が暑過ぎることはなかった。視界については何も問題なかった。あと、コクピット内がとても静かだった。風の音がしない。無線の音はクリア。これで酷暑の日に涼しさを保つことができるようになるのがベスト。水たまり、コースサイドのダートなどもあったが、視界が悪くなって困ることはなかった」と話した。
AJ・フォイト・エンタープライゼスはこの後、セブリング・インターナショナル・レースウェイのショート・コースを使ったテストを1日行ない、セイント・ピーターズバーグでの開幕戦を迎える予定だ。そのテストには今回と同様3人のドライバーが参加する。
また、カー・ナンバー14でオーバルでのレース5戦すべてに出場するプランのTKは、3月25日にリッチモンド・インターナショナル・レースウェイで行われる合同テストが今年最初の走行になる。
以上
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