2019年8月18日日曜日

2019 INDYCAR レポート R14 ABCサプライ 500 Day1 プラクティス::ポコノのペースセッターはトニー・カナーン!

天候によってスケジュールは大幅変更になり、予選もキャンセルに Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
天候の影響で午前のプラクティス1がキャンセルに
路面の乾燥作業のため午後の予選も中止


 ペンシルヴェニア州の山間にあるポコノ・レースウェイ。標高は570メートルほど。今日は朝から快晴だったが、サーキットを取り巻くエリアには霧の出たところもあり、救急ヘリコプターが到着せず。雨雲も近づいていたため、インディカーは午前9時30分開始予定だったプラクティス1をキャンセルすることを決定した。その指示を受けて全車がピットからガレージへと引き上げた後、雨は実際に短時間だが強く降った。これで乾燥作業が必要になり、予選もキャンセルされ、代わりに2時間のプラクティスが行われることとなった。


カナーン、久々に健在ぶりを発揮しセッショントップに Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
代替プラクティスではカナーンがトップタイム!

 そのスタートは午後1時53分。気温27℃、路面温度=41℃。雨上がりで蒸し暑くなったコンディションとなった長いセッションで最速ラップをマークしたのはトニー・カナーン(AJ・フォイト・エンタープライゼス)だった。現役最年長ドライバーのカナーンは、前戦のミッド・オハイオ(=ロードコース)では予選最下位だったが、一転ポコノのプラクティスでは最速ランナーとなった。彼はこのセッション中に55周をこなし、28周目に216.354mph=41秒5984を記録したのだ。もちろんドラフティングを利用してのことだ。「マシンの仕上がりはとても良い。前のレースからチームに加わってくれたドン・ハリデイの助けが大きい。マシン・セッティングで悩んでモチベーションも下がっていたが、インディ500で良かったマシンはポコノで更に良いものになっている」とカナーンは笑顔を見せた。しかし、スターティング・グリッドはエントラント・ポイント順のため、カナーンは明日のレースを19番グリッドからスタートする。「予選をやりたかった。やれなかったことが今回は自分たちにとって大きな不利となった。このコースはオーバーテイクが難しい。特にトラフィックの中では……」ともカナーンは話した。

2番手はディクソン!
ロッシとパジェノーが4、5番手に

 
プラクティス4番手とマシンのセットアップも順調。しかもランキング順の予選ではセカンドポジションと、ロッシは好位置につける。一方、パジェノー以外のペンスキー勢はニューガーデンはこのセッション17位、パワーも20位と苦境に Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大

  2番手はミッド・オハイオで優勝(今季2勝目)したばかりのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)。ベストは215.761mph=41秒7128だった。4番グリッドから6度目のタイトル獲得に更に前進するシーズン3勝目を飾ることはできるか?

ポコノでも安定した走行を見せるパジェノー。プラクティスは5番手、ランキング順のスタートは3番手だ Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
 トップ2がベテランだったのに対し、3番手にはルーキーのサンティーノ・フェルッチ(デイル・コイン・レーシング)が来た。彼のベスト・ラップは215.377mph=41秒7872。4番手はポイント2番手のアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)がつけ、5番手はランキング3番手のシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)だった。パジェノーはクラッチ・トラブルでセッション開始から40分ほど走れなかったが、走り出してからは好調だった。

新しいタイヤに苦しんだ佐藤琢磨はこのセッション18位


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 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は18番手。61周を走ったが、ベストは26周目の214.154mph=42秒0259だった。チームメイトのグレアム・レイホールは214.617mph=41秒9351で10番手だった。今回のレースにファイアストンが供給するタイヤは、右側が今年のインディ500と同一構造で、昨年のポコノと同一コンパウンド。左側は構造もコンパウンドも今年のインディ500と同じ。つまりは、去年のポコノでのレースで使われたタイヤとは左右ともコンストラクションが異なり、左サイドはコンパウンドも初採用。このスペックでポコノを事前に走ったドライバーはゼロ。タイヤへの対応がうまく行ったのがフォイトらの陣営で、レイホールはそこで大きく躓いてしまったようだ。

苦悩する琢磨「どのコーナーでもアクセルをオフしている
このマシンなら予選はやらなくてよかった」


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 「2時間の1セッションになったことで、難しくなっていました。予選はやりたかったけれど、このクルマだったらやらなくて良かった。今回の自分たちは走り出しのマシンが非常に悪かった。シミュレーターでのテストなどからインディ500用のセッティングを使おうということになったんですが、それが結果的に良くなかった。どのコーナーでもアクセルをオフしている。タイヤが新しい状態でもターン2は全開で行けない。セッションを終えた今、ようやくレース・ウィークエンドの走り出しのところに立てたぐらいの感じ。これからデータを見て、グレアム・レイホールとの比較などもしながら、明日のセッティングを決めますが、どこまで良くできるか……」と話す琢磨の表情は険しかった。救いは琢磨が今日の18番手という順位ではなく、ランキングによって7番手のグリッドから明日のレースに出場できることだ。

インディーカー参戦10周年記念スペシャルヘルメットを手にポーズを決める佐藤琢磨。ストライプの色はこれまでインディーカーで乗ってきたマシンのカラーリングをフィーチャーしている Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
以上

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