インディーカー最年少優勝に続き、ハータは最年少ポール・ポジションの新記録も樹立!Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大 |
今シーズンの第2戦インディーカー・クラシックで、デビュー3戦目にしてキャリア初優勝を記録したルーキーのコルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング)が、デビュー11戦目となるREVグループ・グラン・プリでキャリア初となるポール・ポジションを獲得した。ハータ二世は18歳と359日でインディーカーの最年少のウィナーとなったが、今日、彼は19歳53日で最年少ポール・ウィナーとなった。どちらの記録もハータ二世の前はレイホール二世のグレアムが保持していた。
ハンター-レイ、まさかのQ1敗退
全長4.014マイルの長いコースでの予選は、通常の10分間より2分間長い12分間。ブラック・タイヤでアタックを2回、ピット・インしてマシンを調整し、レッド・タイヤに交換してアタック2ラップ……というのがQ1、Q2でのセオリーとなっていた。
ファイナルに進んだドライバーをQ2で速かった順に並べると、ハータ、アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)だった。
好調だったライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)がまさかのQ1敗退。インディー500ウィナーのシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)も同じくQ2に進めなかった。Q1を通過しながら、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)はメカニカル・トラブルでQ2を走れず、予選結果は12位となった。
ファスト6、ユーズド・レッドの戦いで光ったハータ
「ベストなグリッドを得て、あとは天気を心配するだけ」
ファイナルはユーズド・レッドでの戦い。フレッシュ・レッドを支えたQ1とQ2にはタイムでは敵わないが、その落ち込みをどれだけ抑えられるかが勝負。ここで今回、素晴らしいパフォーマンスを見せたのがルーキーのハータで、ただ一人1分42秒台を記録してキャリア初PPを手に入れた。ロッシは2位。ペンスキーの元チャンピオン二人はパワー、ニューガーデンの順で予選3、4位となった。そしてレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの2人がレイホール、琢磨の順でグリッド3列目に並ぶ予選5、6位となった。
「今日1日、物事が本当にうまく進んだ。チームのスタッフ全員がハードワークをこなし、チームが一体となって素晴らしい仕事をしてくれている。その結果、今日の僕らのマシンは予選でポール・ポジションを争えるものに仕上がっていた。今シーズン初めてのことだ。状況を味方につけ、ベストのスターティング・グリッドを獲得できたのは本当に嬉しい。あとは天気のことを心配するだけ。雨が降るなら、それに合わせてマシンをセッティングしないとならない。いいレースを明日は戦いたい」とハータは語った。
セカンド・ポジションとなったロッシ
「どのセグメントでも0.2秒ぐらい足りていなかった」
惜しくも2位となったロッシは、「考えていた通り、競争の凄まじい予選となった。どのセグメントでも自分たちは0.2秒ぐらい足りていなかった。その差を埋める策を見つけて明日のレースを戦いたい。チャンピオン争いのためにもポールの1点は欲しかったが、獲れなかったたものは仕方がない。レースでできる限り多くのポイントを稼ぐよう全力を尽くすだけだ」とコメント。
パワーは、「PPは無理でもP2が得られたらベスト……と考えていたが、P3で2列目スタートになった」、ニューガーデンは、「今日の僕らのマシンは予選3、4位の仕上がりだったということ。トップ2となった彼らに立ち向かうレベルには達していなかった。路面がもっと温度が上がったりすれば、可能性があったのかもしれないが」と話した。
佐藤琢磨、セッティング変更が大成功!
「まだトップ2との間には差があるが、明日のレースが楽しみ」
プラクティス2で18番手、その直後のウォーム・アップで15番手、土曜日のプラクティス3でまたも18番手だった琢磨は、予選のQ1突破も難しい状況だったが、予選までにセッティングを見直し、これが大成功!
Q1では今週のベストとなる1分43秒1804をマークして2番手となり、12人で争うQ2でもレッド・タイヤでのアタック2周目に1分43秒2292で5番手に食い込みファイナル進出を果たした。
今シーズン2回目のファイアストン・ファスト6、ユーズド・レッドで琢磨が記録したベストは1分43秒8790。ファイナルでは最下位の予選6位となったが、プラクティス3までの低迷から状況を一転させてのトップ6入りを果たした琢磨の表情は明るかった。「今朝のプラクティスまでのセッティングを少しずつ、全部のエリアで見直しました。バーバーで速かったクルマのコンセプトを使って来てるんですが、それがインディーGPではうまく働かなかった。ロード・アメリカでもプラクティス3までは下位に沈んでしまって、少しパニック状態でした。バランスが取れないというか、本当に乗りこなせないマシンになってたので。しかし、スプリングもショックも見直し、トリミングも検討した結果、ハードにプッシュできるクルマになっていました。まだトップ2との間には差がありますが、プラクティス1で感じられていた良いマシンのフィーリングに近づいているので、明日のレースも楽しみです」と琢磨は話した。
予選直前のプラクティス3で18番手だった琢磨。チームメイトのグレアム・レイホールも16番手とほぼ変わらないポジションだった。多くのチームは、このような状態に陥ると、その週末は後方集団から抜け出すことができない。しかし、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのドライバー二人とエンジニアたちは、2カー体制で働き始めて2シーズン目ということもあり、チームを苦境から脱出させることに成功した。ここまで大きな巻き返しが可能となったのは、チームの総合力が高まっていることの証明だ。レイホール二世とグリッド3列目に並んでのスタートとなる明日、ポイント5番手につけている琢磨には、しぶとくフィニッシュまで走り切っての高ポイント獲得を期待したい。ポイント2番手のシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)は予選16位、ポイント4番手のスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)は予選12位と琢磨よりかなり後方からのスタート。ポイント・トップのニューガーデンはすぐ目の前の4番グリッドからのスタートなのだから、明日は琢磨がチャンピオン争いでポジションを上げる大きなチャンスだ。
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