2019年8月31日土曜日

2019 INDYCARレポート R16 グランプリ・オブ・ポートランド:ポートランド のプラクティス1最速はコルトン・ハータ


 
ファイアストンのポートランド戦プレビュー・リリースに佐藤琢磨が登場!ファイアストンのリリースに佐藤琢磨が起用されたのは初めてのこと


注目を集める“ディフェンディング・ウイナー”佐藤琢磨

 3週連続レースの最後を飾るグラン・プリ・オヴ・ポートランド。インディカーシリーズは北米大陸中央付近のイリノイ州マディソンから西海岸北部まで2,000マイルも移動して来た。

 2007以来のカレンダー復帰を果たしたフラットなロードコースにおけるレースでは、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が20番グリッドから優勝を飾った。このレースのディフェンディング・ウィナーとして、さらには直近のゲイトウェイで勝ったばかりのドライバーとして、琢磨はとても大きな注目を集めている。ピットやガレージで彼の周りに集まるファンは多い。


Photo:INDYCAR (Chris Owens)
ルーキーのアドヴァンテージを生かし、ハータがトップタイム

ロッシが2番手でアンドレッティ勢がペースセッターに

 45分間のプラクティス1。最速ラップを記録したのはコルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング)だった。ルーキーにタイヤが1セット多く供給されること、プライヴェート・テストを行ったこと、二つのアドヴァンテージを持つ彼らが574293のベスト・ラップをマークした。プライマリー・タイヤ使用でありながら、昨年のPPタイム=573467に迫って見せたのだ。

 2番手はアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)、5番手にマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ・ウィズ・マルコ・アンド・カーブ・アガジェニアン)、7番手にザック・ヴィーチ(アンドレッティ・オートスポート)9番手に昨年2位のライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)と、今回はアンドレッティ軍団がペース・セッターになっている。ハーディング・スタインブレナー・レーシングのテスト・データが共有されているからだ。出場チームのテスト日数は制限できても、そのデータのチーム間での共有をレギュレーションで禁止することはできない。来シーズン以降、この手の参戦体制が増える可能性は十分にある。

3番手にはディクソン、ニューガーデンは4番手

Photo:INDYCAR (Joe Skibinski)
 アンドレッティ軍団に割って入って3番手につけたのはスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)。ベストは577922で、ハータとは0.3629秒差、ロッシとは0.2384秒差だった。同じく4番手に来たのがポイント・リーダーのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)。タイムは578504で、トップとは0.4211の差。6番手のジェイムズ・ヒンチクリフ(アロー・シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)=57

9479、そして8番手のフェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ・レーシング)=580262だった。



 琢磨は19周を走り、8ラップ目に581906のベストを出して10番手につけた。彼の後ろの1112番手はウィル・パワー(チーム・ペンスキー)と、ポイント争いで2番手につけているシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)だった。琢磨のチームメイト、グレアム・レイホールは今週も出足が悪い。ベストは584616で、ゲイトウェイと同じ16番手スタートとなった。


休みなしでポートランド入りした佐藤琢磨

「自分たちは今、トップ6に近いところにいる」
 
Photo:INDYCAR (Joe Skibinski)
 琢磨は走行後、「去年の走り出しよりは良いですね。去年優勝したレースでのマシンセッティングというベースがあるし、今年の自分たちのロードコース用セッティング、そして今年のロードコース用タイヤに対する理解が影響しています。10番手でしたが、アンドレッティはテストに来ているし、ルーキー勢はタイヤが1セット多い。自分たちは現状、トップ6に近いところにいると思います。ここは去年自分たちが優勝したレースだけれど、だからと言って今年簡単に勝ちを狙いに行けることになるとは限らない。去年も自分たちのマシンが一番速かったわけではなかった。ライアン・ハンター-レイが一番速かった。そういう意味で、今は予選までに、他のチームとのスピードのギャップを縮めることに集中したい」とコメントし、「モチヴェーションはこれ以上、上がらないってぐらい上がっています。先週は考え得る最高の形で、サポートしてくれている人たちへのお礼ができたと思います。その後は元々のスケジュールもあって大忙しでしたが、それは嬉しい悲鳴で、各地でたくさん祝福をしてもらって、ポートランドでのメディア・デイにも出席してましたが、インタヴューも凄く楽しかった。先週のレースから1日も休めなかったけれど、結果的にそれは非常に良かったと思います。チームもすごく良い雰囲気です」とも琢磨は話した。



 タイトル・コンテンダーたちは、ランキング3番手のロッシが先行し、70点差の4番手にいるディクソンも快調。ポイント・リーダーのニューガーデンも僅差につけていて、ゲイトウェイでランキングが2番手に上がったパジェノーだけがスロー・スタート。



 ゲイトウェイでキャリア3回目の4位フィニッシュを記録してルーキー・ポイント・トップに浮上、注目度が急上昇中のサンティーノ・フェルッチ(デイル・コイン・レーシング)は、今週は19番手と出遅れた。先週のプラクティス1はトップ・タイムだったが今週末は先輩チームメイトのセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)も15番手。持ち込んだマシン・セッティングが外れていたようだ。



 アルファ・ロメオ・レーシングとの契約からスタンド・バイ・ドライヴァーとしてF1ベルギーGPに行くことになったマーカス・エリクソン(アロウ・シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)の代役として急遽ポートランドに出場することとなったコナー・デイリーは、今年初のロードコース・イヴェント出場ということもあり、プラクティス1ではセッション・トップより1.7535秒遅く、出場23台の最下位だった。彼はカリフォルニア州モンテレイのロードコース、ウェザーテック・レースウェイ・アット・ラグナ・セカでのレースにアンドレッティ・オートスポートから出場の予定なので、今週はそのウォーム・アップになりそうだ。

以上


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