予選1日目のトップタイムをマークしたピゴット。ECRは全車がファスト6進出を果たした Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大 |
ペンスキーは3台が2-3-4位でファスト9進出
第103回インディアナポリス500の予選1日目が開催され、スペンサー・ピゴット(エド・カーペンター・レーシング)が4ラップ平均230.830mphのアタックを完成させ、暫定ポール・ポジションを獲得した。
予選2番手はウィル・パワー(チーム・ペンスキー)=230.081mph。ピゴットとのスピード差は0.0023mphしかなかった。これはタイムにすると0.0011秒という僅差だった。2.5マイルのコースを4周しての差が、である。
予選3番手はシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)の229.854mph。シヴォレーが暫定ながらフロント・ロウを独占。4番手もシヴォレー・ユーザーのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)だった。ペンスキー勢はスポット参戦のエリオ・カストロネヴェスが12位でファスト9入りできなかったが、3人が2列目までに入り実力のほどを示した。
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ホンダ勢のトップとなる5番手につけたのは、ルーキーのコルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング)だった。今日の彼のパフォーマンスは素晴らしいものだった。最初のアタックで229.033mphを出してホンダ勢トップの7番手につけたが、2度目のアタックを行ったアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)が229.268mphで彼を逆転。ハータ二世も2度目のアタックにチャレンジし、見事229.478mphを出して8番手から5番手へと順位を上げた。
インディーで強いECR、チーム3台全車がファスト9進出
5、7位はエド・カーペンター・レーシング=ECRのエド・ジョーンズとエド・カーペンター。今年も彼らのインディでの強さは変わらず、カーペンターの2年連続、通算4回目のPPはならなかったが、チームの3台すベてをトップ9入させた。トップ9に3台はチーム・ペンスキーに並ぶ数字で、結局のところシヴォレー・ユーザーから彼ら2チームだけがファスト9に駒を進めたということだ。
ピットで談笑するピゴットとかーぺンター。走行初日から順調に来ている余裕がふたりの表情から見て取れるようだ Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大 |
佐藤琢磨は暫定14番手
ディクソン、ハンター-レイら優勝経験者は中団に
ピットでリラックスするブライアン・ハータとアンドレッティ。アンドレッティは3階アタックを試みたが予選10位と惜しいところでファスト9進出を逃す Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 |
暫定11位で4列目に入ったのがスポット参戦のコナー・デイリー(アンドレッティ・オートスポート)。その後ろの暫定12位が前述の通りにカストロネヴェス。
暫定だがグリッド5列目となる13、14、15位には初出場のマーカス・エリクソン(アロー・シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、ジェイムズ・デイヴィソン(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・バード・アンド・ベラルディ)が並んだ。
暫定の6列目=16、17、18位はトニー・カナーン(AJ・フォイト・エンタープライゼス)、グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)。ディクソンは2度目のアタックを暑い中で行ったがスピード・アップを果たせなかった。ディクソンと同じくインディー500での優勝経験を持つライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)も今年はチームメイトのロッシや、協力体制を組んでいるハーディング・スタインブレナー・レーシングで走るコルトン・ハータに遠く及ばない227.877mphしか出せず、今日の予選結果は22位と厳しいものとなっていた。
ヒンチクリフ、クラッシュ!
バックアップ・カーで再アタックも30位以内に入れず
アロンソ、オーワードもラスト・ロウ・シュートアウトへ
今日、30位でギリギリ出場権を手に入れたのは、女性ドライヴァーのピッパ・マン(クローソン・マーシャル・レーシング)。彼女の4ラップ平均は227.244mphだった。
そして、今日グリッドを確保できなかった6人、明日、もしくは明後日にラスト・ロウ=3台を決める戦いを繰り広げることになったのは、フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)!
マックス・チルトン(カーリン)、パト・オーワード(カーリン)、セイジ・カラム(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)、ヒンチクリフ、カイル・カイザー(フンコス・レーシング)だ。そのうちの4人=アロンソ、オーワード、ヒンチクリフ、カイザーはプラクティス、もしくは予選でアクシデントを経験しており、入念に準備したマシンでの出走ができない状況に陥っている。
最初のアタックでスローパンクチャーが発生、そこから予選の流れを挽回できずアロンソは窮地に Photo:INDYCAR (Walter Kuhn) クリックして拡大 |
アロンソは最初のアタックでタイヤがスロー・パンクチャーする不運に見舞われ、1ラップ目の226mph台から毎ラップ1mphずつダウン。20番目のアタッカーとしてコース・インし、20番手となった。
ここで彼らは、「遅かったのはマシン・セッティングのせいではなく、タイヤにトラブルがあったから」と判断し、涼しくなるのを待って午後4時前に2度目のアタック。1ラップ目には228mph台が出たが、2ラップ目に2mph以上もドロップしてアタックを中断。この時点で残り時間は2時間となった。
3度目のアタックは、それから30分しか経っていない午後4時15分過ぎに行われた。しかし、ここでは1ラップ目に227mph台しか出せず得られた順位はオン・ザ・バブルの30番手。すぐにカーリンのオーワードにバンプされ、16時39分に4回目のアタック。もう、この頃にはチームもドライヴァーも混乱していたのだろう、コンディションは向上しているはずなのに228mphが出せなくなっており、4ラップ目にアタックを中断した。
アロンソの苦行は更に続き、予選終了30分前を切った午後5時22分、5回目のアタックに出て行った。ここでも彼は228mph台を出せず。少し前にはハータが2度目のアタックで4ラップ連続で229mphを出していたというのにだ。3、4ラップ目が226mph台に落ちたアロンソは、227.224mphの平均でなんとか29番手に入ったが、フェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ・レーシング)がスピード・アップして決勝出場権を確保。JR・ヒルデブランド(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)が3回目のアタックでついに227.908mph
を記録して20位に飛び込み、アロンソはまたしてもバンプ・アウトされ、もうチャンスは巡って来なかった。
伸びないスピードに混乱を隠せないアロンソ
「今日の僕らは全開で走れていたのにスピードが足らなかった」
予選初日にグリッドを確保できず、厳しい表情でパロンソはピットを後にする Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大 |
以上
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