2019年6月1日土曜日

2019 INDYCARレポート 第7戦 :シヴォレー・デトロイト・グランプリ・レース1 Day1 プラクティス2:プラクティス2はアレクサンダー・ロッシ、ウォーム・アップはライアン・ハンター-レイが最速

レッド・タイヤ装着でロッシがプラクティス2でトップタイムに Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
プラクティス2でパジェノーがクラッシュ!
ロッシはレッド・タイヤで最速タイムを記録

 
 午後2時50分スタートのプラクティス2は、引き続き快晴で、気温は26℃まで上がっていた。路面はドライで、温度は33℃。汗ばむコンディションとなった。このセッションも45分間。午後のプラクティスではインディ500チャンピオンのシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)が壁にヒットして赤旗を出し、そのままセッション終了となった。オプショナル・タイヤ=通称レッド・タイヤ(サイド・ウォールが赤い)も試して良いルールのため、ここではアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)が1分15秒1367でトップだった。プラクティス1でスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)がプライマリー・タイヤ=通称ブラック・タイヤで出したベストは1分16秒7418だったから、午後は温度が高い状況ながら1.6秒以上も速くなっていたということ。路面のグリップ、マシン・セッティングの向上にタイヤ自体のグリップ力の高さが加味されてのことだ。

2019 INDYCARレポート 第7戦 シヴォレー・デトロイト・グランプリ Day1 プラクティス1:デトロイトのプラクティス1はスコット・ディクソンが驚速

2位以下を大きく引き離すタイムをプラクティス1でマークしたディクソン。イニシャルセッティングは好調のようだ Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
ディクソン、プラクティス序盤に最速タイムを記録!
2位のパワー以下は僅差で続く

 最速ラップを記録したのは今シーズンまだ勝利のないスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)。2番手に来たウィル・パワー(チーム・ペンスキー)に0.3464秒も差をつけた。ディクソンのベスト=1分16秒7418は8周目だったが、パワーのそれは20周目。パワーは2セット目を使ったということのはずだ。
 3番手以下は、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)=1分17秒1060/6周目、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)=1分17秒1981/16周目、グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)=1分17秒2201/10周目、コルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング)=1分17秒2252/19周目。ハータはルーキーなので供給されるタイヤが1セット多く、そのアドヴァンテージを使ってトップ6入りした。ディクソンは飛び抜けているが、2番手のパワーから6番手のハータまではコンマ2秒以内という僅差の中にあった。

2019年5月28日火曜日

2019 INDYCARレポート 第103回インディアナポリス500 5月27日:シモン・パジェノーの獲得賞金はほぼ3億円!


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一夜明け、インディー500ウィナー・パジェノーは大忙し 
 スピードウェイのメインストレートで行われる恒例のウィナー撮影会は、午前9時から。「昨日はあの後も7時間メディアに出続け。睡眠は2時間だけで撮影会。でも、大丈夫。ウィナーだけの特別な体験だから。インディ500、インディカーシリーズの代表としてPR活動も頑張る」とパジェノーは笑顔だった。

2019年5月27日月曜日

2019 INDYCARレポート 第103回インディアナポリス500 Race Day 決勝:シモン・パジェノーがインディー500初勝利

Photo:INDYCAR (John Cote) クリックして拡大

 ピット・シークエンスがライバルより3~4周早かったパジェノー
燃費が苦しくなった終盤、レッドフラッグに

 雨の予報は吹き飛び、曇りがちの空の下で始まったレースは、終盤には青空の下で戦われることになった。
 ポール・ポジションからレースをリードし続けたシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)は、レースがもう終盤に入ってからチームメイトのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)にパスされて2番手に下がったが、それは燃費をセーヴするための作戦だったはずだ。1回目のピット・ストップがライヴァル勢より3~4周も先だった彼は、しわ寄せで厳しい状況に追い込まれつつあった。その上、予選9位だったアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)がレース中にグイグイとスピードを上げて来て、177周目にパジェノーをパスした。
 その直後にセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)とグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)の接触に端を発する多重クラッシュ発生。コース清掃のために赤旗が出され、レースは一日中断となった。

2019 INDYCAR レポート 第103回インディアナポリス500 決勝速報:佐藤琢磨「同一周回まで戻してくれたチームに感謝したい」

Photo:INDYCAR (Richard Dowdy) クリックして拡大
佐藤琢磨コメント 「最初のピットストップでトラブルが発生して、もう一度ピットインしなくてはならなくなりました。この状況で(2ラップ遅れ)から、同一周回まで戻してくれたチームに感謝したいです。

2019 INDYCAR レポート 第103回インディアナポリス500 決勝速報:パジェノー「クルマが本当に素晴らしくて、レースの上に乗っているように走れた」

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パジェノー
「今日はほんとに今日はほんとにクルマが素晴らしくて、レールの上を乗ってるように走ることができた。とにかく今胸がいっぱいだ。こういう素晴らしいチームと一緒に、自分たちの仕事をしっかりやっていて、ここの場所にたどり着くことができた」

2019 INDYCAR レポート 第103回インディアナポリス500 決勝速報:シモン・パジェノーがポール・トゥ・ウイン! 佐藤琢磨は最後まで優勝を争い3位でフィニッシュ


Photo:INDYCAR (James Black) クリックして拡大
  第103回インディアナポリス500は、ポール・ポジションからスタートした、チーム・ペンスキーのシモン・パジェノーが優勝した。2位にはアレキサンダー・ロッシ。佐藤琢磨はパジェノー、ロッシと最後まで優勝を争い、3位でフィニッシュした。

2019 INDYCARニュース 第103回インディアナポリス500 Race Day:フンコス・レーシングに新スポンサー

 
CA リバー・プレートのロゴが新たに入ったカイザーのマシン。CAリバー・プレートは、ブエノスアイレスを本拠地とする1901年創立の名門チーム。チーム名はラプラタ川に由来する。2015年のクラブワールドカップでサポーターが大挙来日したことでも知られる Photo:Gustavo Rosso クリックして拡大

 インディー500開幕前にスポンサー喪失のフンコス&カイザー

0.019mphでアロンソをバンプ・アウトし一躍注目

 予選2日目、最後のアタッカーとしてコース・イン、F1チャンピオンとマクラーレン・レーシングを第103回インディアナポリス500のグリッドからバンプ・アウトして世界にその名を知らしめることになったのがカイル・カイザーとフンコス・レーシングだ。
 今年のインディー500が始まる前にスポンサーを失った彼らは、プラクティスでのマシンのセッティングも上々で予選通過確実なスピードが出ていた……が、そのマシンを予選を前にクラッシュさせてしまい、仕方なくバック・アップ・カーにスイッチ。ロードコース用に組まれていたマシンからのコンヴァージョンではインディー用に入念に作り上げたプライマリー・カーと同じレヴェルにまで仕上げることが難しく、予選1日目にはオーヴァーヒートなどのトラブルも出ていたため、予選通過は非常に難しい状況になっていた。
 しかし、カイザーはアロンソのスピードを0.019mph上回り、33番グリッドを獲得した。

2019年5月26日日曜日

2019 INDYCAR ニュース 第103回インディアナポリス500 5月24日:2020年からインディーカーはエアロスクリーン装備でより安全に

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 レッド・ブル・アドヴァンスド・テクノロジーズとのパートナーシップを締結
防弾ポリーカーボネード製でチタニウムフレームを備えモノコックに3点マウント

 第103回インディアナポリス500のファイナル・プラクティスが行われるカーブ・デイに、インディーカーが新しい安全装備についての発表を行なった。レッド・ブル・アドヴァンスド・テクノロジーズとのパートナーシップを新たに結んだインディーカーは、ドライヴァーの安全性向上のためのエアロスクリーンを共同でデザインし、これらを2020年から出場マシンに装着されることとなるという。
 

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 防弾ポリカーボネイト製で、反射防止コーティングが施され、曇り防止の機能も備えるエアロスクリーンは、上端にチタニウム製のフレームを備え、モノコック3箇所にマウントされる。また、ロール・フープにも繋がれるデザインとすることでF1ですでに採用されているHALOと同等のプロテクション性能が実現されるという。
 インディーカーは2016年からポリカーボネートなどのメーカーであるPPGなどと開発を行って来ていた。ここに来てレッド・ブルが開発に関わった経緯についての説明はなかった。

エアロスクリーン採用でAFPはお役御免に

 
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  スクリーンの汚れに対応すべく、テア・オフの開発も今後続けられるという。また、スクリーン装着でコクピット内が熱くなるため、ダラーラがクーリング・システムも開発がすでに始めている。
 インディ500の前のインディーカー・グラン・プリから全車に装着が義務付けられたAFP(アドヴァンスト・フロンタル・プロテクション)というデヴァイスは、スクリーンの登場で御役御免となるようだ。ただし、そのマウント部がスクリーン装着時にはシャシー・センター・ピラー用に使われることになるようだ。発表されたイラストではその辺りの詳細が分かりにくいのだが……。このデヴァイスは今年の夏の間に最終テストが行われ、秋にも全チームへのデリヴァリーが始まる予定だ。

レッドブルのクリスチャン・ホーナー
「エアロスクリーンのポテンシャルは大きい
今後数か月間で性能をさらに向上させ、完成させたい」
 

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  インディ500で1勝、インディーカー・シリーズでチャンピオンになること5回のスコット・ディクソンは、インディーカーに協力し、エアロスクリーンの開発に携わって来た。彼は、「インディーカーはドライヴァーの安全対策で常に先頭を走って来た。彼らは常に現状を評価し、次に何を行なうべきかを考えて来ている。自動車レースが始まった100年前から、時代が移り変われども、インディーカーはずっとそれを続けて来ている。エアロスクリーンは、その最新版だ」と語っている。
 
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  レッド・ブル・アドヴァンスト・テクノロジーズのCEOで、レッド・ブル・レーシング・チームの代表を務めるクリスチャン・ホーナーも、「マシンが前方から衝突する際、ドライヴァーを守る装備としてエアロスクリーンが持つポテンシャルは高い。それは以前から明らかになっていた。インディーカーとパートナーになることで、エアロスクリーンの持つ可能性を最大限に引き出したい。この装備によって、ドライヴァーたちの負傷を軽減し、アメリカ最高峰シングル・シーター・レースにおける死亡事故も防ぐことになるかもしれない。今後の数ヶ月間、私たちとインディーカー、そしてインディーカーのドライヴァーたちと密接に働き、エアロスクリーンの性能を更に向上させ、完成させたい」とコメントしている。
以上

2019 INDYCARレポート 第103回インディアナポリス500 5月25日:シモン・パジェノーは強力な優勝候補?

マシンの仕上がりに自信を見せるパジェノー。ペンスキーのインディー500での50周年を飾ることはできるのだろうか? Photo:Naoki Shigenobu クリックして拡大
ユニヴァーサル・エアロをついに克服
自信を取り戻したパジェノー

 インディー500での初ポール・ポジションを獲得したシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)。フランス出身で現在35歳の彼は、ザ・グレイテスト・スペクタクル・イン・レーシングへの出場は今年が9回目だ。
 2018年に導入されたユニヴァーサル・エアロ・キットをマスターするのに時間がかかったパジェノー。しかし、フェニックス、インディ、テキサスでは予選2位に入り、アイオワ、ポコノ、ゲイトウェイでも予選4、5、6位と、オーヴァルでの戦闘力は決して低くなかった。インディで6位、テキサスで2位など、レースにおいてもオーヴァルでは上位フィニッシュを記録していた。

 今シーズンは開幕からストリート/ロードコースでの5戦続くスケジュールだが、パジェノーは最初の4戦で3回トップ10フィニッシュ。そして、決勝が雨になった第5戦インディーカー・グラン・プリで2017年の最終戦以来となる優勝を飾った。まだ予選での速さは2、3年前のものに届いていないが、ウェット・コンディションで圧倒的な速さを発揮しての優勝でパジェノーは失っていた自信を取り戻した。