2019年5月18日土曜日

2019 INDYCARレポート 第103回インディアナポリス500 Day4 プラクティス4:ファスト・フライデイ最速はコナー・デイリー!

この日57周を走行したデイリーは、54周目に231.704mphをマークする Photo:INDYCAR (James Black) クリックして拡大
デイリーのタイムはトウありながら今年最速
アンドレッティ、佐藤琢磨が続き予選前日にホンダ1-2-3!

 予選を明日に控え、今日のプラクティスではターボのブースト圧が予選用のものにアップされる。マシンの空力は極限までトリムされ、各エントラントは予選シミュレーションを繰り返した。
 今日は誰もが単独走行を目指すが、トウが発生してしまった……というパターンで速いスピードは記録されていた。つまり、スピード・ランキングを云々してもあまり意味はない。ただし、今日のセッション終了間際、アンドレッティ・オートスポートからスポット参戦しているコナー・デイリーが231.704mphをマーク。それは今年の最速ラップなので、ここで触れておく。



ここまであまり上位に顔を連ねることのなかったアンドレッティ・オートスポート勢がファストフライデイで一気に躍進! マルコ・アンドレッティは走行2周目にトウありで230.851mphのベストラップを記録。ハンター-レイもトウありで5番手に Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大


アンドレッティ軍団、ここに来て急浮上!
 

 2番手はマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ・ウィズ・マルコ・アンド・カーブ・アガジェニアン)の230.851mph。そして、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が230.755mphで3番手だった。3日連続でシヴォレーがトップだったが、予選前日になってホンダが1-2-3、アンドレッティ軍団の1-2となった。しかし、それがイコール、”ハイ・ブーストではホンダが優位”という話にはならない。より重要なノー・トウ・スピードでのランキングを見ると、トップはエド・ジョーンズ(エド・カーペンター・レーシング)の230.106mphで、2番手はエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)の229.879mphだった。シヴォレーの1-2=ECRの1-2だったのだ。

ノートウではいまだシヴォレー優位だがホンダ勢も肉薄
ロッシはペンスキー4台より早い229.878mph!

 
現時点でのノートウでのタイムは、エド・カーペンター・レーシングの2人が1-2!ファスト9進出に現時点ではきわめて近い位置にいる Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大


 ”今年もシヴォレー優位”かというと、確かにそうなのだろうが、ホンダが差を縮めており、明日、明後日の予選ではコンディション次第ではかなり興味深い戦いになりそうだ。暑くなったり、湿度が上がったりすれば(そうなる予報なのだが)、マシン・セッティングの重要性が一層高まり、チーム力の勝負となるからだ。
 

この日のタイムは14番手だったが、ロッシはノートウでのスピードを着実に上げてきている Photo:INDYCAR (John Cote) クリックして拡大
 ホンダ勢ではアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)がチーム・ペンスキーの4人よりも速い229.878mphを記録して今日のノー・トウの3番手。ノー・トウ・ランキング4、5番手はチーム・ペンスキーのウィル・パワー=229.751mphとシモン・パジェノー=229.548mphだったが、6番手にはグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が229.449mphでつけ、7番手はアンドレッティ三世の229.382mphだった。昨日まであまりスピードが出ていない風だったアンドレッティ勢がファスト・フライデイにスピード・アップして来た。レイホール二世のスピードも決して悪くない。さらに、8番手にはスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)=229.282mphがつけた。9番手はジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)、10番手はコルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング)だった。
 エド・カーペンター・レーシングの3人とチーム・ペンスキーの4人がファスト9進出の可能性を大きく秘めており、ホンダ勢だとアンドレッティ・オートスポート、チップ・ガナッシ・レーシング、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング、デイル・コイン・レーシングが彼らにチャレンジする権利を所有している、といったところだろうか。

走行を再開したアロンソ、ノートウ30番手と苦境に


プラクティス4から走行を再開したアロンソは、この日最多の77周を走行。ベストラップは77周目にマークした229.328mphで24番手と出遅れを取り戻すには至らない。その上深刻なのはノートウでのスピード不足だ クリックして拡大
  その一方で、フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)は、新たに組み上げたマシンで走行を再開し、77周を走行したものの、トウ利用で記録したベストは229.328mphで24番手。ノー・トウ・スピードは226.869mphで30番手と、かなり厳しい状況に追いやられている。元F1チャンピオンよりも遅いドライヴァーは6人しかいない上、その中にはファスト9候補のスペンサー・ピゴット(エド・カーペンター・レーシング)が含まれているのだ。おそらくピゴットは多くのラップがほんの少しずつトウを得たものになってしまっていたのだろう。

カイル・カイザー、クラッシュ
 今回が2度目のインディ500挑戦となるカイル・カイザー(フンコス・レーシング)は、今日のプラクティスでクラッシュ。予選落ちの危機に瀕することとなった。正午前にターン4でオーヴァーステアを出し、マシンの左サイドからアウト側の壁に激しくヒット。宙に浮いた後にマシン左サイドから着地した。ノーズ・コーンが吹き飛び、モノコックの先端を破損。彼らはロードコース用シャシーを引っ張り出し、スーパースピードウェイ仕様へとコンヴァートする作業に取り掛かった。明日までにマシンの用意はできそうだ。

 インディー500のグリッドは33個。今年は3台が決勝進出を諦めなくてはならない。予選落ちの筆頭候補が今日クラッシュしたカイザー。その他で危機にあるのは、228mphを単独で出せていない面々。それらは、昨日クラッシュしたルーキーのパト・オーワード(カーリン)、同じくルーキーで、チームも初のインディー500挑戦のベン・ハンリー(ドラゴンスピード)、マックス・チルトン(カーリン)、スポット参戦のセイジ・カラム(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)らだ。

以上

0 件のコメント:

コメントを投稿