2019年7月22日月曜日

2019 INDYCARレポート R12 アイオワ300 Race Day 決勝:メールマガジン:アイオワで実績アリのジョセフ・ニューガーデンがシーズン4勝目でポイントリードを広げる

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ニューガーデン、リードラップ245周での圧倒的勝利

 ポイント・リーダーのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が、アイオワのレースで圧倒的強さを見せた。骨折していても勝った2016年のレースの再現と言っても良かった。あのレースで彼は282周をリードしたが、今晩の彼は245周のリード・ラップとともに勝利を飾った。これで今シーズン4勝目。ポイント2番手のアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)は6位、ポイント3位のシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)は4位フィニッシュだったことから、ニューガーデンは二度目のタイトルに向けてポイント・リードを広げることとなった。残るは5戦だ。


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雨のためスタートは4時間半以上も遅れミッドナイトレースに
ペンスキー同士のバトルを制しニューガーデンが50周目に首位に

 予定のスタート時刻だった6時15分まで30分を切ってから豪雨があり、グリーン・フラッグが振り下されたのは夜の10時51分。予定より4時間半以上も遅れ、夕方のレースだったはずが完全なるナイト・レースになった。
 照明を浴びながら22台がレースを開始。予選2位からウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がトップに躍り出、予選4位から佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)がニューガーデンとパジェノーをパス、一気に2位に浮上した。
 周回を重ねてスピードが上がるように……とユーズド・タイヤでファイナル・プラクティスを走った琢磨だったが、ペンスキー勢よりスピード・ダウンは早かった。安定感を保ったペンスキー・ドライバーたちがチームメイト同士でトップ3バトル。走りに今ひとつキレのないポール・シッターのパジェノー(チーム・ペンスキー)は3番手に下がり、周回を重ねても一番スピードの落ちなかったニューガーデンが50周を前にトップに立った。そこからのニューガーデンは、ピット・タイミング以外でトップをキープ。最後まで彼にアタックを仕掛けるドライバーは生まれなかった。

未知のコンディションに完全に対応したニューガーデン
ポールポジションのパジェノーはアンダーに苦しむ


 レースのコンディションは、昨日のプラクティス1、予選、ファイナル・プラクティスとはまったく違っていた。日中より10℃近くも涼しい気温、20℃以上も低い路面温度で最も速く、スティントを通してスピードが落ちなかったのがニューガーデンだった。
 「チームメイト間でセッティングの違いはほとんどない」とレース後にニューガーデンは話したが、それを信じるのが難しいほど彼らの間にはスピード差があった。

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 「昨日、予選で持てる力をフルに発揮できずに悔しい思いをした。それを決勝では晴らしたかった。予選と決勝、ひとつの週末にはふたつのレースがあり、その両方で勝ちたいのが自分。昨日は予選3位でベストのパフォーマンスを見せることができなかったので、”レースでは必ず最速になってみせる”と強く思った。今日、こうやって力強さを見せて勝てたことは本当に嬉しい」とニューガーデンは充実感に満ちた表情で語った。
 トロントからの連勝を狙っていたパジェノーは、4位でフィニッシュ。「今日のジョセフ(・ニューガーデン)は本当に速かった。自分たちのマシンも良かったが、アンダーステアが強過ぎ、トラフィックでの走りをアグレッシブに行えなかった」と苦戦の理由を語った。ニューガーデンとのポイント差は39点から58点に広がった。

ディクソン、2ラップダウンに近い状況から
驚異のオーバーテイク・ショウで2位に!


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 2位でゴールしたのはスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)だった。最初のスティントはオーバーステア、次のスティントはアンダーステアに悩まされ、序盤にして大きくポジション・ダウン。トップ10圏外を延々と走り続けていたディクソンだったが、最後のピット・ストップを大きく遅らせる燃費走法に絶妙のタイミングでフル・コース・コーションが発生。トップ・グループをずっと走り続けていたライバルたちより10周以上も遅くピットに入った彼はタイヤの新しさを武器に猛スパート。残り25周で切られた最後のリスタート以降にグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、昨年アイオワで2位フィニッシュしているスペンサー・ピゴット(エド・カーペンター・レーシング)、パジェノー、昨年のウィナーのジェイムズ・ヒンチクリフ(アロー・シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)をパスし、ニューガーデンの2秒後方まで迫った。しかし、最後のひとりをパスするところまでは行けなかった。ディクソンの接近を知ったニューガーデンには、ペースを上げ直して逃げる余裕があったのだ。
 2位という結果をディクソンは喜んでいた。「最後まで諦めず、ゴールまで走り続けた。一時は2ラップ・ダウン近い状況にあった。自分でもどうやってここまで上位に上がって来れたのか、よくわからない。14位とか15位で終わっていても不思議はなかったレースだったのに、こんなに好成績が得られるなんて……チームのおかげだ」とディクソンは語った。
 3位はヒンチクリフ。6番手を走っていたエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)がクラッシュして出された最後のイエロー、その少し前までシヴォレー勢がトップ4を占めていた。しかし、作戦と粘り強さでディクソンがトップ3入りし、ヒンチクリフはアイオワでの強さを発揮し、自力で表彰台圏内まで上り詰めた。

苦戦を予期していたロッシ、6位フィニッシュ
「昨日の状況から考えれば、最大限の成果をあげることができた」


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  ポイント2番手のアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)は、スタート前から”今日の自分たちはトップ4を狙えるマシンにしかなっていないと思う”と状況を分析していた。それは正しく、彼がアイオワでトップの座を争うことはなかった。それでも辛抱強く戦い続けた結果、ロッシは6位でフィニッシュ。ポイント・ダメージを最小限に抑えた。それでも、レース前に4点だった差は29点になった。「今日の結果は痛い。苦戦すると考えていたが、実際にその通りになった。しかし、自分たちとしては、できる限りのポイントを稼ぐことができた。残るシーズンもそういう戦いを続けるだけだ。昨日の状況から考えれば、僕らのチームは最大限の成果を挙げることができたと思う。アイオワのコースでは、自分たちには優勝を争うために何かが不足している」とロッシは話していた。

佐藤琢磨、マシントラブルでリタイア
ポイントスタンディング6位はキープ


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  琢磨は最終的にマシン・トラブルによるリタイアとなった。スタート・ダッシュで2番手を走り、ライバル勢より一度多いピット・ストップを行うショート・スティント作戦で逆転勝利を目指すことにもトライしたが、フレッシュ・タイヤで勢いよくポジション・アップをしている最中、競い合う2台のマシンの後ろで一瞬ラインがアウトに流れたところで追突され、アンダー・トレイを破損したためにレース続行ができなくなった。
 「テキサスからずっと、上位を走っていながら結果を残せていない」と琢磨は悔しがっていた。「昨日とまったく違うコンディション。それにマシンを合わせるのは難しく、自分たちはそれがうまく行かなかった。予選でトップ3だったペンスキー勢は、その速さを今日のレースでも保っていた。自分たちは予選は4位だったけれど、レースではスティントが30周を超えたぐらいからペースの下がり具合が大きくなっていた」と琢磨はレースを振り返り、次のミッド・オハイオで好成績を上げることにフォーカスすることを誓っていた。琢磨のランキングは6番手がまだ保たれているが、ポイント・リーダーとの差は176点になり、ランキング7番手のライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)は13点差、ランキング8番手のレイホールは21点差に迫って来ている。
以上

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