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ポイント・リーダーのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が、アイオワのレースで圧倒的強さを見せた。骨折していても勝った2016年のレースの再現と言っても良かった。あのレースで彼は282周をリードしたが、今晩の彼は245周のリード・ラップとともに勝利を飾った。これで今シーズン4勝目。ポイント2番手のアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)は6位、ポイント3位のシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)は4位フィニッシュだったことから、ニューガーデンは二度目のタイトルに向けてポイント・リードを広げることとなった。残るは5戦だ。
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ペンスキー同士のバトルを制しニューガーデンが50周目に首位に
予定のスタート時刻だった6時15分まで30分を切ってから豪雨があり、グリーン・フラッグが振り下されたのは夜の10時51分。予定より4時間半以上も遅れ、夕方のレースだったはずが完全なるナイト・レースになった。
照明を浴びながら22台がレースを開始。予選2位からウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がトップに躍り出、予選4位から佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)がニューガーデンとパジェノーをパス、一気に2位に浮上した。
周回を重ねてスピードが上がるように……とユーズド・タイヤでファイナル・プラクティスを走った琢磨だったが、ペンスキー勢よりスピード・ダウンは早かった。安定感を保ったペンスキー・ドライバーたちがチームメイト同士でトップ3バトル。走りに今ひとつキレのないポール・シッターのパジェノー(チーム・ペンスキー)は3番手に下がり、周回を重ねても一番スピードの落ちなかったニューガーデンが50周を前にトップに立った。そこからのニューガーデンは、ピット・タイミング以外でトップをキープ。最後まで彼にアタックを仕掛けるドライバーは生まれなかった。
未知のコンディションに完全に対応したニューガーデン
ポールポジションのパジェノーはアンダーに苦しむ
レースのコンディションは、昨日のプラクティス1、予選、ファイナル・プラクティスとはまったく違っていた。日中より10℃近くも涼しい気温、20℃以上も低い路面温度で最も速く、スティントを通してスピードが落ちなかったのがニューガーデンだった。
「チームメイト間でセッティングの違いはほとんどない」とレース後にニューガーデンは話したが、それを信じるのが難しいほど彼らの間にはスピード差があった。
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トロントからの連勝を狙っていたパジェノーは、4位でフィニッシュ。「今日のジョセフ(・ニューガーデン)は本当に速かった。自分たちのマシンも良かったが、アンダーステアが強過ぎ、トラフィックでの走りをアグレッシブに行えなかった」と苦戦の理由を語った。ニューガーデンとのポイント差は39点から58点に広がった。
ディクソン、2ラップダウンに近い状況から
驚異のオーバーテイク・ショウで2位に!
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2位でゴールしたのはスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)だった。最初のスティントはオーバーステア、次のスティントはアンダーステアに悩まされ、序盤にして大きくポジション・ダウン。トップ10圏外を延々と走り続けていたディクソンだったが、最後のピット・ストップを大きく遅らせる燃費走法に絶妙のタイミングでフル・コース・コーションが発生。トップ・グループをずっと走り続けていたライバルたちより10周以上も遅くピットに入った彼はタイヤの新しさを武器に猛スパート。残り25周で切られた最後のリスタート以降にグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、昨年アイオワで2位フィニッシュしているスペンサー・ピゴット(エド・カーペンター・レーシング)、パジェノー、昨年のウィナーのジェイムズ・ヒンチクリフ(アロー・シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)をパスし、ニューガーデンの2秒後方まで迫った。しかし、最後のひとりをパスするところまでは行けなかった。ディクソンの接近を知ったニューガーデンには、ペースを上げ直して逃げる余裕があったのだ。
2位という結果をディクソンは喜んでいた。「最後まで諦めず、ゴールまで走り続けた。一時は2ラップ・ダウン近い状況にあった。自分でもどうやってここまで上位に上がって来れたのか、よくわからない。14位とか15位で終わっていても不思議はなかったレースだったのに、こんなに好成績が得られるなんて……チームのおかげだ」とディクソンは語った。
3位はヒンチクリフ。6番手を走っていたエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)がクラッシュして出された最後のイエロー、その少し前までシヴォレー勢がトップ4を占めていた。しかし、作戦と粘り強さでディクソンがトップ3入りし、ヒンチクリフはアイオワでの強さを発揮し、自力で表彰台圏内まで上り詰めた。
苦戦を予期していたロッシ、6位フィニッシュ
「昨日の状況から考えれば、最大限の成果をあげることができた」
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佐藤琢磨、マシントラブルでリタイア
ポイントスタンディング6位はキープ
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「テキサスからずっと、上位を走っていながら結果を残せていない」と琢磨は悔しがっていた。「昨日とまったく違うコンディション。それにマシンを合わせるのは難しく、自分たちはそれがうまく行かなかった。予選でトップ3だったペンスキー勢は、その速さを今日のレースでも保っていた。自分たちは予選は4位だったけれど、レースではスティントが30周を超えたぐらいからペースの下がり具合が大きくなっていた」と琢磨はレースを振り返り、次のミッド・オハイオで好成績を上げることにフォーカスすることを誓っていた。琢磨のランキングは6番手がまだ保たれているが、ポイント・リーダーとの差は176点になり、ランキング7番手のライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)は13点差、ランキング8番手のレイホールは21点差に迫って来ている。
以上
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