2019 INDYCARレポート R11 ホンダ・インディー・トロント Day1 プラクティス2：プラクティス2最速はシモン・パジェノー

セッション２ではパジェノーが安定した速さを見せた　Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大

 パジェノー、ブラックでもレッドでも速くセッション2トップに

　トロントでのプラクティス2回目、気温は23℃とやや上昇し、路面温度も午前中より6℃ほど高いコンディションとなった。空は相変わらず曇りで、短い時間だがセッション中に日が差すこともあった。

　トップ・タイムをマークしたのは今年のインディー500ウィナー＝シモン・パジェノー（チーム・ペンスキー）。プラクティス1でのチーム・ペンスキーはジョセフ・ニューガーデンが2番手でチーム内トップだったが、プラクティス2でのパジェノーはブラック・タイヤでもレッド・タイヤでも速く、59秒8708のベスト・ラップでトップに躍り出た。

ローゼンクヴィストは僅差の2位につけ、現状でルーキー最上位。チップガナッシのマシンの仕上がりは良好　Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大

ローゼンクヴィストが僅差で2番手に
3位のブルデイまでが1分を切る

　2番手はルーキーのフェリックス・ローゼンクヴィスト（チップ・ガナッシ・レーシング）。パジェノーとの差は僅か0.0603秒だった。そして3番手はセバスチャン・ブルデイ（デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン）で、彼のベストはトップと0.1158秒差の59秒9866だった。ここまで、3人のドライバーが1分を切るラップ・タイムを叩き出した。

チップ・ガナッシと見まがうカラースキームでトロントに現れたブルデイがこのセッション3番手につける　Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大　

 　4番手に来たのがスペンサー・ピゴット（エド・カーペンター・レーシング）。今シーズンのECRはロードコースでのパフォーマンスを大きく向上させている。
　午前中のプラクティス1でトップだったスコット・ディクソン（チップ・ガナッシ・レーシング）は5番手。ラップ・タイムは1分00秒1445でトップとの差は0.2737秒だった。

レイホールも仕上がり良好
ニューガーデン、パワーはこのセッション振るわず

　6番時計はグレアム・レイホール（レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング）。ガナッシは2人がトップ5入りしたが、その他はペンスキー、コイン、ECR。RLLも戦闘力をアピールした形だ。7番手にはマルコ・アンドレッティ（アンドレッティ・ハータ・ウィズ・マルコ・アンド・カーブ・アガジェニアン）がつけ、明日の予選ではアンドレッティ勢もファクターとなって来そうだ。アレクサンダー・ロッシはプラクティス2で壁にヒット。14番手に終わった。
　8番手がニューガーデン。9番手はライアン・ハンター-レイ（アンドレッティ・オートスポート）で、10番手はパワー。ペンスキーはトップだったパジェノーと他の二人の間に結構な差があった。ニューガーデンは0.5801、パワーは0.6273秒も離されてしまったのだ。
　カナダ中が大きく期待している、トロント近郊出身のジェイムズ・ヒンチクリフ（アロー・シュミット・ピーターソン・モータースポーツ）は、プラクティス１が13番手だったが、プラクティス2も11番手でトップ10入りを果たせず。スーパー・ルーキーのコルトン・ハータ（ハーディング・スタインブレナー・レーシング）もトロントでの初日はプラクティス1で15番手、プラクティス2で12番手と目立つ活躍はまだできていない。2015年以来となるインディカーでのロードレースにカーリンから臨んでいるセイジ・カラムはプラクティス１が最後尾の22番手、プラクティス2がブービー賞の21番手と苦戦中だ。

佐藤琢磨、ターン11でウォールにヒット
「マシンのフィーリングはセッション序盤ではよかった」

　プラクティス1で9番手だった佐藤琢磨（レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング）は、プラクティス2の走行開始から15分ほどでターン11の壁にヒット。サスペンションを壊して早仕舞いとなった。2周目にプラクティス１の自己ベストをコンマ5秒ほども上回る1分01秒3290をまマーク。マシン・セッティングの変更は良い方向に向かっているよう見えていただけに残念なアクシデントだった。「コースがトリッキーで、今年は多くのドライバーたちがターン11で苦労をしている。自分もそこでバランスを崩し、壁にヒットしてプラクティス2は非常に短いものとなった。昨日コースを歩いた時には気づかなかったけれど、路面の継ぎ目にグルーのようなものが使われているらしく、そこに乗るとマシンが滑るということらしい。今日、データ収集を十分にできなかったのは残念だが、少なくともマシンのフィーリングはセッション序盤を走った限りでは良いと感じられていた。レッド・タイヤを試せなかったことも残念。明日のプラクティス3は今日のセッティングで臨むが、今日の走行で気に入らなかった部分を修正するための準備をして行く。レッド・タイヤについてはグレアムから情報を得ている。自分で試していないので予選はぶっつけ本番になるが、彼のセッティングは色々と試した末に自分のものに近づいて来ているので、明日のプラクティス3でさらにマシンのセッティングを良くしたい」と琢磨は語った。
以上