2019年8月31日土曜日

2019 INDYCARレポート R16 グランプリ・オブ・ポートランド Day1 プラクティス2:プラクティス2最速はセバスチャン・ブルデイ


Photo:INDYCAR (Stephen King)
ブルデイ、セッション2終盤にレッドタイヤでトップに

しかし、その次のラップでタイヤバリアにクラッシュ

 プラクティス1では23台出場中の15番手と目立たなかったセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)だったが、少し暑くなった午後のプラクティスでは、セッション終盤にレッド・タイヤを装着して57.9213秒のトップ・タイムをマーク。その次のラップに彼はファイナル・ターンでコース・オフし、タイヤ・バリアにまっすぐクラッシュ。まだ2分以上を残してセッション終了となった。

アンダーを消すことに苦労していたというブルデイだが……

 「マシンはとても速い。アンダーステアを消すことに苦労をしていた。アクシデントを起こしたが、どうしてそうなったのか、まだ原因を完全には把握できていない」とブルデイは話した。ブレーキングで右フロント・ホイールがロックし、スピードを落とし切れずにコントロールを失った。それでコースを外れたように見えたが、そうなる原因がメカニカルな面であったということなのだろうか?? ブルデイは手をステアリングにぶつけたが大きな怪我はなく、すぐ後のピット・ストップ・プラクティスに出場することもできた。

パワー、セッティング変更が功を奏して2番手タイム

ディクソンはブラックタイヤでの走行を入念にこなす

Photo:INDYCAR (Joe Skibinski)
 2番手はウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だった。ブルデイとの差は0.0289秒。「マシンの仕上がりは良い。ハッピーだ」と話していた昨年のポール・ウィナーだが、そのベストは1ラップのアタックのみで記録したもの。ピットでセッティング変更を行ない、もう一度タイム・アタックしたかったが、赤旗でそれは実現できなかった。

Photo:INDYCAR (Stephen King)
 スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)はブラック・タイヤでの走行を重ね、多くのドライバーたちがすでにレッドで走り始めていた残り9分の時点でブラック装着でのピット・アウトをしていたほどだった。今年のトレンドでは、レッドでの走行開始が少し早まっていた。セッション終盤のレッドでデータ収集をし損ねるのを防ぐためだ。しかし、ポートランドではこれまでの今年のレースよりレッドでの走行開始は多くのチームが遅くしていた。レッドが出る可能性が低いと見てのことだろうが、やはりレッドは出た。そして、残り時間4分で、アタックに入ったら赤旗……というチームが少なくなかった。それでもディクソンの場合、チームメイトのルーキー、フェリックス・ローゼンクヴィストが3番手につけており、少なくとも情報がゼロ……というわけではなかった。2番手のパワーにローゼンクヴィストのベストは0.1100秒の差をつけられていたが。アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)もレッドでのフライング・ラップを記録できなかった。

4番手にはコルトン・ハータ!ニューガーデンも安定の5位

午前中のプラクティス1で最速だったコルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング)は5808484番手。ポイント・リーダーで、プラクティス14番手につけていたジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)は580969のベストで5番手だった。その次の6番手がランキング3番手にいるアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)=582102。ランキング2番手にいるシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)は5822077番手と、タイトル・コンテンダーたちは皆まずまずのパフォーマンスを見せていた。
 「プラクティス2ではレッド・タイヤでアタックできなかった。おそらく、3番手ぐらいのタイムは出せていた。マシンの状況にはとても満足している。まだセッティングで解決すべき点はあるが、それは明日までにエンジニアたちと検討する。自分たちは今週末、競争力があると思う。あとは現時点のマシンをどこまでファイン・チューニングできるかだ」とロッシはコメントした。

セッション2の直後のレース用ウォームアップではハンター‐レイがトップに


Photo:INDYCAR (Joe Skibinski)
プラクティス2のすぐ後、ピット・ストップ・プラクティスという名目の、レース用ウォーム・アップ・セッションが開催された。出場チームはこの30分間でもちろんピット・ストップの練習を繰り返すが、レースに向けたセッティングのチェックも行うことができる。レッド・タイヤでの走行も許されるセッションで582729を出して最速だったのはライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)だった。装着タイヤはレッドだった。気温はプラクティス2より1度上がり、今日の最高となる27℃となった。路面温度は37℃に達した。

 「今日は最初から小さなトラブルがあり、それに悩まされ続けたが、最後のセッションでついに問題が解決した。トラブルのせいで、プラクティス2ではレッドでの計測ラップもなく、ピット・ストップ・プラクティスでそれを行なった。ドタバタした1日だったが、なんとかなった。明日はスムーズな1日にしたい」とハンター-レイは話した。昨年、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)を攻略し切れずの2位となったハンター-レイだけに、雪辱に燃えている。


Photo:INDYCAR (Stephen King)
このセッションではハンター-レイのチームメイトのザック・ヴィーチが2番手。3番手はディクソンで、4番手はジェイムズ・ヒンチクリフ(アロウ・シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)。ハータが5番手、さらにはロッシの後ろの7番手がグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)で、トップ7がホンダ・ドライヴァーだった。シヴォレー最上位はスペンサー・ピゴット(エド・カーペンター・レーシング)の8番手。9番手はスポット参戦のコナー・デイリー(アロウ・シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)で、10番手はローセンクヴィスト。トップ10に入ったシェヴィー・ユーザーはピゴットだけ。ニューガーデンは11番手で、パワーがその次の12番手。パジェノーは14番手だった。

佐藤琢磨「ロングランの感触はすごくよかった」  
 
Photo:INDYCAR (Joe Skibinski)

 琢磨は20番手で、「プラクティス1からの伸びはあまりなかった」と話したが、「それでも、ロングランの感触はすごく良かった」とレースに対する手応えは感じていた。心配なのは、予選でのパフォーマンス。琢磨は、「予選での一発の速さという面では、去年も僕らはポートランドでそれを確保できていなかったけれど、今年もそういう状況で、ちょっと心配といえば、心配」とコメントしていた。
 明日、予選の前にもう一度プラクティスがある。そして、予選の後には、もう決勝スタートまでプラクティスはスケジュールされていない。
以上

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